バスコ・リベイロとマヒナ・マエダが、アリアンツASP-WJCで優勝。安井拓海は5位。

バスコ・リベイロとマヒナ・マエダが、アリアンツASP-WJCで優勝。安井拓海は5位。


ASPジュニア・ワールドチャンピオン!バスコとマヒナ

 

 

プラヤ・デ・リベイラ・ディリャス、エリセイラ/ポルトガル(2014年10月29日水曜日)ASPワールドジュニア・チャンピオン決定戦である ASP-WJC「アリアンツASPワールド・ジュニア・チャンピオンシップ」は、クリーンな3~4フィートのリベイラ・ディリャスで大会最終日を迎え、バスコ・リベイロ(PRT)とマヒナ・マエダ(HAW)が見事チャンピオンに輝いた。

 

YouTube Preview Image大会最終日のハイライト映像

昨年のメディーナ同様、地元開催で勝利を掴んだバスコ

 

バスコ・リベイロは、ASPワールド・ジュニア・タイトルを獲得した初のポルチュギー・サーファーとして歴史に刻まれる。「この気持ちを説明する言葉が見つからないです。僕をサポートしてくれた多くの人々に本当に感謝したいです。」と、リベイロが言った。

 

「長い一週間でした。特に今日は4回もサーフィンしましたね。ファイナルは、プレッシャーがなく戦えました。ただ良いサーフィンがしたいと思っていました。イタロが素晴らしいサーファーだと言うことは分かっていたので、何かビッグなことを決めなくてはと思っていたんです。」


 

波を知り尽くしたバスコのパフォーマンスは他を圧倒した

 

 

リベイロはアーリーラウンドから勢いを増して、イタロ・フェレイラ(BRA)とのファイナルで、彼のベスト・パフォーマンスを披露。2本の9ポイントをマークし18.63のヒートトータルでの圧勝となった。ASPヨーロピアン・ジュニア・チャンピオンのリベイロは、今大会で最初から注目の選手で、ジョシュア・モニーツ(HAW)デイヴィッド・シルヴァ(BRA)という、優勝候補の選手達をファイナルまでに下して、王冠を手にした。

 

 

第2位となったフェレイラ

 

 

第2位となったイタロ・フェレイラ(BRA)は、イベントを通して素晴しいバックハンドを見せて、ファイナルまで勝ち進んだ。しかしファイナルでは、リズムを掴めずにコンビネーション・シチュエーションに追い込まれた。フェレイラは2週間前にエリセイラで行われたカスカイス・ビラボン・プロでもクオーターファイナル進出を果たし、QSランキングでカレント・ワールドNo.8となっている。

 

「第2位になれて最高です。波も再びサイズアップして素晴らしい一日でした。」と、フェレイラが言った。「ここは素晴しい場所ですね。自分のバックハンドでのサーフィンも最高でした。バスコは良いサーフィンをしていましたね。彼にお祝いを言いたいです。自分にとって今年はジュニア最後の年です。いま自分のフォーカスは、ブラジルとハワイのプライムにシフトしています。」

 

 

前田マヒナがASPジュニア・チャンピオン! 


歓喜の前田マヒナ

 

 

素晴しいスコアを叩き出して、ASPワールド・ジュニア・タイトルを獲得した16歳のマヒナ・マエダ。来シーズンはQSツアーでワールドベストに対して、ネクスト・レベルで彼女が活躍する姿を期待したい。「信じられません。本当に最高です。」と、マエダが言った。

 

「昨年のエラ(ウィリアムズ)の優勝が、自分に勝利への自信と強い衝動を与えました。自分には可能性があると感じていました。そして、ここに来て、ヒートごとサーフィンして勝ち上がって行ったんです。私をサポートして下さった皆に感謝したいです。」


 

前田マヒナ

 

 

マエダは名声あるタイトルと共に、来年行われる全てのメジャーQSイベントにおいて、ハイエスト・シード・ラウンドから出場出来るワイルドカードを獲得。これは、サムスン・ギャラクシーASPワールド・チャンピオンシップ・ツアーへクオリファイを目指す彼女に大きなアドバンテージとなるだろう。


 

 

 

