野呂玲花、宮坂桃子が立ち上げた女子のサーフチームって何だ!?

ガールズサーフチーム「Chuucat」が活動開始!  


現在JPSAランキング3位の野呂玲花プロ、12位の宮坂桃子プロが女子のサーフチーム「Chuucat」を立ち上げた。年齢も近く、プロコンテストの会場でも仲の良い二人の姿がしばしば見受けられていたが、その2人にハワイ在住の脇田紗良ちゃん、沖縄在住の宮城えりちゃんが加わり結成された女の子のチームだ。先月行われたJPSAショートボード第2戦伊豆下田 CHAMPION PROに合わせて、4人が伊豆で揃ったので、「Chuucat」についてメンバーにそれぞれ聞いてみた。

 

Photo/Sadahiko Yamamoto   Text/ Yuriko Yonechi

 

 

What’s  “Chuucat”? 『チューキャット』って何?


まずはチームを結成した意図を野呂玲花プロ、宮坂桃子プロに聞いた。

“メディアに出て、女子のサーフィンを盛り上げていきたくて。”

 

ーChuucatを結成したのはどうして?

 

玲花(以下、R) 3Tとか男子のサーフィンチームはあったけど、女子のサーフチームはなかったので、作りたいなと思いました。男子は雑誌にも載ってたり、DVD作ったりしているけど、女子はなかなかそういうのないので。スポンサーもつきにくいと思うし、もっとメディアに出していきたいと思ったんです。女子のサーフィンを盛り上げていきたくて。

 

ー玲花ちゃんと桃子ちゃんはいつから仲良しに?

 

桃子(以下、M) 玲花とはコンペで知り合いになりました。最初は知っているぐらいだったけど、2年前に急に仲良くなったのかな。

R マークし合っても試合終わったら仲良くできるもんね。

M 良きライバルで本当に良い友達です。一番信頼できるし。お互い刺激し合いながら。友達だけど一番のライバルです!

 

ー他の2人はどうやってメンバーに?

 

R これから伸びていく2人をメンバーにいれようと思って、桃子(宮坂桃子プロ)と一人ずつピックアップしました。紗良ちゃんはハワイで会ってて、サーフィン上手くてカワイイし、えりちゃんもサーフィン頑張っててカワイイし、Chuucatに入りたいっていう気持ちがあったから選びました。

 

ー2人とは今回初めて会ったと聞いたけど?

 

R そうです。1年前から桃子と構想していたんですけど、1ヵ月前に結成が決まって、4人が初めて顔を会わせたのが今回初です。

 

MOMOKO+SARA+ERI+REIKA=Chuucat

“Chuucatに入りたいなって思ってくれる子も多くなったらいいな”

 

 

ー今後Chuucatとして目指していくことは?

 

M もっとメディアに出ていきたいです!

R 自分たち一人一人のファンも必要だと思うけど、Chuucatに入りたいなって思ってくれる子も多くなったらいいなと思います。

M 今はキャピキャピしてるイメージがあるかもしれませんが、本気でコンペに挑んでいるので、Chuucatのイメージを変えながらも、盛り上げていけたらと思っています!

 

ー今後の具体的な活動としては?

 

M 他の2人のレベルを上げていって、みんなが一緒の試合回れるようになったら一緒に参加したいですね。

R 昨日一緒に初めてサーフィンしたけど、サーフィン見ていてこうした方がいいとかアドバイスしたり。いろんな海外の選手見たり、コーチング受けてきているので、そこで教わったことを伝えていければいいと思います。

 

ー海外に比べて日本はどう思う?

 

M 海外の選手を見て来て感じるのは、サーフィンや試合に対しての気持ちのハングリーさです。

R オーストラリアとか海外にはWCT選手がいて、そのサーフィンを毎日見れる環境がありますよね。日本にはまだWCT選手がいないので、誰かそういうサーファーが出ないとって思います。

 

 

ー4人はそれぞれ違う場所にいるけど、みんなでの活動はできるのかな?

 

M 逆にそれぞれ違う場所にいるというのがいいと思うんですよ。確かにいつもみんなで揃うのはなかなか難しいかもしれないけど。

R でも撮影とかで集まることはできるよね。桃子とは一緒にトリップ行くので、みんなで集まる機会を増やして行きたいと思います!

 

ーChuucatの最終的な目標としては?

