ディスカバリーインドネシアⅡ〜第4弾バツカラス「おおらかさとテキトーさは表裏一体」

ディスカバリーインドネシアⅡ〜第4弾バツカラス前編。「おおらかさとテキトーさは表裏一体」 


 

再開された「ディスカバリーインドネシア」。東西南北、四方を海に囲れ、年間を通じて良質なスウェルが打寄せるインドネシアの知られざる波の魅力 に迫る。 2シーズン目を迎える今年も、世界が認める有数なサ-フィンデェスティネ-ションをクロ-ズアップし、年間で5つのロケーションを紹介していく。 未だ見ぬ魅惑のサーフスポットへの旅を楽しんで欲しい。シーズン2の第4弾は、インドネシアを代表するロングライトブレイク「バツカラス」。

 

 

 

ヌーサと並んでロングボーダーの聖地であるインドネシアを代表するロングライトブレイク

 

おおらかさとテキトーさは表裏一体である。いや、もしかしたら同一なのかもしれない。ようは受け取り方によって、おおらかにもテキトーにも受け取れるということなのかもしれない。


インドネシア国民を一言で表現するならばおおらかだ。ようするにテキトーということにもなる。


バリ島から今回の目的地であるバツカラスに向かうには国内線に乗らなくてならない。このインドネシアの国内線というのがもう本当にとことんおおらかでテキトーなのだ。


搭乗ゲートが変更になってみたり、ゲートからバスに乗せられ搭乗できると思いきやまた元のゲートに降ろされそこで放置されてみたり。インドネシアにおいては日本のように正しく飛行機に乗ることなど望めないのだ。

 

コンパクトな湾に沿って美しい波がブレイクする

 


そんなこんなで息つく間もなくジョグジャカルタの空港にやってきた。そこからは陸路が待っている。インドネシアのバリ以外のディスティネーションではだいたいにして空港からロングドライブが課せられる。ドライバーに聞くところによると今回の陸路は6時間ほどかかるという。現地の人間が6時間というのだから、8時間から10時間が想定される。ようするにテキトーなのである。

 

 

一度は行ってみたいバツカラスのロングライト


 

今回の目的地であるバツカラスはロングボーダーであれば耳にしたことのあるポイントかもしれない。カリフォルニアのマリブ、オーストラリアのヌーサと並んでロングボーダーの聖地となりつつあるインドネシアを代表するロングライトブレイクなのだ。


想定範囲内通り約8時間のドライブを経てバツカラスにやってきた。6時間といわれたのに8時間かかったといって腹を立てているようでは、とてもインドネシアを旅することなどできない。ちゃんと無事着いたわけだから不平も不満もないのだ。

 

 


 

深夜のバツカラスは多くの人々で賑わっていた


このシリーズが始まって以来初めてとなる小綺麗なホテルに着いたのは、まだ朝の気配すら感じさせない真夜中のことであった。ボートトリップやサーフキャンプに慣れ親しんでいるボクは、このこじんまりとした可愛らしくも清潔なホテルに少々の気恥ずかしさすら感じた。

 

満面の笑みでグライドする筆者、有本圭

 


真夜中のバツカラスは静寂に包まれ、時折波音だけが周囲に響いていた・・・なんてことは一切なかった。なぜだろう。深夜のバツカラスは多くの人々で賑わっていたのだ。これは一体どういうことなのだろうか。

 

時計に目をやると午前3時をまわったところ。家族連れ、子どもたちの姿も見受けられる。こんな真夜中にこの人たちは一体に何をしているというのだろうか。ここの人たちは日中があまりにも暑いので夜行性になってしまったのだろうか。それともめちゃくちゃ夜更かし、もしくは早起きなのだろうか。

 

 

今回、旅人の一人としてプロサーファーの市東重明も参加


長旅の疲れもあってもう考えるのも面倒になり、とにかく朝まで仮眠をとることにした。朝には日本からやってくる旅のクルーたちとの再開と出会いが待っている。今回の旅ではどんな波がボクたちを待っているのだろうか。枕に頭を沈め、そんなことを考えているうちに深い眠りへと吸い込まれていった。

 

 

有本圭(ありもと・けい)

バリ島在住プロサーファー。2000年〜2007年までJPSA(日本プロサーフィン連盟)ロングボードツアーでシード選手として活躍。その後、雑誌、webなどで執筆活動を行い、サーフィンや旅をテーマに啓蒙活動を行っている。

有本圭のブログ→ http://sw-players.com/

 

 

Nobu Fuku / 福与 乃二彦

サーファー&フォトグラファー。最高の波を求め1994年にインドネシアのバリ島へ移住。バリ島をベースにインドネシア各地で水中撮影をメインに活動、 サーファーの視点から自然の素晴しさを伝える作品創りに努める。

Nobu Fuku Photography  http://www.nobufuku.com/

 

協力:波伝説ガル-ダインドネシア航空BLUEOMtour