五十嵐カノアと村上舜が表彰台。日本史上初の個人メダル2個獲得。波乗りジャパンは暫定4位。

日本サーフィン史に新たなページを加えたカノアとシュン 

撮影、取材:山本貞彦、2018年9月19日(水)「2018 アーバンリサーチ ISAワールドサーフィンゲームス」大会4日目。男子で、日本の五十嵐カノアと村上舜がグランドファイナルまで勝ち上がり、五十嵐カノアが2位で銀メダル、村上舜が4位でカッパーメダルを獲得。WSGで個人メダル2個を獲得。日本初の記録を打ち立てた。

Argentina’s Santiago Muñiz Claims His Second ISA Gold

金メダルのサンチャゴ・ムニーツ
金メダルのサンチャゴ・ムニーツ

アルゼンチンのサンチァゴ・ムニーツが2度目の金メダル、ブロンズ・メダルはペルーのルッカ・メシーナとなった。

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日本初のWSG表彰台に上がったカノアとシュン。ISA
日本初のWSG表彰台に上がったカノアとシュン。

54年のISA-WSG史上となる日本選手ふたりが表彰台に上がり、個人メダル2つ手に入れる偉業を達成し歴史に刻まれた。また大原洋人はリパチャージのラウンド9で敗れたものの、圧巻のジャパニーズ・タイフーンを世界にアピールし9位でフィニッシュ。

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また女子では、橋本恋、川合美乃里、黒川日菜子の3名ともリパチャージに回りながら、ラウンドアップを続け、黒川は11位、橋本は13位、川合は16位でフィニッシュ。明日の国別対抗戦であるアロハ・カップではカノア、村上舜、黒川日菜子、橋本恋の4名で参加。

 

現時点で総合で4位の波乗りジャパン。女子のリパチャージで3名全員が生き残っているチームUSAが単独1位。それをチーム・オーストラリアが僅差で追いかける。オーストラリアの強みはサリー・フィッツギボンズとホリー・ウォンが本戦で勝ち進んでいる事だ。

 

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五十嵐カノアが試合後にインタビューに答えた。「金メダルを取れなかったのは悔しいですけど、オリンピックに向けた良い練習になったと思います。今回は、いつもと違ってチームで戦うという形でしたが、 チームの仲間を応援したり、 プレッシャーを分かち合ったり、 楽しかったです。この1週間、ずっと波もあって、日本にもワールドクラスの波があることを見せられたし、良いサーフィンをファンに見せられて良かったです。」

 

五十嵐カノア
五十嵐カノア

「今回はISAのジャッジに慣れていなかったというのもありますね。ファイナルも。いつものWSLのジャッジとは違うなって感じました。オリンピックでは、どちらのジャッジが採用されるのかよく考えて、それに合わせたサーフィンのスタイルで戦いたいですね。ファイナルは波数も少なくて、自分のサーフィンを出し切れなかったのは悔しいですね。ヒートの時間がWSLと比べて短いのにも慣れていなかったのは準備不足でしたね。」とカノアがコメント。

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「試合は勝つよりも負ける事の方が多いので、自分の中では納得できる部分なんですけど、今回はチームのために金メダル撮りたかったなって悔しく思います。また、舜とファイナルを戦えて良かったですね。本当は洋人もいら良かったんですけど、それはオリッピックにとっておきます。」

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「自分のベストを尽くしたので、結果には満足しています。ここの波は凄く好きで、大会を通して波があって、よかったと思います。前半は台風のうねりで波も凄く大きかったんですが、後半に小さくなって、コンディションも変わって、対応できるか心配だったんです。でも決勝まで残れたんで良かったかなって思います。」と、村上舜がコメント。

shun kanoa-2805「今回はカノアと一緒に同じチームで戦って、凄く刺激を受けました。ワールドツアーにいる選手だし、日本人でもこんなに出来るんだなって思えました。」

 

