JPSAロングボード第1戦はユージン・ティールと田岡なつみが優勝。

JPSAロングボード第1戦「ガルーダ・インドネシア トラベルシーンプロ」はユージン・ティールと田岡なつみが優勝。 


優勝したユージンとなつみ

 

2013年4月16日火曜日、バリ島・クラマス:今シーズンのJPSAジャパンプロサーフィンツアー2013ロングボード 開幕戦となる「ガルーダ・インドネシア トラベルシーンプロ」は大会最終日。波は何とか持ち堪え、ロータイドからハイタイドに向う時間帯を上手く使いグッド・コンディションで1週間に渡って行われたイベントはクライマックスを迎えた。コンテストは男子のクオーターファイナルからスタート。昨日までハイポイントをマークしていた畑 雄二や、秋本 祥平、新城 譲といったファイナルの常連が敗れるなか、男子8名のセミファイナリストが決定した。

 

メンズ・セミファイナル

 

セミファイナルの第1ヒートは、榎本 信介がシングルフィンのスタイリッシュなライディングで5.00をスコア。幸先の良いスタートを切る。続けてユージン・ティールが大きなマニューバーで6.00をスコア。尾頭信弘もバックハンドで5.50をスコア。藤井辰緒も4.25と各選手好調な滑り出しを見せる。その後は全くセットが入らずに後半戦へ。そして、2本目でビッグセットを掴んだユージンが逆転。ラストウェイブでもハングファイブから、十八番のレイバック・スナップを披露。尾頭信弘も2位でファイナルへ勝ち上がった。

 

セミファイナルの第2ヒートは櫻岡 甲太がパワーターンで5.00をスコア。続けてセカンド・ウェイブで再び力強いマニューバーを披露し6.00をスコアしてヒートをリード。鈴木剛も際どいセクションにボードを運び、ノーズライドとのコンビネーションで2位に付ける。セットの良い波を待ち続けた石塚晃は、ビッグセットを掴むと得意のソウルアーチからカーヴィングを決めて6.50をスコア。佐久間秀人もバックハンドでチャージを見せる。後半に入りリズムを掴んだ石塚晃はノーズライドとカーヴィングのコンビネーションで5.70、5.25を連続でスコアしてトップへ。櫻岡 甲太とともにファイナルへ勝ち上がった。

 

ウイメンズのファイナル 


田岡なつみ

ウイメンズのファイナルは、植村未来、田岡なつみ、大島 みどり、鈴木由貴の4名。ファイナルのオープニングライドは植村未来。テールでボードを操る彼女のサーフィンはクラマスの波に完全にフィット。その2度のグランドチャンピオンという輝かしい記録を持つ植村未来が4.15をスコアする。今回好調なサーフィンを見せて、ファイナルまで勝ち上がってきた田岡なつみは、形の良いセット掴み、ハングファイブとカーヴィング、更にハングファイブと見事なコンビネーションで6.25をスコアしてトップに躍り出る。

 

田岡なつみ

 

2位となった植村未来に必要なスコアは5.86。その後、凪が続いたあとに入ってきたセットを掴んだ植村未来。逆転を狙い、綺麗なカーヴィングのサーフィンを見せたがスコアは4.4と僅かに逆転とはならなかった。大島 みどり、鈴木由貴は果敢にチャージするもスコアが伸びない。追い込まれた植村未来はヒート終盤に入り、チャージするが思うような波が入って来ない。そのままタイムアップとなり、植村の追撃を逃げ切った田岡なつみが、一昨年、グラチャン争いのこの大会で1コケして大泣きしたリベンジを見事果たし、勝利を手にした。田岡なつみが優勝したのは、彼女がプロ合格した時の2011年の鉾田以来。昨年ランキング3位の彼女は今シーズン、グランドチャンピオンを目指すと宣言した。

 

 