カリブ海に浮かぶ西インド諸島のグアドループ出身である17歳のテサ・タイセン(GLP)。今シーズンのASPヨーロピアン・ジュニア・シリーズで優勝し、今回のイベントでも安定したパフォーマンスでファイナルまで勝ち上がった。しかし、ファイナルのトリッキーなコンディションで王冠を手にすることは出来なかった。

 


テサ・タイセン

 

 

 

「自分にとっては素晴しいイベントでした。でもファイナルは残念でしたね。」と、タイセンが言った。「おめでとう!マヒナ。彼女は素晴しいパフォーマンスを見せて、本当に勝利に値するサーファーです。今年の冬は彼女を頼ってハワイに行こうと思っています。そして良い波でサーフィンするんです。ファイナルは少し自分にプレッシャーをかけ過ぎました。コンディションはイージーでなかった。でもOKです。来年はQSにフォーカスして、さらに推し進め、高めて行きたいですね。」

 

 

 

WJC初出場、日本の安井拓海が5位。 


クオーターファイナル進出を決めた安井拓海

 

昨日のラウンド4のヒート2で大原洋人が敗退していたため、WJCに残っている日本人は、安井拓海、唯一人となったファイナルデイ。

 

ラウンド4の最終ヒートで安井拓海は、日本人の両親のもとカリフォルニアで育ち、世界が注目するサーファーに成長したカノア五十嵐と対戦した。

 

そのヒートはカノア五十嵐が4.33をスコアしてスタート。プライオリティを持った安井拓海は、ビッグセットをゲット。波をえぐるようなドライブターンのコンビネーションで6.00をスコア。カノア五十嵐は、多彩な技のバリエーションを見せるも、3.83とスコアに伸びがない。更にミドルから、ダブルアップする波を掴み、ノートリムの2発のリエントリーで5.33をスコアして逆転するカノア。


 

ビッグマニューバーを披露した安井拓海
最後まで安井拓海とデッドヒートを繰り広げたカノア五十嵐

 

慎重に波を選んだ安井拓海も、コミットしたターンを何度も繰り出して、6.57をスコア。カノアをニード7.24と追い込む。残り時間10分を切り、プライオリティを持った安井拓海がアウトでセットを待つ。カノアはインで波を捕らえるがスコアは伸びない。

 

残り時間5分を切り、安井拓海は、再びカーヴィングとリエントリーのコンビネーションでインサイドまでキッチリと繋ぎ、6.67とトップスコアを塗り替え、更にリードを広げる。カノアは最後にブロウテールのエアとレイバックをメイクするも逆転ならず。安井拓海がクオーターファイナル進出を決めた。


 

拓海の活躍を喜ぶチームジャパン

 

安井拓海のクオーターファイナルの対戦相手は、バスコ・リベイロ(PRT)。ローカルヒーローであり、今大会の優勝候補の一人であるリベイロとの戦いでも、全く尻込みしない攻めのサーフィンを見せた安井。ファーストウェイブから、ノートリムのリエントリーとビッグターンのコンビネーションを披露。7.67というハイスコアをマークし、クオーターファイナルをキャンペーンをはじめた。

 

それでリベイロが黙っているはずもなく、7.17をスコアしてトップを奪う。更にローカルナレッジを使い、的確な波を見つけるバスコアは、7.0をスコア。ヒートスコアを14.17と安井を大きく引き離す。

 

 

自信に満ちたサーフィンに感動した。安井拓海

 

 

残り時間10分を切って、安井はトップでのスラッシュからローテーションに繋げるマニューバーを披露。5.33をスコアして、ヒートスコア13.00と追い上げる。ラストウェイブでは起死回生を狙って、インサイドでビッグエアにトライするもインコンプリート。

 

そして、WJC初出場の安井のキャンペーンはここで終わった。安井拓海の最終ランキングは5位。昨年の大原洋人の3位の記録は破れなかったものの、来年は本格的に世界を転戦するという安井拓海にとって素晴しい経験と自信に繋がったコンテストとなったことは間違いない。

 

最後はエアも披露。安井拓海

 

 

 

これで5日間に渡ってポルトガルのクラシカル・ウェイブで行われたASPワールドジュニア・チャンピオン決定戦である ASP-WJC「アリアンツASPワールド・ジュニア・チャンピオンシップ」が終わった。毎年、世界のトップジュニアのサーファー達のレベルの高さに驚かされるイベントであるが、今年のチームジャパンのサーフィンは光るものがあった。