 

R 一人一人が活躍していってみんな集まれたらそれがもっと大きくなるようにしたいです。私はサーフィン始めたのが中1の終わりだったんですけど、2人は小学校5年とか6年であんなにできるのだから、将来すごいと思うんです!

M 女子のサーファーを盛り上げていくために、試合でも活躍して、メディアにも出ていきたいです!

 

 

 

Chuucat メンバー紹介インタビュー 


野呂玲花 【Reika Noro】

 

【Profile】

1994年12月13日生まれ。大阪府出身徳島県在住。2012年JPSAプロ合格。 
スポンサー:ROXY、 SMAC Surfbords、OAKLEY、Creature of Leisure、Futures Fin、Ignight、Decant、SEX Wax、FreeStyle watch、Peace Wave、JVC、VANS、PavilionSurf

 

 

“人のマネをするのが嫌なんです。”

 

 

ーサーフィンを始めたきっかけは?

中学1年生の終わり、6年前です。両親と弟がサーフィンしていて、自分は川に入ってくる波でボディボードをしていました。海の中が恐かったんです。あるとき、たまたま間屋口香プロのお店に行って、香ちゃんのサーフィンを見て、「女の子もサーフィンするんや~」って思って。それで1回海入ったら1回目でテイクオフできたんです。香ちゃんのお父さんが「センスある」って言ってくれて。それから始めました。

 

ー試合にはいつから出始めたの?

1年後に女の子の試合に初めて出ました。そのとき、最初ラウンドアップしたみたいに聞こえたんです。実際はラウンドアップしてなかったのですけど。それから燃え上がったんです。

 

“4年後の22歳までにWCTに入るのが目標です。”

 

ー大阪から四国に通っていたんだっけ?

サーフィン始めた頃は大阪から通っていたんですが、高校1年生で母と弟と四国に移り住みました。父は大阪に単身赴任という形で。通っていた中学校は中学受験して入ったのでそのまま大学まで行こうと思っていたのですが、サーフィン始めたので、通信制の高校に転校して、大学まで行ければいいなと考えが変わりました。

 

ー試合で初めて結果を残したのは?

徐々にショップの大会は優勝するようになりました。サーフィン始めて3年半ぐらい経った高校1年生のとき、NSAのAランクの試合でずっと自分が憧れていた女子のサーファーの人たちが出ていて、「優勝できへんな」って思っていたんですけど、その試合で優勝できたんです。そしたらノリ出してきて。その年のジュニアオープンで優勝して、次に全日本選手権で優勝しました。

 

ーJPSAプロサーファーになったのはいつ?

昨年2012年の1戦目のプロトライアルから出場して、本戦で優勝してプロになりました。

 

ー今はどんな毎日?

高校を卒業して、試合を回っていないときは四国の生見で毎日サーフィンしています。

 

ーサーフィン以外ではどんなことが好きなの?

小学生のときはダンスをやっていたので、ダンスやったり、みんなと撮影したりしています。

 

ー今回結成したChuucatでについては?

自分はみんなと同じことをするのが嫌いで、ブラジリアンの水着とかも自分が先にするのはいいけど、人のマネをするのが嫌なんです。Chuucatも、まだ女子のチームがないのでやってみようと思ったんです。

 

 

ー今後の目標は?

今年始めてWQSに出るのですが、4年後の22歳までにWCT入りすることが目標です。コンペティターを何歳まで続けれるかはわからないけど、今努力してできるところまでやりたいです。今までは何やっても中途半端だったんです。ダンスもそうだし、2歳から始めたスイミングの選手コースも、そろばんやっても、勉強やっても。続けてこれたのはサーフィンが初めてなんです。世界までいきたいです。

 

 


宮坂桃子 【Momoko Miyasaka】

 

【Profile】

1996年2月10日生まれ。千葉県出身在住。2011年JPSAプロ合格。 
スポンサー:3Dimension、BeWET、VOLCOM、ON A MISSION、RONIN、エスティーワールド

“絵を描いたり、写真を撮るのが好きですね。”

 

ーサーフィンを始めたきっかけは?

小学4年生のときです。両親はサーフィンをやっていなくて、海に遊びに行ったとき、サーフィンやっている人を見て「やってみたい!」って言ったのがきっかけです。それで、近くのサーフショップに行ってサーフボードをレンタルして妹2人と始めました。でもサーフィン始めて1年後に妹2人とスケボーに転向し、その1年後にまたサーフィンに戻ったんです。

 

ー試合にはいつから出始めたの?

