HICプロは大会3日目。林健太が再びバレルをチャージし、ラウンドオブ32へ勝ち上がる。

サンセット・ビーチで開催中のHICプロは大会3日目。林健太が再びバレルをチャージし、ラウンドオブ32へ勝ち上がる。


Kahea Hart has been unstoppable so far and now has eyes on the final. Photo: Bernie Baker

 

サンセット・ビーチ、ノースショア、オアフ、ハワイ(2012年11月9日金曜日)賞金総額100万ドルのバンズ・トリプルクラウン・サーフィン・シリーズのオフィシャル・ローカル予選であるASP4スターイベント「HICプロ presented by Vans.」は大会3日目が再開。サンセット・ビーチの2-3フィートのコンディションでラウンド3のヒート12からスタート。ラウンド3終了後、ラウンド4であるラウンドオブ64がスタート。ここからはトップシード選手が登場し、更にサーフィンのレベルを上げ、ヒート14までが終了した。明日がいよいよウエイティング期間の最終日となり、波もサイズアップの予報。素晴しいファイナルデイが期待される。

 

ラウンドアップしたキアヌ・アシン. Photo: Bernie Baker

 

午後にサイズアップが期待されていたが、思ったほどの変化は無く、トリッキーなコンディションに番狂わせも続出。マーク・オクルーポ(Aus)をはじめ、パンチョ・サリヴァン、マイルス・パダカのサンセットをホームとする優勝候補の一角である元イベントチャンピオンたちも破れ、マウイのクレイ・マルゾーとイアン・ウォルシュ、ビッグアイランドのジョナ・モーガン、カリフォルニアのクリス・ワードといった選手もイベントから姿を消した。

 

逆に難しいコンディションの中でも、ハイパフォーマンスを見せたのが、サンセット・ビーチの長年のローカルであるベテラン・ノースショア・コンペティターのカヘア・ハート。「僕は多くの子供にコーチをしているんだ。だから、子供たちにゲームを組み立てる方法を見せられて助かったよ。」と、ハートが言った。「海の中では、誰かと戦っているんじゃない。自分自身と、海と時間との戦いなんだ。それを僕は子供たちに言い続けている。それは重要な事。うまくヒートをメイクして楽しむ事が目標なんだ」

 

また、オーストラリア・ルーキーのトーマス・ウッズは、コンテストのハイエスト・シングル・ウェイブ・スコア9.5をマークし、ハイエスト・ヒート・スコア17.82を記録した。彼は、サンセットでサーフィンするのが初ヒートにも関わらず、間違いなくローカルのケコア・バカルソより素晴しい勝ち方をし、長年のサンセット・チャージャであるマーカス・ヒックマンとブラジルのカイオ・イベリを下した。キアヌ・アシン、昨年のイベント・チャンピオン・イズキール・ラウ、リンコーン・テイラー(オーストラリア)などはラウンドアップを果たしている。

 

林健太が再びバレルをチャージし、ラウンドオブ32へ勝ち上がる。

 

今回のASP4スターイベント「HIC PRO presented by VANS」には、多くのジャパニーズサーファーがエントリー。本日は、ROUND of 96ヒート12に田中樹、ヒート14に北田力也、ヒート15に田嶋鉄兵と高橋健人。ROUND of 64のヒート5に大野修聖、ヒート7には大会2日目を素晴しいサーフィンで勝ち上がった林健太が登場した。

田中樹

大会3日目のオープニングヒートに登場した田中樹は、ケコア・バカルソ、カラニ・チャップマン、イズラ・シットと対戦。かなりスローな展開となった田中樹のヒート。じっくりセットの波を待った田中樹はビッグカーヴィングで5.67をスコア。ヒートは元WCTサーファーのケコアが厳しいコンディションの中でも7.17をスコアしてヒートをリード。ビッグ・ウエイバーのカラニ・チャップマンはスモール・コンディションにスコアを伸ばせず。田中樹はセカンド・ウェイブでも3.93をスコアし見事2位でラウンドアップした。