 

昨年初めて男子全員がラウンド3に進出。ラウンド4へ2人、セミファイナルへ1人という成績を収めた日本チーム。今年はラウンド3に5名が進出。ラウンド4へ2人、クオータファイナルへ1人と、結果的には、昨年を上回ることは出来なかったが、来年に繋がる収穫のあったイベントとなったのではないだろうか。今年は安井拓海が、WJC初出場で5位という成績を残し、今後への明るい材料を残したと言えよう。更なる世界の頂を目指してがんばろう!日本!


 

安井拓海を激励する新井洋人と田中コーチ

 

WJC日本代表結果

メンズ  安井拓海/5位、大原洋人/9位、新井洋人/17位、仲村拓久未/17位、村上舜/17位、塚本勇太/33位、
ウイメンズ  野呂玲花/9位、田代凪沙/13位

 

オフィシャルサイト

http://www.aspworldtour.com/events/2014/wjun/1081/allianz-asp-world-junior

今回もサーフメディアでは現地から最新情報をお伝えしますのでお楽しみに。

https://www.facebook.com/SURFMEDIA.JP

 

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アリアンツASPワールド・ジュニア・チャンピオンシップがポルトガルのエリセイラで開催。

 

 

アリアンツASPワールド・ジュニア・チャンピオンシップ・メンズ・ファイナル結果:
優勝:バスコ・リベイロ(PRT)18.63
2位:イタロ・フェレイラ(BRA)12.77

 

アリアンツASPワールド・ジュニア・チャンピオンシップ・ウイメンズ・ファイナル結果:
優勝:マヒナ・マエダ(HAW)13.56
2位:テサ・タイセン(GLP)13.17

 

アリアンツASPワールド・ジュニア・チャンピオンシップ・メンズ・セミファイナル結果:
SF 1:イタロ・フェレイラ(BRA)16.80 def.トーマス・フェルナンデス(PRT)16.50
SF 2:バスコ・リベイロ(PRT)15.34 def.デイヴィッド・シルヴァ(BRA)13.83

 

アリアンツASPワールド・ジュニア・チャンピオンシップ・ウイメンズのセミファイナル結果:
SF 1:テサ・ティッセン(GLP)9.67 def.チェルシー・トゥアク(BRB)8.67
SF 2:マヒナ・マエダ(HAW)15.93 def.ブロンテ・マコーレー(AUS)11.33

 

アリアンツASPワールド・ジュニア・チャンピオンシップ・メンズ・クオーターファイナル結果:
QF 1:トーマス・フェルナンデス(PRT)13.90 def.ソリ・ベイリー(AUS)12.14
QF 2:イタロ・フェレイラ(BRA)16.00 def.ノー・マー・マクゴナグル(CRI)7.50
QF 3:デイヴィッド・シルヴァ(BRA)17.77 def.マテイア・ヒクリー(PYF)6.04
QF 4:バスコ・リベイロ(PRT)14.17 def.安井拓海(JPN)13.00

 

アリアンツASPワールド・ジュニア・チャンピオンシップ・メンズR4結果:
ヒート5:マテイア・ヒクリー(PYF)15.34 def.レオナルド・フィオラバンティ(ITA)12.50
ヒート6:デイヴィッド・シルヴァ(BRA)12.83 def.トム・クローラック(FRA)12.60
ヒート7:バスコ・リベイロ(PRT)14.66 def.ジョシュア・モニーツ(HAW)11.00
ヒート8:安井拓海(JPN)13.24 def.。カノア五十嵐(USA)10.96

 

 

優勝したバスコ・リベイロ
ヒート前に選手ブースから試合を見守る安井拓海
癖のある波を熟知して圧倒的なサーフィンを見せたバスコ・リベイロ
3メンヒートのプライオリティ・パネルが設置されたジャッジルーム
おめでとう!マヒナ 野呂玲花とエラ・ウィリアムスも胴上げ
ポルトガルのサーファー達の活躍にヒートアップするギャラリー
ヒート前に田中コーチと作戦を練る安井拓海
来年の活躍が楽しみなバスコ。悲願のジュニアチャンプとなる。