今日もロングビーチは朝は冷んやりしていたものの日中は晴れで、暑い。風はサイドオフ。波のサイズはさらに下がって、ムネ。でも、形は良い。

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洋人の演技がダメではなく、他が良かったか。もし言うならば、最初の波取りで引いてしまったこと。早く仕掛けていれば。。。その後は波のセレクトもセットではなく、サイズが小ぶり。やはり、比較して点が伸びなかった。でも、これも通過点。世界で戦える力は十分ある。次のQS10000ポルトガルでは決めましょう!

shun-2761 shun-0745shun-2921村上舜
ノリノリでリパからの復活、グランドファイナルへ。このままの勢いで行くかと思いきや、波まわりも良くなかった。最終的にはエクセレントを出さなくては優勝できないところまで、追い込まれた。よって、波選びも演技も慎重となり、その波は来ず4位と言う結果で今大会終了。でも、最後まで自分のサーフィンで勝ちたいという心意気。良かったです。

kanoa-2957 kanoa-2826 kanoa-0996五十嵐カノア
精神力の強さ。今、自分がやるべきことがわかっている。逆転されたものの、サーフィンでは間違いなく一番だった。だからこそ優勝は誰よりもしたかったはず。それは金メダルの重みが、日本のサーフィンを大きく変えることを知っているから。その責任感の強さに改めて感動しました。

minori-0068 minori-9259 minori-9382川合美乃里
この大会で得たもの。大きな収穫があったはず。まずは基本。体力、スタミナをつけること。どんな状況でも自分の演技ができるようにね。ガンバ!

ren-2459 ren-9811 ren-0279 ren-2549橋本恋
右足が痛いということで、テーピングで出場。それで気持ち的に安心したか、攻めまくり。その積極的な戦う姿勢。つまり、不安要素をなくすこと。これ大事です。

 

hinako-0504hinako-0124 hinako-0358黒川日菜子
試合の中で成長するってあるんです。レフトでの演技はエクセレント。彼女の持ち味。パワフルながら伸びのあるサーフィン。キレイに決まったこれが常にできるなら、もっと上が狙えるはずです。

 

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 ファイナル・メンズ結果
ゴールド・メダル:サンチァゴ・ムニーツ(ARG)
シルバー・メダル:五十嵐カノア(JPN)
ブロンズ・メダル:ルッカ・メシーナ(PER)
カッパー・メダル:村上舜(JPN)

 

明日の9月20日は、国別対抗チーム対抗戦のアロハ・カップ

コンペティション・スケジュール:
午前8時00分午前9時00分:
アロハ・カップ・セミファイナル1(FRA、MEX、JPN、CRC)
午前9時00分午前10時00分:
アロハ・カップ・セミファイナル2(POR、ESP、PER、USA)
午前10時00分午前11時00分:
アロハ・カップ・ファイナル

 

■大会開催概要
大会名称:2018 アーバンリサーチ ISAワールドサーフィンゲームス
(英字) 2018 URBAN RESEARCH ISA WORLD SURFING GAMES
開催期日:2018年9月15日(土)~9月22日(土) =8日間=
開催場所:愛知県田原市赤羽根町大石海岸(ロングビーチ)
主催  :国際サーフィン連盟(International Surfing Association:ISA)
主管  :2018 ISAワールドサーフィンゲームス実行委員会
(大会長:酒井 厚志 日本サーフィン連盟理事長、
大会長代行:山下 政良・田原市長、ほか)
参加国数:42ヶ国・300名(予定)
ISA大会公式ホームページ : https://www.isasurf.org/wsg/2018/en/
実行委員会大会公式ホームページ: http://www.wsg-tahara.jp
実行委員会ツイッター: https://twitter.com/surf_tahara

 

 

■大会スケジュール
9月20日(木)   アロハカップ
9月21日(金)   8:00~16:00
9月22日(土)   8:00~16:00《女子決勝・競技》
競技終了後 《表彰式》ロングビーチ

※上記スケジュールは、波のコンディション等により変更となる場合があります。