松山欣則が4年ぶりの優勝。吉川広夏は破竹の3連勝。JPSAロング「マーボーロイヤル Kj プロ」

松山欣則が4年ぶりの優勝。吉川広夏は破竹の3連勝。JPSAロング「マーボーロイヤル Kj プロ」 


優勝した松山欣則と吉川広夏

 

2015年7月5日(日)、神奈川県藤沢市辻堂海岸:JPSA ロングボードツアー第3戦「マーボーロイヤル Kj プロ」は大会最終日。湘南・辻堂海岸のコンテスト会場は生憎の雨。風は弱いオフでクリーンなコンディションとなったが、朝は満潮も伴って波はサイズダウンのヒザモモ、セットでコシ。波数は少ないがセットが入れば形は良い。


コンディションを見て、波が無くなると判断し、早朝の6時30分から男子のクオーターファイナルからスタート。コンテストは、この状況だからこそ、どこまで攻めることができるかが勝ち上がる条件となった。

 

尾頭信弘と秋本祥平はインターフェアで敗退。
森大騎もセミファイナルで敗退となった

 


ファイナル・デイは、厳しいコンディションに優勝候補の選手が次々と敗れる番狂わせが発生。メンズのクオーターファイナルのヒート1では、昨年のグランドチャンピオンである畑雄二が、ヒート2では秋本祥平と尾頭信弘がインターフェアで両者とも敗退。そして、クロスヒートとなったセミファイナルのヒート1で、2連勝中の森大騎が僅差の3位敗退となった。

 


 

ベテラン松山欣則が4年ぶりの優勝。 


 

そんな厳しいコンディションの中で、堀井哲、新城譲、松山欣則、一岡祥平の4名がメンズのファイナル進出。松山がスタートからカーヴィングターンとハングファイブのコンビネーションで6.0をスコア。

 

松山欣則

堀井哲は小波ながらバックハンドサーフィンで激しく板を蹴り出して、4ポイントを2本まとめてヒートスコア9.10でヒートをリードする。

 

新城譲

 

新城はシングルフィンでバックハンドのハングファイブで3.5、更にレフトの長いノーズライドで3.55をスコア。そしてバックアップを探していた松山が、3.9をスコア。ついにトップに躍り出る。

 

一岡祥平

 

辻堂のロコボーイ一岡は、地元の声援に応え、JPSA初ファイナル進出。しかしコンパクトなレフトでファングファイブを仕掛けていくがスコアが伸ばせない。

 

堀井哲

 

第2位で追い上げる堀井哲がレフトブレイクでフォアハンドのリエントリーを決め4.90をスコア。追い上げを開始する。

 

松山


そして、ファイナルに奇跡のセットが入り、トップの松山がレフトの波を掴んで完璧なバックハンド・ハング5からのリエントリーでエクセレントの8.00をスコアする。ヒートスコア14.00として更にリードを広げていく。

 

追い上げる堀井哲は、更にバックハンド・ビッグリエントリーで6.25をスコアして追撃するも、そこまで。日本のロングボードシーンの第2世代を牽引し続けたベテラン松山が、4年ぶりの優勝を決めた。

 

今シーズン後半戦を前に、セミファイナルで3位敗退はしたものの、トップを独走し続けるのは森大騎。今回2位となった堀井哲に対し依然として2500ポイントの大差を付ける。今シーズンのロングの試合は千葉と茅ヶ崎の残り2戦だ。

 


吉川広夏は破竹の3連勝。 



ウイメンズのファイナルは、大池裕美子、吉川広夏、田岡なつみ、菅谷裕美が顔を揃えた波数が少ない中、大池裕美子と吉川広夏がライトブレクで3ポイントのスコアでヒートを開始。

 

吉川広夏
大池裕美子

 

この短い波で、いくつ技を入れられるのかという戦いのなか、吉川広夏は掘れたライトブレイクをキャッチ。クリティカルなセクションで安定感のあるハングファイブ。カーヴィングターンを組み合わせて、5.75をスコア。ヒートスコアを9.25としてファイナル前半をリードする。

 

 

田岡なつみ
菅谷裕美

 

果敢に波を掴む田岡なつみは、スコアを伸ばすことが出来ず3位。菅谷裕美は4位で後半戦へ。そのまま順位は変わらず、厳しいコンディションの中、しっかりと2マニューバーを入れる吉川がリードを保ったままファイナルが終了。

 

吉川広夏が今シーズン3連勝。全5戦中、上位4戦のポイント合計で年間ランキングを決定する今年のJPSAロング。このままで行くと吉川は最終戦を待たずに、2度目のグランドチャンプを決めることになりそうだ。

 

 

 

撮影、取材:山本貞彦

 

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関連記事:JPSAロング第3戦「マーボーロイヤル Kj プロ」。男子ベスト16、女子ベスト8が決定

JPSAロングボード第3戦「マーボーロイヤル Kj プロ」が湘南・辻堂海岸で開幕する。

 


 

大会結果。

JPSA ロングボードツアー第3戦「マーボーロイヤル Kj プロ」

男子

優勝 松山欣則
2位 堀井哲
3位 新城譲
4位 一岡祥平

女子

優勝 吉川広夏
2位 大池裕美子
3位 田岡なつみ
4位 菅谷裕美

BEST OF THE BEST RIDE
男子 松山欣則 8.00ポイント 10万円
女子 吉川広夏 7.00ポイント   5万円

松山欣則。
4年ぶりの優勝。本人はQFの2人のインターフェアで、ラッキーにも勝ち上がったと言うものの、決勝では今大会のハイエストスコアを出して、文句無しの優勝。そう、運を味方につけるのも実力のうち。おめでとう!

新城譲。
最終日は波が下がったこともあり、得意のシングルフィンで攻めたのが大成功。誰もが攻めあぐねた波を見事に料理。人と違った演技で見事ファイナルへ。

辻堂ローカルでもあり、マーボーさんからスポンサードされている一岡祥平。
初の決勝でも「楽しみます!」と臆すること無くヒートに臨んだ。

堀井哲。
湘南ローカルでも、今回の波は難しかった。それでも、自分のサーフィンで最後までアグレッシブに攻めた。これが堀井スタイル。

吉川広夏。
無心で戦ったことが勝因。
今期はこれで開幕3連勝。昨年の最終戦もいれれば、4連勝と破竹の勢い。
アマチュア時代に一度も勝てなかった湘南で優勝できたことは、とても嬉しいとも語ってくれた。

どんなコンディションでも自分のパフォーマンスができるのが、ぴろタンの強さ。
おめでとう!

田岡なつみ。
セミでの攻めは見事。ノーズライドでここまで引っ張るのは男子に劣らず。しかし、そのピークはここまで。ファイナルでは波数、パワーとも落ちる中、セットで決められず優勝を逃した。

優勝トロフィーは、なんと24万円するという沖縄の琉球ガラスで作られたもの。マーボーさんが今大会だけのためにオーダーしたそうです。

セミファイナルで敗退した鈴木  剛
優勝おめでとう! 鈴木由貴、ピロタン、田岡なつみ
セミファイナルで敗退。櫻岡  甲太
ベテラン松山の4年ぶりの優勝を祝福するファイナリスト
セミファイナルまで勝ち上がった堀野  稔
秋本祥平と2度も交錯。インタフェアで破れた尾頭信弘
完全に勝っていたヒートをインターフェアで落とした秋本祥平