ユージンがバリで初優勝 


ユージン・ティール

メンズのファイナルは、尾頭 信弘、櫻岡 甲太、ユージン・ティール、石塚晃。じっくりとセットの波を待った尾頭信弘が長いハングファイブとリエントリーのコンビネーションで5.75をスコアしファイナルをリードする。石塚晃はソウルアーチの長いハングファイブを見せるもインサイドでワイプアウト。そしてユージン・テールも、長いソウルアーチのハングファイブから、鋭いリエントリーとカーヴィングのコンビネーションでエクセレントの9.00をスコア。一気にトップの座を奪う。

 

完全にリズムを掴んだユージンは、再び長いハングファイブを披露して5.90をスコア。完全に下位の選手を引き離す。櫻岡 甲太はクリティカルセクションにハードなリエントリーにトライするがインコンプリートが目立つ。後半に入り追い上げた石塚と櫻岡だったが追い上げもそこまで。ユージン・ティールがバリでの初優勝を決めて、幸先の良いシーズン・スタートを切った。

 

さらに嬉しいのはシェープを始めて、その自分でシェープした板で優勝を決めたこと!カッコいいぞ!

<男子>優勝:ユージン・ティール、2位:尾頭 信弘、3位:石塚 晃、4位:櫻岡 甲太
<女子>優勝:田岡 なつみ、2位:植村 未来、3位:鈴木 由貴、4位:大島 みどり

ユージン・ティール。試合を勝ち上がるごとにクラマスの波にマッチしていった。決勝はコンディションが悪化するものの、自分の演技をすべて出し切って優勝を決めた。おめでとう!
ファイナルではノーズライドから伝家の宝刀、スラッシュバックが炸裂。9.00ptを獲得し、試合を優位に進めたユージン。バリはどうしても勝ちたかった大会だった。その大会で楽しみながら戦う事ができて、とても良かったとコメント。

尾頭信弘。どんな波でもオールマイティのスタイルで波を料理する。勝負強さは間違いない。ただ、今回はユージンの押しに寄り切られた。
石塚晃。いぶし銀の玄人好みのサーフィン。石塚スタイル全開でスタイリッシュに攻めたが今ひとつ点が伸びなかった。
桜岡甲太。昨年から比べてとてもサーフィンがスムースになった。リズムにハマれば優勝は間違いない。
田岡なつみ。今大会はノーズライドの演技だけでなく、マニューバーも良かった。サイズのある波でも果敢に攻めた結果が優勝!おめでとう!
一昨年、グラチャン争いのこの大会で1コケして大泣きしたリベンジを見事果たし、応援に駆けつけたお母さんの前で今年のグラチャン奪取宣言。イイね!頑張れ!。
植村未来。2位となったものの、スキルは女子の中でも一番。ただ今回は今ひとつ波に乗りきれていなかった。
鈴木由貴。マニューバーが上手い。伸びのあるボトムターンでスピードある演技。あとはメリハリがつけば間違いない。
大島みどり。決勝は攻めが単調となった。大きなサーフィンができるので次回に期待。
BSA(バリサーフィングアソシエーション)
左からトリップデポ鈴木社長、アグン・スライ、グスティ・スメール、ワヤン・ピッチャ、ウエン・スワンディ。この他にここにいませんが、あとサッチャン。JPSAの大会は会場をウルワツからクラマスへ替えてなんと15年という月日を重ねてきた。このメンバーが日本との架け橋となり、尽力してくれたことに日本から多大な感謝が述べられた。

石塚晃
尾頭信弘
桜岡甲太

 

 

【Surfing for all がんばろう日本!】
JPSAジャパンプロサーフィンツアー2013

ロングボード第1戦
ガルーダ・インドネシア トラベルシーンプロ

  • 期   日/4月14日(日)~16日(火)
    ※プロトライアル同時開催
  • 会   場/バリ島 クラマス
  • 特別協賛/株式会社 トリップデポ
    ガルーダ・インドネシア航空
  • 主   催/JPSA
    協   力/トラベルシーン
    バリサーフィンアソシエーション