北田力也

北田力也は、最初の波から元ワールドチャンピオンであるハワイのデレク・ホーと接触。デレクがインターフェアをとられる波乱の展開となった。それでもデレクは後半にバックハンドで6.67をスコアして2位に付ける。北田力也はスモールバレルを見つけて4.60をスコアするも4位で敗退。デレクもインタフェアが最後までひびき3位敗退となった。

高橋健人
田嶋鉄兵

 

田嶋鉄兵、高橋健人はフリン・ノヴァック、ロバート・パターソンと対戦。スタートからスコアを重ねる高橋健人。ヒート中盤に田嶋はクリティカル・リエントリーとカーヴィングのコンビネーションで5.83をスコアしてトップへ。後半入りハワイのフリン・ノヴァックがバックハンドでバレルをメイクしヒートスコア10.83でトップとなる。田嶋はバックアップを4.83として2位をキープして、ラウンドアップ。高橋は終了間際に素晴しいックハンド・アタックを見せて5.73をスコアするも3位で敗退となった。

大野修聖

 

大野修聖は、オラマナ・エレオグラム、ケアラ・ナヘ、ディラン・グッディールと対戦。ヒートはオラマナが6.33をスコアしてヒートがスタート。ハワイアン達が確実にスコアを重ねていくなかで、トリッキーなコンディションに大野は思うような波が掴めない。一番奥のポジションでセットの波を狙う大野だが、バレルに潰されてしまう。ヒート後半に入り大きく差を広げられた大野は、全く自分のサーフィンを見せる事なく4位敗退となった。

見事2位でラウンドアップした林健太

 

大会2日目で素晴しいバレルライドを披露し、ラウンドアップした林健太は、H-7でリンコーン・テイラー、メイソン・ホー、タイラー・ニュートンと対戦。ヒートはリンコーン・テイラーが前半に8.67のエクセレントをマーク。更に6.33をスコアしてヒートスコア15.00で他の選手をコンビネーションに追い込む。ヒート中盤まで波に乗らなかった林健太は、再びバレルをメイクして6.50をスコア。バックアップを探す林健太は、残り時間5分を切り、小振りな波を掴む。そしてカーヴィングターンのコンビネーションで5.50をスコアして逆転に成功。見事2位でラウンドアップを果たした。ラウンドオブ32が行われるファイナルデイへ勝ち進んだ。

 

田中樹

 

本日2ラウンド目の田中樹。ラウンドオブ64のH-1でジョアン・ドゥルー、デイヴィ・キャスルズ、ロイ・パワーズと対戦。ヒートはデイヴィ・キャスルズがバレルをメイクし7.17、4.67をスコアしてヒート前半をリード。各選手ともウェイブ・セレクションに苦戦する展開となる。ヒート中盤にロイ・パワーズも綺麗にバレルをメイクして6.87をスコア。田中樹は思うように波を掴めず、自分のサーフィンが見せられない。残り時間10分を切り、田中樹が波をキャッチし、カーヴィングとビッグスナップのコンビネーションで6.93をスコア。3位に浮上する。2.67のバックアップを塗り替えたい田中樹はアウトで波を待つが、そのままタイムアップとなり、惜しくも3位で敗退となった。

 

今日のスケジュールはR-64 H-14までで終了。H-16で田嶋鉄兵は、グレンジャー・ラーセン、ジョエル・センティオと対戦。またラウンドオブ32に勝ち上がった林健太は、ヒート 3でケアラ・ナヘ、キアヌ・アシン、グレッグ・ナカムラと対戦する。明日は再びサイズアップが見込まれており、素晴しいコンディションでのファイナルデイが予想されている。頑張れ!日本!

 

オフィシャルサイトではライブ中継が行われています。

http://www.vans.com/eventsites/hic-pro/