森大騎と吉川広夏が優勝。JPSAロング「ガルーダ・インドネシア 旅工房 ムラサキプロ」

森大騎と吉川広夏が優勝。JPSAロング開幕戦「ガルーダ・インドネシア 旅工房 ムラサキプロ」 


優勝した吉川広夏と森大騎

 

 

バリ島、クラマス(2015年4月22日、水曜日)7日間に渡りバリ島で開催されていた、JPSA開幕戦「ガルーダ・インドネシア 旅工房 ムラサキプロ supported by Princess Collection」は、ついにファイナルデイを迎え、ロングボードの2名のチャンピオンが決定した。


会場のクラマスの天候は晴れ。朝の潮は今日も干きいっぱい。30分ウェイティングで、現地時間7:20AMに男子クオーターファイナルからスタートとなった。

 

 


波のコンディションは、干いている時は肩頭。上げに変わって、今日も頭半からダブルへとサイズアップ。晴れていたので早くからオンショアが吹くかと思われたが、天も味方し大会が終わるまで風は吹かずにエンディング。ここクラマス7日目の最終日も素晴らしいコンディションで試合が行われた。

 

 

 

ファーストピークでのハングファイブが勝利の決め手となった吉川広夏 


吉川広夏

 

掘れたセクションでの際どいターンのサーフィンが求められるクラマス。限界までテールを絞り、ロッカーも強いパフォーマンス系の2+1のロングボードでアグレッシブに波を攻めるサーフィンが出来る選手が勝ち上がっていく。


ウイメンズは、セミファイナルのヒート1で岡澤紫穂と栗田直美を下した、吉川広夏と岡澤紫穂と、ヒート2で鈴木由貴と折笠友子を下した、大池裕美子と遠藤夕子がファイナルへ勝ち上がった。

 

パーフェクト10をマークした大池裕美子

 


女子のファイナルがスタートする頃には、クラマスは最高のコンディションとなった。


ファイナルはスタートから各選手がチャージを繰り返す。吉川広夏は、ファーストピークでのハングファイブからのフローのあるライディングを披露。素晴しいコンビネーションで7.25をスコア。

 

田岡なつみもファーストウェイブで6.00をマーク。素晴しい波で美しいサーフィンが繰り広げられる。大池も5.00をスコア。ビッグセットにもチャージを見せる。遠藤も素晴しいウェイブセレクションで6.50をスコアする。

 

田岡なつみ


ヒート後半に入り、激しい戦いを繰り返す吉川と田岡。正確なステップでノーズとテールを見事に操る吉川広夏は9.00のエクセレントをマーク。バックアップ7.25でヒートスコア16.25として下位の選手を大きく引き離す。

 

2位の田岡なつみもハングファイブとターンのコンビネーションで、エクセレントの8.25をマーク。ヒートスコア14.25とする。しかし田岡が、逆転するにはエクセレントが必要だった。


 

遠藤夕子

 


そしてヒート終盤、コンビネーションに追い込まれた4位の大池は、肩の張った素晴しい波をゲット。長いハングファイブとカーヴィングターンを繰り返し、インサイドまで繋ぐ。そのライディングはロング女子初のパーフェクト10となり、4位だった大池を一気に2位に押し上げた。しかし、そこで終了ホーンが鳴りタイムアップ。

 

 

吉川広夏

 

安定感のあるサーフィンに磨きをかけた、昨年のグランドチャンピオンである吉川広夏が、見事優勝。2連覇に向けて素晴しいスタートを切った。

 

 

ノーズとテールを巧みに操った森大騎のサーフィンスキルが爆発 


ハングテンを何度も決めていた森大騎

 

 

メンズは、セミファイナルのヒート1で、9.25というエクセレントの高点を叩き出した森大騎と、8.25のエクセレントをマークし1位で勝ち上がった畑雄二。

 

そして、バックハンドでチャージを見せる堀井哲が、今大会のベストスコアを塗り替える9.50をスコア。ユージン・ティールも後半にエクセレントを含む2本を決めてファイナルへ勝ち上がった。

 

堀井哲


ファイナルのスタートとともに、森大騎がアグレッシブに波を攻め込み、インサイドではビッグなリエントリーをメイクして、9.50をスコア。素晴しいスタートダッシュを見せる。

 

堀井哲もバックハンドでリエントリーとカーヴィングのコンビネーションで7.25をスコアする。ユージンもファーストウェイブでハングファイブからのソールアーチ、そしてビッグカーヴィングで6.00をマークする。

