ライアン・カリナン(AUS)がQS10000優勝。五十嵐カノアは準優勝でQS世界ランクトップへ。

カノア五十嵐(JPN)とライアン・カリナン(AUS)(C) WSL/Poullenot

プライア・デ・リベイラ・ディリャス、エリセイラ/ポルトガル(2018年9月29日土曜日)ポルトガルのエリセイラで開催中のWSL-QS10,000「EDPビラボン・プロ・エリセイラ」は大会最終日。3-4フィートのコンディションで行われたファイナルデイ。ライアン・カリナン(AUS)が決勝で五十嵐カノア(JPN)に対し、終了間際の逆転勝利でQS10000のビッグタイトルを手に入れた。

日本のQS6000に続き今年2度目の優勝したライアン・カリナン (C) WSL/Poullenot
日本のQS6000に続き今年2度目の優勝したライアン・カリナン (C) WSL/Poullenot

EDP Billabong Pro Ericeira Highlights: Callinan on Top of the World

 

ファイナルデイの朝一のヒートに登場したのは五十嵐カノア。ラウンド5の対戦相手はソリ・ベイリー(AUS)。しかしセットが入らずにリスタートとなった。波数が少ないスローなヒートの中で、カノアはファーストウェイブで6.67をスコア。更にテールブロー・リバースで7.23をスコア。危なげないヒート展開でクオーターファイナルへ勝ち上がった。

 

レオナルド・フィオラバンティ(ITA)(C) WSL/Poullenot
レオナルド・フィオラバンティ(ITA)(C) WSL/Poullenot

 

クオーターファイナルは親友のレオナルド・フィオラバンティと対戦となったカノア。波を選びきれないカノアに対し、レオが的確なセクションでビッグターンを決めてスコアを伸ばし、ヒートをリードする展開となった。しかし、それで終わるはずがないカノアは、ヒート中盤に優先権を持って、セットをゲット。高速ターンからクローズセクションのリバースで7.83をスコアして逆転に成功する。

 

 

ヒート終了後に互いを讃え抱き合うカノアとレオ
ヒート終了後に互いを讃え抱き合うカノアとレオ

 

レオもエア気味のビッグ・レイバックスナップで7.27をスコアして反撃。カノアからトップを奪い取るも、カノアも7.07をスコアして再びトップを奪い返す。終了間際にレオがヒート最大のセットをキャッチ。インサイドまで乗り継ぎ、チャージを見せるも逆転ならず。カノアが僅差で逃げ切りセミファイナルへ勝ち上がった。

 

タナー・ヘンドリクソン(HAW)と対戦したセミファイナルでは、終始ビハインドを強いられてたカノア。優先権を保持したまま、残り時間5分で7.23をスコアしたカノアが逆転しファイナルへ勝ち上がった。

 

五十嵐カノア (C) WSL/Poullenot
五十嵐カノア (C) WSL/Poullenot

 

ファイナルでは、ヒート開始10分でようやく波を掴んだカノアは、ノーズ-ピック・リバースに2つの素晴らしいターンを組み合わせ、6.17のファースト・スコアでファイナルを開始。それに対し、マイナースコアをすでに持っていたカリナンは、サードウェイブで爆発的なバックハンドで6.93をスコア。ストロング・リードをとった。

 

残り時間10分、優先権を持ってセットの波を待っていたカノアは、8.17のエクセレントをスコア。カリナンを捉えてついにトップに躍り出る。しかし残り時間が3分を切り、カリナンは再びバックハンドスナップをリップにフィットさせて7.83をスコアして大逆転。その後にカノアの前に波は入らずタイムアップ。カリナンが勝利をつかんだ。

 

ライアン・カリナン (C) WSL/Poullenot
ライアン・カリナン (C) WSL/Poullenot

 

