JPSA最終戦で田中樹、庵原美穂が優勝。 林健太、庵原美穂が2度目のグラチャン。

JPSAショートボード最終戦で田中樹、庵原美穂が優勝。林健太、庵原美穂が2度目のグランドチャンピオン。 


最終戦を優勝した田中樹と庵原美穂

2012年9月16日(日)JPSAジャパンプロサーフィンツアー2012ショートボード第6戦(最終戦)「ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」は大会最終日。台風16号からのうねりが入り、頭近いセットの入る最終日に相応しい素晴しいコンディションとなったマルキポイント。コンテストはメンズR5からスタートした。

注目はグラチャン争い。R5でカレントリーダーの林健太がクオーターファイナルへ勝ち上がれば林健太のグラチャンが決定する。林健太は中村 昭太、仲村 拓久未、渡辺 広樹といった強豪と対戦した。そのヒートは中村昭太のエクセレントでスタート。林は緊張からか、思わぬ場所でワイプアウトが続く。渡辺、仲村もハイポイントを叩き出し、追い込まれていく林健太。こんなことがあるのかと思うほど林健太らしいサーフィンが見せられぬまま敗退。林の自力でのグラチャンはここで消えた。

一方、グラチャン争いの渦中に居た大橋海人は、林の次のヒートに登場。全く緊張している様子も見せず、淡々と自分のサーフィンを見せ、ハイポイントを叩き出し、小川幸男とともにラウンドアップを決めた。しかし、大橋海人がグランドチャンピオンを獲得するには優勝するしか無かった。

 

庵原と野呂の直接対決。

そして女子は、セミファイナルで庵原美穂と野呂玲花のグラチャン争いの渦中の二人が直接対決となり、勝ったほうがグランドチャンピオンを獲得するというシチュエーションとなった。そのヒートは庵原が素晴しいレフトの波で素晴しいバックハンドを見せ7.0をマークしてヒートを開始。野呂玲花がプライオリティを持ったまま、両者ノーライドが続き、最後の戦いの緊張感が伝わってきた。ツアールーキーの野呂玲花は緊張からかワイプアウトするが、後半に入り5.75をスコアして逆転に成功する。しかし、この波をホームブレイクとする庵原美穂が、じっくりと良い波を待ち、ビッグリエントリーを決めて大逆転。庵原が2年連続のグランドチャンピオンを決めた。

 

中村昭太と田中樹。大橋海人と仲村 拓久未がセミファイナル進出。

 

ビーチに集まった地元応援団の熱いエールに後押しされ、この波を知り尽くした小川直久、幸男の兄弟がクオーターファイナルに勝ち上がった。そして、今シーズンの台風の目となった若手筆頭の仲村 拓久未、グラチャン争いの大橋海人。そして中村昭太、田中樹、加藤嵐、河村海砂というメンバーがクオーターファイナル進出。そして、男子セミファイナルは、中村昭太と田中樹。大橋海人と仲村 拓久未という戦いとなった。

セミファイナルのヒート1の中村昭太と田中樹の戦いは、じっくりと波を待ち、その波でしっかりとスコアを叩き出した試合巧者の田中樹がファイナル進出。大洗のファイナルのリマッチとなった大橋海人と仲村 拓久未の戦いは、スタートから、何度もクリティカルセクションにフィンスローのリエントリーを連打した大橋海人が、今大会のハイエストスコアとなる9.25をマーク。バックハンドのエアリバースを披露して9.15をスコアした仲村 拓久未に対して、バックアップに7.25を揃えた勢いのある大橋海人がそのままファイナル進出を決めた。

 

女子のファイナルはグラチャンを獲得した庵原美穂と宮坂桃子。

 

女子のファイナルはグラチャンを獲得した庵原美穂と宮坂桃子。ハイタイドで波数の減って来た女子ファイナルは、スロースタートとなった。宮坂がじっくりと波を選び、フォアハンドのカーヴィングで7.0をスコアして幸先の良いスタートを切る。そんななか雨雲が通過して、豪雨に見舞われる。直ぐに雨もやみ、庵原がファーストライドをバックハンドで6.80をスコア。チャージする宮坂は3.25をスコアしてヒートスコア10.25としてヒートをリードした。しかし、再び庵原が4.25をスコアして逆転に成功。ヒート終盤は庵原が優先権を持ち、ヒートをコントロールして優勝。グラチャンに華を添えた。

 

男子ファイナルは大橋海人と田中樹

 

大橋海人は、これで優勝すればグランドチャンピオン。プライオリティの無い大橋海人が、ミドルの波でエアリバースを決めて7.35をスコアする。一方、プライオリティを持つ田中樹は、じっくりと波を待ち、Aフレイムのセットの波をキャッチ。しかし、今ひとつ波を選び切れない田中樹はスコアが伸びない。大橋海人は、再び大きなスプレーを上げるリエントリーで5.0をスコア。ヒートトータル12.25でファイナルをリード。このまま逃げ切ればグラチャンだ。