 

ユージン・ティール


森大騎はハングファイブからハングテンへ繋ぎ、果敢に攻め4.00をスコア。堀井哲は2本目でバックハンドのビッグマニューバーで7.90をマークして、トップに躍り出る。ユージンは2本目でカーヴィングターン主体のライディングで、7.10をスコアして3位となる。

 

10分経過し、畑雄二はじっくりと波を待って全く波に乗らない。


後半に入り、ファイナルの最高点を持つ森大騎は、バックアップ4.00を塗り替えたい。そんな森は再びセットをキャッチ。ハングファイブからねじり込むカーヴィングターンを決めて6.40をスコア。大逆転に成功して、トップを堀井哲から奪い返す。

 

畑雄二


ヒート残り時間10分。昨年のグランドチャンピオンで、イベントチャンピオンである畑雄二は、ようやく波を掴み、カーヴィングターンのコンビネーションで7.40をスコア。

 

トップを狙う堀井哲は、シームレスなノートリムのバックハンド・ターンで7.35をスコア。僅かにスコアは足らず逆転は出来ない。しかし、各選手がトップポジションを獲得するためには、エクセレントが必要。

 

 

そして最後まで、そのポテンシャルのある波は入らずにタイムアップ。昨年も最終ランキング2位と絶好調の森大騎が、今シーズンの開幕戦を制した。

 


彼がグランドチャンピオンを手にしたのは2009年。そのあと思ったような結果が残せず低迷が続いていた森大騎だったが、昨年の最終戦では4年振りの優勝。ランキングも2位に上げ、開幕戦での森大騎のサーフィンを見るにつけ、今シーズンの活躍を期待せずにはいられない。

 

7日間に渡るJPSA開幕戦が終了。次回のJPSAは、ショートボード第2戦は、6月3日(水)~7日(日)、高知県東洋町生見海岸でWSLとの共同開催となる「BILLABONG PRO SHIKOKU supported by PLAYER RESORT」。ロングボードは鎌倉市の七里ヶ浜で、5月16日(土)~17日(日)開催される「一越 湘南七里ヶ浜ロングボードプロ」となる。

 

これらの試合もサーフメディアでは、現地から最新情報をお伝えしますので、お楽しみに。

 

 

田岡なつみ、そして優勝した森大騎の板は尾頭信弘シェイプ。

森はセミから板を変え、ファイナルにその尾頭シェイプで臨む。昨年も優勝した時の板も尾頭シェイプ。

男子決勝は森の先制攻撃の9.50ポイント。これが効いた。

堀井はバックサイドのハンディがありながらの攻め。ノートリムでリエントリーを連発も追いつけず。

畑も並々ならぬ思い入れがこのクラマスにはあったが、決勝では波を待ち過ぎた。

大会終了後、大会運営のJPSA、BSA(バリサーフィンアソシエーション)にスポンサーのムラサキさんが参加した「リスペクトフリーセッション」が30分行われた。
「リスペクトフリーセッション」JPSA川井さん
「リスペクトフリーセッション」BSAサッちゃん
「リスペクトフリーセッション」ムラサキ嶋田さん


サッちゃんは「このクラマスでのロングはどうなのか。心配だったが、それは見事に裏切られた。選手の素晴らしい演技を見て、ここクラマスでもロングはありなんだと。このクラマスで波乗りをやってもらって、また来たいと思ってもらえれば光栄です。そして、日本のJPSAとの信頼関係をこれからも大切にしていきたい。」とコメント。

 


男子
優勝 森大騎
2位 堀井哲
3位 ユージン・ティール
4位 畑雄二

女子
優勝 吉川広夏
2位 大池裕美子
3位 田岡なつみ
4位 遠藤夕子

 

 

得意のクラマスで伝家の宝刀ソールアーチを魅せたユージン
安定感を増した吉川広夏。インタビューでは2連覇を目指すと明言した。
セミファイナルで敗退となった佐藤広
シェイパーとして森大騎や田岡なつみを支える尾頭信弘
現役のプロとして多くの知識をサーフボードに注ぎ込む尾頭信弘はセミファイナル敗退。
スタイルを貫き通したノーズマスター秋本祥平。
常に上位に食い込むようになって来た富圭一郎
ファイナルデイは一番際どい場所から攻め、良い波をクルーズした田岡なつみ
フィンセッティングはトライフィンに限りなく近い
また来年もこのバリ島の素晴しい大会が出来ることを願いたい。皆さんお疲れ様でした。