「これは、我々が夢見るものです」と、カリナンが言った。「あのような瞬間に最後の波が自分に来るなんてマジで信じられない。圧倒されました! これは巨大な踏み台であり、すべてのものが自分をクリックしているように感じます。ファイナルでピークに達し、すべてが素晴らしかった!!今年は信じられない結果が続きました。何が起こったのか分からないです。以前は勝てなかったのに、今シーズンは優勝が2回目です!」

 

今回の優勝でカリナンは、10,000ポイントを獲得して、QSランク第2位へとジャンプアップ。来年度の CTクオリファイもほぼ確定といえよう。また彼は、エリセイラの後のハイエストQSアスリートとして、来週行われるCTイベント「クイックシルバー・プロ・フランス」にリプレイスメント・ワイルドカードで出場する。

 

igarashi

 

絶好調といっても過言ではない五十嵐カノア。JベイのCTで3位となり、今夏のVANS USオープン・オブ・サーフィンで2連覇、サーフ・ランチ・プロで3位、 ISAでは銀メダル。このエリセイラで優勝こそ逃したもののクオリファイング・シリーズ・ランキングのトップに躍り出て、残りのCTイベントでは、来季のクオリファイのプレッシャーを感じることなく戦える脅威の選手となるだろう。

 

(C) WSL/Poullenot
(C) WSL/Poullenot

 

「最高の気分ですね。やりたいと思っているようなサーフィンが出来ています。」と、五十嵐は言った。「今年は自分自身を証明し、良いパフォーマンスを見せ、良いサーフィンをしたいと思っている1年です。だから、それが続くことを願っています。ライアンがガブリエル(メディーナ)を破ったのを見たとき、自分のベストサーフィンをしなければならないと感じていましたが、残念ながら自分が探していたギアを見つけることができなかった。」

 

セミファイナルとファイナルの間には、マーク・オクルーポ(AUS)とルーク・イーガン(AUS)という二人のレジェンドによるセッションも行われた。

 

クオリファイング・シリーズのヨーロピアン・レッグは、カリナンの優勝で幕を閉じた。そして、フォーカスはフランスとポルトガルで開催される、2つのチャンピオンシップ・ツアー・イベントへと移る。

 

QS10,000「EDPビラボン・プロ・エリセイラ」EDP Billabong Pro Ericeira

http://www.worldsurfleague.com/events/2018/mqs/2801/edp-billabong-pro-ericeira

 

EDPビラボン・プロ・エリセイラ・ファイナル結果:
優勝-ライアン・カリナン(AUS)15.13
2位-カノア五十嵐(JPN)14.94

 

EDPビラボン・プロ・エリセイラ・セミファイナル結果:
SF 1:ライアン・カリナン(AUS)12.17 def.ガブリエル・メディーナ(BRA)11.97
SF 2:カノア五十嵐(JPN)13.90 def.タナー・ヘンドリクソン(HAW)13.37

 

EDPビラボン・プロ・エリセイラ・クォーターファイナル結果:
QF 1:ライアン・カリナン(AUS)9.50 def.デイヴッド・シルヴァ(BRA)8.06
QF 2:ガブリエル・メディーナ(BRA)16.90 def.イーサン・ユーイング(AUS)15.66
QF 3:カノア五十嵐(JPN)14.90 def.レオナルド・フィオラバンティ(ITA)14.47
QF 4:タナー・ヘンドリクソン(HAW)10.50 def.ジェイク・マーシャル(USA)3.87

 

残りのEDPビラボン・プロ・エリセイラ:ラウンド5の結果
ヒート5:カノア五十嵐(JPN)13.90 def.ソリ・ベイリー(AUS)11.23
ヒート6:レオナルド・フィオラバンティ(ITA)15.33 def.アロンゾ・コレア(PER)9.73
ヒート7:タナー・ヘンドリクソン(HAW)11.36 def.フレデリコ・モライス(PRT)9.60
ヒート8:ジェイク・マーシャル(USA)12.77 def.パトリック・グダスカス(USA)10.00