ASP-LQS2スター「Real Bvoice Pro Longboard Taito」で畑雄二と小熊明美が優勝

ASP-LQS2スター「Real Bvoice Pro Longboard Taito」で畑雄二と小熊明美が優勝。 


優勝した畑雄二と小熊明美

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(更新:2013年 6月9日日曜日)2013年のASP Japanツアー第3戦目となるASP−LQS2スター「Real Bvoice Pro Longboard Taito Press by 海童」は大会最終日。今回の会場となっている太東ポイントの天気は晴れ。波は腰腹。若干波数、サイズとも落としながらも、そのクオリティをキープ。大会は、ウイメンズのクオーターファイナルからスタート。午後には2日間に渡って行われたイベントもクライマックスを迎えた。


女子SFで岡澤紫穂が、植村未来を破る。

植村未来。今大会では今ひとつ調子が上がらなかったものの、抜群のスキルでセミまで勝ち上がった。

 

 

女子のセミファイナルのヒート1は、吉川広夏を下した植村未来と、田岡なつみを下し岡澤紫穂が対戦。事実上ファイナルともいうべきバトルが展開された。ヒートはスタートから果敢にライトの波に対し、バックハンドでチャージを繰り返す植村未来がリード。しかし、良い波をじっくりと待った岡澤紫穂が、素晴しいバックハンドのハングファイブとクローズアウトでのスープアプローチのコンビネーションで6.25をスコア。バックアップも5.15を揃えて逆転する。それを黙って見ていなかった植村は、終盤に素晴しいバックァンドを見せて逆転。しかし、再び安定感のあるスタイリッシュなコンビネーション・サーフィンを見せた岡澤紫穂が大逆転。アマチュアの岡澤が女王の植村未来を下す大金星をあげ、ファイナルへ勝ち上がった。

 

攻めて攻めて勝ち上がって来た阿隅由香里。セミではバックハンドのハンディからか、技のバラエティが足りなかった。

 

 

小熊明美と阿隅由加里のセミファイナルヒート2はスローな展開。ロータイドとバックウオッシュのタフなコンディションに苦戦する二人。両者とも決め手のないまま前半を折り返す。後半に入り小熊が小振りな波をインサイドでゲット。インサイドまで綺麗にラインナップして、3.75をスコアしてリードを広げる。阿隅もバックハンドでクリーンでスムースなラインを描き、クイックなハング5などで2.75、2.65をスコア。しかし僅かに逆転は出来ない。阿隅由加里は後半追い上げて、その差を縮めるも逆転出来ず、小熊がファイナル進出を決めた。


男子セミファイナルは、エミリアン・フルーリ、桜岡甲太、尾頭信弘、畑雄二の4名。

 

桜岡甲太。伸びのある甲太スタイルで勝ち上がるものの、ペースを乱されセミで撃沈。

 

SF第1ヒートはフルーリと桜岡。身軽なフルーリがスタートから次々と小振りな波に乗り、スコアを重ねる。それがボディブローのように効いて来る。中盤に入り、フルーリはクイックなハング5とクローズセクションでのホワイトウオーターへのアプローチが冴え、しっかりとした2マニューバーをコンプリートさせて5.70、5.50をマーク。後半に入り、エミリアン・フルーリ(FRA)は更にリードを広げ、そのまま逃げ切り。クオーターでは圧倒的な強さを見せたパワーハウスの桜岡甲太はここで敗退となった。

 

尾頭信弘。難しいコンディションでもベテランらしく、良い波を待つ波乗り。しかし、ローカルナレッジが逆に仇になったか。

 

尾頭信弘、畑雄二のヒート2はスローな展開。インサイドよりにポジショニングした畑雄二がハング5からリエントリーへのコンビネーションで4.00をスコアして先制攻撃を仕掛ける。再び畑はインサイドの波を掴みクローズアウトセクションで、ヴァーティカルに板を当て込み、5.25をスコア。ヒート前半を完全リードする。地元の期待を一身に背負った尾頭信弘は、沖でセットの波をじっくりと待つ作戦。しかし、それが裏目に出たか。そのまま勢いに乗る畑雄二がリードを広げ、尾頭は波とのリズムが合わずにここで敗退となった。


 