試合に本気で臨むようになったのは中学3年生です。中学1年生ぐらいから試合には出ていたけどあまり気持ちは入っていませんでした。勝とうという気持ちもなく。全然勝てなかったですね。

 

ー試合で初めて結果を残したのは?

アマチュア時代は成績残していないですね。あるとき「JPSAのプロトライアルに出てみれば?」って言われて出てみたんです。そうしたら1回目でプロになることができて。でもプロになった年はボロボロ。緊張し過ぎて、失格を2回してしまったり。昨年は少し慣れてきて、ランキングは4位でした。今年プロ3年目ですが、サンディエゴで行われたNSSAの大会で優勝し、ニカラグアで行われたISA世界ジュニア選手権で、13位でした。その後チーム順位上位8カ国で行われたアロハカップで日本チームとして優勝できました。

 

ー今年は世界を回っているよね?

今年は試合や練習のためにペルーに2ヵ月行って、その後カリフォルニアに行って、タヒチに行って、またカリフォルニア、そしてニカラグアという感じで回ってきました。

 

ー言葉は平気?一人で?

一人です。言葉はなんとかなりました。英語が通じない所もありましたけど。車はまだ運転できないのでタクシーやバスで移動しました。

 

ー今はどんな毎日?

サーフィン一本です。高校は通信制高校に転校しました。空いてる時間はビックリドンキーでバイトをしています。まだ免許がないので、試合や練習には母に連れて行ってもらっています。

 

“目標はWCTに入って世界一を目指したい”

 

ーサーフィン以外ではどんなことが好きなの?

アートが好きです。学校でも美術の時間が好きだったんです。絵を描いたり、携帯で写真を撮るのが好きですね。

 

ー今回結成したChuucatでについては?

Chuucatをみんなで盛り上げていきたいです。今後一緒に行く試合もあるかもしれませんね。

 

 

ー今後の目標は?

目標はWCTに入って、世界一を目指したいです。初めて世界に出て、世界の選手とのレベルの差を感じました。負けず嫌いなので、世界を回ろうと決意しました。日本にいるときは日本の試合に出て、ヒート数を重ねて、経験を積んでいくときだと思っています。Chuucatでも自分が頑張って成績を残すことが大事だと思っているので。

 

 

 

 

 


 

 

 

脇田紗良 【Sara Wakita】

 

【Profile】2002年10月10日生まれ。神奈川県出身ハワイ在住。

スポンサー:DOVE、Peace Wave、Sylphide、NIXON

 

“日本人として日本のサーフィンを盛り上げていきたいです”

 

ーサーフィンを始めたきっかけは?

2年前にハワイの「メネフネサーフコンテスト」に出るために始めました。決勝までいって6番でした。悔しかったです。サーフィンは周りの友達もサーフィンみんなやっているので。

 

ーその後の試合の成績としては?

ロウワーズでやったサーフィンアメリカUSAチャンピオンシップという大会のハワイ代表で、セミファイナルで負けて7番でした。

 

ー学校は?

ハワイ・オアフ島のサンセットビーチエレメンタリースクールに通っています。

 

ー普段はどんな感じでサーフィンしているの?

学校が始まるのが早いので、学校終わってからサーフィンしています。いつもお母さんと海に入っています。お父さん(脇田貴之プロ)とお兄ちゃんはグーフィーフッターで、私とお母さんはレギュラーフッターだし、入るサイズも違うから。ときどきサイズが合うと、4人で入ります。それから、近所に憧れのサーファーのカリッサ・ムーアがいて、会うと声をかけてくれるんです。

 

ーハワイの波はどう?

ハワイだと大きな波もいかなきゃならなくて、5-6ftでもコンテストやるんです。2-3ftの波が一番楽しいです。

 

ーサーフィン以外ではどんなことが好きなの?

スケボーが好きです。サーフィンのトレーニングになると思って始めたらはまっちゃった。サーフィンアメリカチャンピオンシップの試合の前にはカルフォルニアの「ウッドワード・ウエスト」という所でスケボーのキャンプに参加しました。1週間泊まってびっちりスケボーやりました。いつもはバンザイ・パイプラインの目の前のバンザイ・ボウルでスケボーします。

 

ー今回結成したChuucatについては?

玲花ちゃんとはハワイで知り合いになって、昨日、桃ちゃんやえりちゃんと初めて会いました。面白いし、サーフィンも教えてくれてうれしいです。楽しみです。

 

 

ー今後の目標は?

