ASPジャパン「Malibu HYUGA PRO」激闘のWQSファイナルを制したのは16歳の村上舜

ASPジャパン「Malibu HYUGA PRO」激闘のWQSファイナルを制したのは16歳の村上舜


WQSで優勝した村上舜

 

2013年ASPジャパンツアー最終戦となる第7戦「2013 MALIBU HYUGA PRO」は大会最終日。本日の宮崎県日向市、小倉ヶ浜海岸の天候は快晴、北西の風で頭からオーバーヘッドのコンディション。大会は、台風26号からのスウェルが届き、サイズのある波で見応えのあるパフォーマンスが連続した。早朝はWQSのクオーターが行われ、大澤伸幸がセットのビッグライトを掴み、パワーサーフィンを披露。エクセレントな9.25をスコア。一方で、昨日のハイエストスコアをマークした加藤嵐がここで敗退した。

 

WQSセミファイナル 


 

WQSのセミファイナルヒート1では、村上舜がバックハンドのビッグマニューバーでエクセレントの8.50をスコア。また田中樹が、ヒート終了間際の大逆転で、絶好調だった大原洋人、林健太を下して、ファイナルへ勝ち上がった。セミファイナルヒート2では、バックハンドとフォアハンドでハイパフォーマンスを見せた辻裕次郎がヒートをスタートからコントロール。パワフルなビッグマニューバーを描いた大澤伸幸とともにファイナルへ。波とリズムが合わなかった仲村拓久未、椎葉順はここで敗退となった。

 

ロングボード男子セミファイナル 


 

ASPロングボードのワールドタイトル決定戦となる、ASP-WLTへの出場権をかけたLQSでは、セミファイナルで日本人選手による激しいバトルが展開され、セミファイナルのヒート1では、タフなコンディションに、テールコントロールのハードなリエントリーを披露した畑雄二と、見事な逆転劇を見せた東川泰明がラウンドアップ。

ヒート2では、ラストライドでフォアハンドのハング5からのクイック10へのコンビネーションで9.00をスコアしたハワイのネルソン・アヒナと、レフトの波でリエントリー、フローターなどのグッド・コンビネーションで6.25をスコアした尾頭信弘がファイナルへ勝ち上がった。

 

 

12歳以下のグロムで安室丈が優勝 


グロムで優勝した安室丈

 

12歳以下のグロムのファイナルでは、静岡浜松の竹内克斗、徳島の安室丈、千葉御宿の松永大輝, 東京の島田碧人が対戦。スタートから形の良いライトブレイクを立て続けに掴んだ島田碧人は、4.25、5,75とスコアして、ファイナルをリードする。それに対し松永大輝もバックハンドで素晴しいマニューバーを描き、6.50をスコアして2位につける。

 

グロム優勝:安室丈

 

ヒート中盤、グッドシェイプのライトを掴んだ安室丈は、カービングとスラッシュ・バックの素晴しいコンビネーションを見せ、6.35をスコア。竹内克斗は掘れたライトをキャッチすると、クリティカル・セクションを攻めるライディングで4.10をスコアして、そのポテンシャルの高さをアピールする。

 

形の良いライトブレイクを立て続けに掴んでグロム2位となった島田碧人

 

ヒート残り時間5分を切り、安室丈はミドルから再び素晴しいライトをキャッチ。フォアハンドのリエントリーとカービングスラッシュのコンビネーションでエクセレントの8.25をスコア。一気にトップへ躍り出て、そのまま優勝。今年の全日本キッズクラスを制した安室丈が嬉しいASPタイトルを手に入れた。

 

Grom

優勝:安室丈 Joh Azuchi (JPN)
2位:島田碧人 Aoto Shimada (JPN)
3位: 松永大輝 Daiki Matsunaga (JPN)
4位:竹内克斗 Katsuto Takeuchi (JPN)

 

 

LQSウイメンズは植村未来が優勝 


ウイメンズLQS優勝の植村未来

 

LQSウイメンズのファイナルは、ハワイのステーシア・アヒナ、植村未来、吉川広夏、岡澤紫穂の4名。吉川広夏はオープニングライドでライトのロングウェイブを掴み、ハングファイブとターンのコンビネーションで4.90をマークしてファイナル・キャンペーンを開始。植村未来は、バックハンドでビッグセットへチャージして5.00をスコアする。

 

ウイメンズLQS優勝の植村未来

 

長身を活かした流れるような美しいサーフィンスタイルを見せるテーシア・アヒナは、バックハンドでも素晴しいマニューバーを描き、5.75をスコア。逆に攻めのサーフィンを見せた植村未来は、セカンドウェイブでレフトのクローズセクションでヴァーティカルなフォアハンドのリエントリーを決めて6.75をスコア、トップへ躍り出る。

 

吉川広夏。決勝では優勝を狙う意気込みがこちらにも伝わるほど。自分の演技ができたことが良かったと教えてくれた。

 

吉川広夏もロングウォールで長いハングファイブを決めて6.10をスコアして2位につける。優勝候補のひとりだったステーシアも追い上げるが逆転ならず。JPSAでは既に3度目のグラチャンを決めた植村未来が、ASPジャパン今季初優勝を決めた。

 

 

LQS Women’s

優勝:植村未来 Miku Uemura (HAW)
2位:吉川広夏 Hiroka Yoshikawa (JPN)
3位:ステーシア・アヒナ Stacia Ahina (HAW)
4位:.岡澤紫穂 Shiho Okazawa (JPN)

 

 

男子LQSはハワイのネルソン・アヒナが優勝 


メンズLQS優勝のネルソン・アヒナ

 