女子のファイナルは、岡澤紫穂と小熊明美

今後の活躍が期待される岡澤紫穂

女子のファイナルは、この太東をホームブレイクとするNSAで活躍する岡澤紫穂と、JPSAのグランドチャンピオン経験もある茨城の小熊明美の戦い。スタートからチャージを続ける小熊明美。じっくり待ってレフトの波を掴んだ岡澤は、ノーズライドからのリエントリーで4.25をスコア。小熊はクイックなハングファイブから、ビッグなリエントリーで4.00、5.50をスコア。ファイナルをコントロールする。波とのリズムが合わずに、それまで勢いが感じられない岡澤。

小熊明美

 

それに対し、しっかりと2マニューバを見せる小熊がスコアを伸ばす。残り時間10分を切り、小熊がハングファイブと、カーヴィングのコンビネーションで6.75をスコア。岡澤も後半に入り追い上げを開始し、レフトの波でハングファイブからりエントリーで4.60をスコアするも逆転ならず。さらに岡澤紫穂はラストウェイブで、ロングウォールのライトを掴み、スタイリッシュなバックハンドのノーズライドからのエンドセクションでリエントリーを見せて7.50をスコア。しかし僅かに逆転出来ず小熊明美が逃げ切り勝利した。

 

小熊明美。決勝はコンデイション厳しい中、丁寧に落ち着いて攻めた。ミスが無かったことが勝因。


畑雄二が圧倒的な強さを見せ、
悲願のプロ初優勝。

 

エミリアン・フルーリ(FRA)

 

ファイナルは畑雄二とエミリアン・フルーリ(FRA)。ここまでの試合運びを見る限りでは、畑雄二の優勢が大方の予想だった。ファイナルがスタートするや否や、フリーリがオープニングライドを掴み、畑雄二も続けて波をゲット。両者とも素晴しいパフォーマンスを見せ、フルーリが6.00、畑雄二が5.90をマーク。ハイスコアリング・ファイナルが開始された。

 

畑雄二

 

勢いに乗るフルーリは、スピードに乗ったマニューバーのコンビネーションで7.25をスコア。ヒートを大きくリードした。じっくり波を待つ畑雄二。そして、ロングウォールの波を掴んだ畑雄二は、スピードに乗った長いハングファイブから、激しいリエントリーを披露。エクセレントの8.50をスコアする。完全に波のリズムを掴んだ畑雄二。再び素晴しいハングファイブと縦に上がるリエントリーのコンビネーションでエクセレントの8.00をスコア。ヒートスコアを16.50とし、ファイナルを完全にリード。イベントを通して絶好調だった畑雄二が、そのままプロ初優勝を決めた。

 


Men’s
優勝 畑雄二
2位 Emilien Fleury (FRA)
3位 桜岡甲太、尾頭信弘
5位 鈴木剛、佐藤広、森大騎、ユージン・ティール

Women’s
優勝 小熊明美
2位 岡澤紫穂
3位 植村未来、阿隅由香里
5位 吉川広夏、田岡なつみ、大島みどり、小栗瑞恵

 

畑雄二。プロになって5年目。初優勝おめでとう! サポートしてくれているみんなに感謝!  今回は大会1週間前から会場で練習したという畑。演技はフローができていた。流れるようにリズムに乗ったライディング。止まらないサーフィンを魅せた。

 

イベント公式ページは、http://www.aspjapantour.com/webcast/2013/taito/index-jp.php からどうぞ!

※ASP ジャパンの公式ホームページ http://www.aspjapantour.com/ は世界のプロサーフィンに関するニュースのほかに日本向けだけの新しいプロサーフィンニュースも日々更新しています!

 

写真&キャプション:山本貞彦

宮崎の試合ではボンガとファイナルを戦い2位となったこともある畑雄二
安定感のあるスピーディーなノーズライドを何度も見せた畑雄二
深いボトムターンからヴァーティカルにトップを攻め続けた畑雄二
しっかりと2つ以上のマニューバーを入れ、スコアを重ねて勝利を掴んだ小熊明美
波のコンディションがどうあれ、自分のスタイル全開。プライオリティが無くても、来た波で先手必勝。
男子ファイナリスト
岡澤紫穂。ファイナルではタイミングが合わず苦戦。終了直前にノーズライドからリップと、大逆転かと思わせる演技をみせたが、惜しくも準優勝という結果に終わった。しかし、実力は間違いなく上がっている。あとは試合経験か。
女子のファイナリスト