WCT選手になって優勝することです!ハワイにいるけど、撮影とかがあれば日本に飛んできます!日本人として日本のサーフィンを盛り上げていきたいです!

 


宮城えり 【Eri Miyagi】

 

【Profile】2001年7月17日生まれ。沖縄県出身在住。

スポンサー:Prosフィン、BVG

 

“世界でも活躍できるようなサーファーになりたいです。”

 

ーサーフィンを始めたきっかけは?

小学2年生の終わりから始めて、小学3年生のときに海側の引っ越しして本格的に始めました。お父さんが元全日本チャンピオンで、コーチングしていて、お兄ちゃんとお姉ちゃんもサーフィンしています。

 

ー試合で初めて結果を残したのは?

大会はサーフィン始めて3ヵ月ぐらいのときに沖縄の大きな大会「糸満市長杯」で入賞しました。それから、その次に出た「ちゅらちゅらカップ」のガールズで2位になりました。

 

ー普段はどんな感じでサーフィンしているの?

潮の関係で朝はサーフィンできないときもあるので、だいたいいつも夕方サーフィンしています。お父さんにコーチングしてもらっています。

 

ーサーフィン以外ではどんなことが好きなの?

トレーニングやランニングが好きです。サンセットの時間に走るととっても癒されます!

 

ー今回結成したChuucatについては?

玲花ちゃんや桃子ちゃんに会ったことはなかったけど、Facebookとかで二人のサーフィンとか見ていて憧れていて、メッセージを送ったりしていました。Chuucatに入りたいって思っていたのでうれしいです!沖縄では同年代の女の子のサーファーが少ないので、今回、紗良ちゃんのサーフィンとか見て、もっとサーフィン頑張りたいって思いました。Chuucatではトリップとか撮影とかいっぱいやって、ガールズサーファーを盛り上げていきたいです!

 

 

ー今後の目標は?

まずは全日本優勝してプロサーファーになることです。今回も一人で来たんですが、一人でも来れるのでこれからはもっと本州でやる大会に出て行きたいと思います。そして世界でも活躍できるようなサーファーになりたいです。

 

 

 

YouTube Preview Image

 

Chuucat memberの撮影終了後の座談会

 

桃子(以下、M) 今回みんなで集まれてうれしかった。今回がスタートだね。

えり(以下、E) 初めてだったから緊張したけど、みんなに会えて楽しかった。これからが楽しみ!

紗良(以下、S) 昨日みんなでサーフィンできて楽しかった!教えてもらえたし。

玲花(以下、R) 二人のサーフィン、実際に見て、思っていた以上に上手くてびっくりした!

M ほんと、びっくり。2度見しちゃった!伸びしろがあって将来が楽しみだよ!

R 特に紗良ちゃんのバックサイドやばかった!ボトムにすぐ下りてからの返し、板の出方とか。

M 負けました!って感じだったねー。みんなでいろんな所にトリップ行きたいね。

R 一番やりたいのはChuucatでハワイに集まってDVDの撮影!

M いいねー!ハワイでタンデムとかしたり(笑)踊りも!玲花の振り付けはヤバい。

R Chuucatの活動を通して、ガールズサーファーがサーフィン頑張って、Chuucatに入りたい!って思ってくれるといいね。

S ハワイにもガールズサーファーが来てほしい!

E 沖縄にもガールズサーファーを増やしたいな。盛り上げていきたい!

M ガールズサーファーを増やしたいね!サーフィンに1回でもトライしてほしい。サーフィンをもっと大きなものにしていきたいな。

 

 

女の子のサーフィンチーム「Chuucat」が始動した。それぞれ普段の活動場所は違うが、サーフィンに対する熱い思い、女の子のサーファーを盛り上げていきたいという気持ちは一緒。

4人とも今どきの女の子のおしゃれや音楽も大好きで、撮影取材中、自然に歌やダンスが始まった。

一見、ノリのいい今どきの女の子の集まりに見えるかもしれないが、波に乗ればそれこそノリノリのすごいライディングを見せてくれる彼女たち。DVD撮影やトリップ企画など、今後4人で企画しながらメディアにも出ていきたいと考えている。でも一番は自分たちが試合で結果を残すこと、世界を目指して活躍することによって盛り上げていきたいというのが彼女たちの意図するところだ。今後の活躍が楽しみであるし、サーフィン業界にとっても新たな風になることを期待したい。

 

【Chuucat Facebook】  https://www.facebook.com/Chuucat