男子LQSのファイナルが行われる頃にはスウェルが更にアップ。LQSメンズのファイナルは、ネルソン・アヒナ、東川泰明、畑雄二、尾頭信弘の4名。ファイナルは、オープニングライドからネルソン・アヒナがロング・ハングファイブから、ラウンドハウス・カットバックというコンビネーションを何度となく繰り返す素晴しいマニューバーでエクセレントの8.75をスコア。さらにバックアップも5.70を揃え、ファイナルを序盤から完全にリードする。

 

ネルソン・アヒナ

 

それに対し、ローカルナレッジを使い、アグレッシブにビッグセットにチャージする東川泰明も、バックハンドのソリンドな3つのビッグターンで7.00をスコア。バックアップも4.50を揃えて2位のポジションをキープする。尾頭信弘、畑雄二はハイスコアをマークするもバックアップを見つけられないままヒート後半へ。

 

尾頭信弘。波を見極めるだけでなく、それを乗りこなし決めてくるのが、尾頭の強いところ。

 

ヒート残り時間10分を切り、正面に入ったビッグなライトブレイクを掴んだ尾頭信弘。切り立ったロングウォールでバックハンドの長いハングファイブを決める。さらにクローズセクションではバーティカルに当て込むバックハンドのビッグリエントリーを決めて、ほぼパーフェクトといえる9.90をスコア。一気にトップへ躍り出る。しかし直後にネルソンが再び9ポイントをスコアしてトップの座を尾頭から奪い取る。3位以下はコンビネーションとなり、そのままタイムアップ。ネルソン・アヒナが圧倒的なサーフィンスタイルを披露して勝利を決めた。

 

LQS

優勝:ネルソン・アヒナ Nelson Ⅲ Ahina (HAW)
2位:尾頭信弘 Nobuhiro Ogashira (JPN)
3位:東川泰明 Yasuaki Higashikawa (JPN)
4位:畑雄二  Yuji Hata (JPN)

 

 

激闘の男子WQSファイナルを制したのは、16歳の村上舜 


優勝した村上舜

 

男子WQSのファイナルは、村上舜、田中樹、辻裕次郎、大澤伸幸の4名。更にハードなセットが入るようになり、今シーズンの素晴しかったASPジャパンツアーを締めくくるに相応しいエクセレントなコンディションでファイナルがスタートした。

 

村上舜

 

ファイナルは辻裕次郎が手始めにバックハンドのストレートアップでスタート。続けてフォアハンドでもビッグリエントリーを決める。じっくりとセットの波を選んだ大澤伸幸は、レフトの波で3つのバックハンドのビッグターンで5.50をスコア。ビッグセットを掴んだ田中樹は、クリティカルセクションへのパワースナップ、更にクローズセクションでパワードリフトでファイナルの最高点となる7.75をスコア。アドバンテージをとる。

 

2位となった大澤伸幸

 

 

ヒート中盤に入り、辻裕次郎が、バックハンドのストレートアップからの際どいセクションでのエアリバースで6.00をスコア。村上舜もレフトの波でフォアハンドの際どいリエントリーとエア気味のアプローチで7.00をスコアして、一気にトップへ躍り出る。

 

田中樹

 

残り時間10分を切り、じっくり波を待った大澤伸幸は、パワフルサーフィンを炸裂させ、6.40でトップへ。しかし村上が再び5.85をスコアしバックアップを塗り替えて再びトップへ。誰が優勝してもおかしくない、激しいシーソーゲームの展開となったファイナル。

 

会場を沸かせた辻裕次郎

 

他の選手より深いセクションへ当て込む辻裕次郎は、後半に入りチャージを繰り返したが逆転ならず。ファイナルのハイエストをマークした田中樹はバックアップを見つけられずにタイムアップ。16歳の村上舜が見事勝利を手に入れ、今シーズンのASPジャパンツアーの最後を締めくくった。

 


WQS

優勝:村上舜 Shun Murakami (JPN)
2位:大澤伸幸 Nobuyuki Osawa (JPN)
3位:田中樹 Izuki Tanaka (JPN)
4位:辻裕次郎 Yujiro Tsuji (JPN)

 

イベント公式ページは http://www.aspjapantourlive.com/2013/hyuga/index-jp.php

 

写真、キャプション:山本貞彦

 

村上舜。 どんな波でも自分のサーフィンを目指す。今回はスピードある演技で、優勝!おめでとう!
大澤伸幸。パワーが増したか。スプレーがハンパない。
田中樹。 逆転ラウンドアップで決勝まで。攻め方だけじゃなく、波を見て計算できるとこは見習いたい。
辻裕次郎。ノビノビと楽しんで戦った。裕次郎らしいクリエイティブなサーフィン。イイね!
ネルソン・アヒナ。ハワイアンらしくノーズだけでなく、マニューバーも完璧。それにしてもサーフィンに気品があった。
東川泰明。地元での声援を一手に最後まで攻め続けた。次回の優勝を誓う。
畑雄二。 ラインがでかくなった。自信がサーフィンを変えたか。
植村未来。オールマイティーな強さ。どんな波でもこなせるのが、未来ちゃんの強いところ。
長身を活かしたスタイリッシュなサーフィンを披露したステーシア・アヒナ。
この悔しさを次回に繋げたいとリベンジを誓った岡澤志穂。
大人顔負けのサーフィンを披露して優勝した安室丈。
ファイナルではバックハンドで素晴しいマニューバーを描き、6.50をスコア松永大輝。
攻めのサーフィンで際どいセクションで板を返していた竹内克斗。今後の成長に期待。