じっと波を待った田中樹は、ヒート中盤に3つのハードなターンを決めて7.35をスコア。4.9で逆転出来るところまで追い上げる。それまで緊張が見られなかった大橋も、プライオリティなどのミスが目立ち、両者とも決定的なものが無いまま残り時間は5分を切る。そして、田中樹は、逆転をかけたラストライドで5.60をスコア。終了間際の攻防で田中樹が大逆転で優勝。大橋海人は目の前のグランドチャンピオンを掴む事は出来ず、林健太の5年越しの2度目となるグランドチャンピオンが決定した。

 

JPSAジャパンプロサーフィンツアー2012のショートボードのクライマックスは、何とドラマチックなエンディングだっただろう。会場に居たギャラリー、オンラインで観戦した人々に多くの感動を与えたに違いない。最後に意地を見せた、さすがの田中樹。悔しい敗退となった大橋海人だったが、ツアー後半の戦いぶりは目を見張るものがあった。来シーズンの台風の目となることは間違いないだろう。ジュニア世代の活躍が目に付いた今シーズン。素晴しいハイパフォーマンスが披露された。また来シーズンも素晴しいサーフィンが見られる事を期待したい。素晴しい感動的なエンディングをありがとう。

 

 

写真、フォトキャプション:山本貞彦

JPSA 第6戦(最終戦)「 ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」優勝 田中樹。クレバーな戦いで今シーズン初優勝。おめでとう!
JPSA 第6戦(最終戦)「 ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」田中樹-2。テクニック、タクティクスは経験から生まれる。
JPSA 第6戦(最終戦)「 ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」田中樹-3。試合でのマニューバーはバラエティーに富む。
JPSA 第6戦(最終戦)「 ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」田中樹
JPSA 第6戦(最終戦)「 ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」2位 大橋海人。あと一歩でビッグタイトルを逃すも、会場からは暖かい拍手が。
JPSA 第6戦(最終戦)「 ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」大橋海人-2。自分のサーフィンスタイルを見つけた。これからが楽しみだ。
JPSA 第6戦(最終戦)「 ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」大橋海人-3。
JPSA 第6戦(最終戦)「 ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」大橋海人-4。応援団!熱い仲間が茅ヶ崎から駆けつけた!
JPSA 第6戦(最終戦)「 ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」3位 中村昭太−1。どんな時でも逆転できるポテンシャルを持つ。スピードにパワーがつけば優勝は間違いない。
JPSA 第6戦(最終戦)「 ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」中村昭太-2。
JPSA 第6戦(最終戦)「 ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」仲村拓久未−1。間違いなく来期はチャンピオン争いに絡む存在に。あとは経験を積むこと。
JPSA 第6戦(最終戦)「 ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」仲村拓久未-2。
JPSA 第6戦(最終戦)「 ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」5位 小川直久。
JPSA 第6戦(最終戦)「 ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」5位 小川幸男。
JPSA 第6戦(最終戦)「 ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」5位 加藤嵐。
JPSA 第6戦(最終戦)「 ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」5位 河村海沙。
JPSA 第6戦(最終戦)「 ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」林健太。R-5で敗退。自力優勝が無くなり何を思う。
JPSA 第6戦(最終戦)「 ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」優勝 庵原美穂−1。自身の力を信じ、自分の波乗りをすることを心掛けた結果が優勝。おめでとう!
JPSA 第6戦(最終戦)「 ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」庵原美穂-2。
JPSA 第6戦(最終戦)「 ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」庵原美穂-3。SFで野呂玲花を破り、グラチャンを決める。
JPSA 第6戦(最終戦)「 ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」庵原美穂-4。
JPSA 第6戦(最終戦)「 ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」庵原美穂-5。今大会も優勝で有終の美を飾る。
JPSA 第6戦(最終戦)「 ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」2位 宮坂桃子−1。初のファイナル進出も臆すること無く攻めた。イイね。
JPSA 第6戦(最終戦)「 ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」宮坂桃子-2。この経験も次ぎなる進歩につながる。
JPSA 第6戦(最終戦)「 ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」宮坂桃子-3。玲花が激励。
JPSA 第6戦(最終戦)「 ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」3位 野呂玲花。
JPSA 第6戦(最終戦)「 ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」3位 水野亜彩子。
JPSA 第6戦(最終戦)「 ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」Mens 表彰式。
JPSA 第6戦(最終戦)「 ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」Womens 表彰式。
JPSA 第6戦(最終戦)「 ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」チャンピオン 田中樹&庵原美穂。
JPSA 第6戦(最終戦)「 ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」2012 ルーキーオブザイヤー 仲村拓久未&野呂玲花。おめでとう!
JPSA 第6戦(最終戦)「 ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」2012 グランドチャンピオン 林健太&庵原美穂。おめでとう!

 

大会結果。男子:優勝 田中樹、2位 大橋海人、3位 中村昭太、仲村拓久未、5位 小川直久、小川幸男、加藤嵐、河村海沙。
女子:庵原美穂、2位 宮坂桃子、3位 野呂玲花、水野亜彩子、5位 上田純子、川邉聡美、7位 田原啓江、齋藤ユリ。

2012 ルーキーオブザイヤー:仲村拓久未&野呂玲花。

2012 グランドチャンピオン:林健太&庵原美穂。