湘南T-SITEで「WET DREAM」竹井達男の8ミリフィルム映像とSIESTAの音楽が融合。

湘南T-SITEで「WET DREAM」竹井達男の8ミリフィルム映像とSIESTAの音楽が融合。 


竹井達男さんがナレーションから全てを担当

 

 

新感覚サーフィン映像として、大きな話題を呼んでいる『WET DREAM』の未公開映像の上映会と、バイオリンとボダン式アコーディオンの2人組「SIESTA」によるライブが3/29(日)、湘南・藤沢に昨年オープンした蔦屋書店を核とした複合商業施設「湘南T-SITE」で行われた。

 

DVDで発売されている『WET DREAM』。出演はBILLABONGライダーである、 カリフォルニアのプロサーファー、 シェイパー、 そしてアーティストのタイラー・ウォーレンのみ。 ショートからロングまでスタイリッシュに乗りこなすマルチサーファーだ。その映像をとり続けたのが、長年カリフォルニアでフィルム撮影に携わってきた竹井達男。タイラーと竹井氏は1年間をかけて、この映像を撮影し続けた。

 

 

今回の素敵な空間を竹井達男と作り出したビラボン

 

 

当日は雨にも関わらず、多くのファンが会場に詰めかけ、満員状態。竹井氏のノスタルジックな映像に、「パリの街角」が良く似合う、お洒落な バイオリンとアコーディオンによる素晴しい音楽が、絶妙なマッチングを見せ、何とも言い難い異空間を演出。その映像と音楽の掛け合いに観客は魅了された。

 

この素晴しいコラボレーションは、同会場で4/11(土)にも予定されている。DVDで『WET DREAM』を見た方でも、充分に楽しめる内容なので、興味のある方は是非来場して欲しいと思う。

 

カリフォルニア・スタイルを貫くクリエイター、竹井達男

 

サーフメディアインタビュー BONUS+ @SHONAN T-SITE 竹井達男
インタビュアー、撮影: 池田潤

 

SURFMEDIA、以下SM:本日は試写会お疲れさまでした。

 

竹井達男、以下TT:お疲れ様でした。

 

SM:今日の試写会で思った事なんですけで、普通は司会者をが司会進行をおこないますが、なぜ今回のイベントでは司会進行のすべてをご自身でやられたのですか?

 

TT:これって昔からの自然な流れで、1960年代のサーフムービーの監督は、自分自身で進行やナレーションを行っていたんです。撮影した本人がナレーションするわけだからコメントはリアルだし面白いんです。

当時はナレーション(解説)もサーフムービーの一部として非常に重要でした。今回は久しぶりだったのでペースを取り戻すために司会進行も自分でやりました。

 

浜瀬海と岡澤紫穂。抽選会ではポスターをゲットした

 

 

SM:今回のイベントでもラッフルチケット抽選や本人によるナレーションなど、60年代のサザンカリフォルニアのスタイルが満載でしたが、なぜそのようなサーフカルチャーに最初に興味を持ったのでしょうか?

 

TT:もともと、アメリカが大好きで古着屋さんなどにも勤めていて、そこでサーフィンを通したカリフォルニアが魅力的に見えて、当時のトラッドとか七三にわけた髪型とか全般にわたり、60年代のカリフォルニアの延長上にロングボードがあり、カリフォルニアの文化にのめり込んで行くことになりました。


 

タイラーとの撮影秘話を語る竹井氏

 

SM:それからアメリカに渡る事になるのですが、アメリカに渡った時にすでにシングルフィン・ロングボードのムーブメントは始まっていた?それともまだ始まっていない?

 

TT:丁度93年なのでジョエル・チューダーはちょこちょこと乗っていたけど、まだまだ皆はシングルフィンスタビライザーに乗っていて、僕が意識してシングルフィンに乗り始めた年に、タカヤマのモデルTがリリースされた。そこから換算して3年でシングルフィンが成熟した時にたまたまそこにいる事ができたのです。

 

素晴しい演奏だったバイオリンとボダン式アコーディオンの2人組「SIESTA」

 

SM:次は撮影機材の話ですが、なぜ世代的にはビデオ/デジタル世代と思いますが、なぜフィルムをチョイスしたのですか?

 

TT:カリフォルニアの学校で写真学科に属していたのでスティール写真をネガで撮る事には抵抗はなくて、それをみっちり基礎から卒業までやりました。フィルムを使った写真と映像は知識も同じで切り離せない関係なので、ビデオでは無く、フィルムの延長上で8ミリや16ミリでやりたかった。

 

本当は特殊なんですけどビデオ世代で有りながら、フィルムの環境にいたので、撮影にお金も掛かるし、難しいいけれど、これもチャレンジだしクラッシックかなと勘違いしました。

 

来場者はセントアーチャー・ビールを片手に極上の時間を過ごした

 

 

SM:素晴らしいです。すごい努力ですよね。
サーフィン映像では誰に影響をうけましたか?

 

TT:ブルース・ブラウンさんとバド・ブラウンの映像はあなが空くほど見ました。

 

SM:それでは最後にこれからの竹井達男の将来の展望をお願いいたします。

 

TT:今考えているのはサーフィンがらみの短編を1本作りたいと思います。それ以外には、サザンカリフォルニアの面白いカルチャーを撮ってみたいと思います。

 

例えばペリカンだけを撮ってみたり、カリフォルニアの女の子のヌード映画など。90年代にセンチュリー社のマニュアルレンズを手にいれて、97年から真剣にシングルフィンだけを撮影を続けている素材があり、現在通算18年撮影しています。あと2年撮って20年の歴史や付箋を写真集にまとめて出版したいと思います。

 

SM:これからも活躍に期待しています。ありがとうございました。

 

TT:ありがとうございます。

 

 

古き良きカリフォルニア・スタイルを愛し、今に伝承する、才能あるクリエイターの竹井達男。サーフメディアは彼の今後の活躍に期待し、動向に注目していきたい。


 

店内には期間限定で竹井氏の写真が展示されたコーナーもある。
店内には期間限定で竹井氏の写真が展示されたコーナーもある。

イベント詳細はオフィシャルサイトをご覧下さい。

http://real.tsite.jp/shonan/event/2015/03/wet-dream.html

 

 

追記:この映像はサイラス・サットンが自身の.korduroy.tvで竹井氏を紹介した時の映像。伝説のサーフフォトグラファー、リロイ・グラニスを師に仰ぎ、現在はジャーナリストビザを保持した彼は、一年の半分をカリフォルニアで過ごし、自分の目に映る古き良きアメリカを撮影し続けている。