安井拓海、満点優勝。川合美乃里はバリ2連覇。ガルーダ・インドネシア/旅工房 ムラサキプロ大会最終日

写真、取材:山本貞彦  JPSAショートボード開幕戦「ガルーダ・インドネシア/旅工房 ムラサキプロ」大会最終日。男子、女子ともセミファイナル、ファイナルに加え、バリと日本の20周年を記念した親善試合が行われた。

 

 

朝の波は1-2ft。どうなることかと思えば、9時には新しいスウェルが届き始めて2-3ft。セットはそれ以上の波が入る。決勝は男女共、実力を出し切った戦い。逆転につぐ逆転と見応え満点の決勝となった。

 

加藤嵐
加藤嵐

 

セミファイナルで優勝候補であった大原洋人をはじめ、仲村拓久未、高橋健人、小嶋海生が敗れる中、男子のファイナルには、安井拓海、辻裕次郎、大澤伸幸 、加藤嵐の4名が勝ち上がった。

 

試合は、2年連続のグランドチャンピオンである加藤嵐がオープニングライドで9.00のエクセレント・スコアで開始。見応えのあるファイナルを予感させる最高のスタートだ。波が不安定な状況で、このスタートは加藤にとって大きなアドバンテージとなると考えられた。

 

安井、辻も際どいセクションを攻めてはワイプアウト。その戦いを勝ち抜くためには如何にハードなチャージをする必要があるのかが理解できるアプローチだ。じっくりと波を待った大澤は6.75のグッドスコアでヒート開始。

 

加藤嵐
加藤嵐

 

一方で完全にリズムをつかんだ加藤はセカンドウェイブでも、際どいターンでチャージを見せて8.65という2本目のエクセレントをスコア。ヒート開始から僅か10分でトータル17.65で2位以下の選手をコンビネーションに追い込み、このまま加藤の独走かと思った。

 

安井拓海
安井拓海
安井拓海
安井拓海

 

しかし、ゲームはそのままでは終わらなかった。ヒート中盤に入り、安井拓海がサイズのあるセットをキャッチ。深いボトムターンからソリッドなリエントリーからカットバックのコンビネーション。そしてレイバック・スラッシュからエンド・セクションでのエアリバースとバリエーション豊富なメジャーなマニューバーを披露し、パーフェクト10をマーク。一気に2位に浮上して1位の加藤にプレッシャーをかける。

 

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大澤伸幸

 

ファイナル唯一のレフトハンダーである辻裕次郎もバックハンドでチャージ。大澤も力強いフルレールのターンから大きなスプレーを上げて8.80のエクセレントをスコアして2位に浮上。ハイスコアが次々とスコアされ順位も激しく入れ替わる。

 

yujiro tsuji-3650
辻裕次郎

 

ヒート終盤に入り辻裕次郎が、得意のディープ・バレルをドギー・ドアから抜け出て、9.80をスコア。信じられないような素晴らしいパフォーマンスの連続となったファイナル。

 

takumi yasui-731180
安井拓海

 

残り時間5分を切ってバックアップを探していたパーフェクト10の安井が、カーヴィング主体のライディングで8.10をスコアすると一気にトップへ躍り出る。そして最終的に2位加藤、3位辻、4位大澤でタイムアップ。このJPSAの歴史に刻まれる素晴らしいファイナルを安井拓海が制し、最高のシーズンスタートを切った。

 

川合美乃里
川合美乃里

女子のセミファイナル2ヒートは、激しい僅差のバトルとなり宮坂莉乙子、庵原美穂、須田那月、川瀬心那が接戦の末に敗れ、ファイナルには渡辺愛、川合美乃里、高橋みなと、鈴木姫七の4名によって行われた。

鈴木姫七
鈴木姫七

試合は、SFヒート2でも2本のエクセレントをスコアして、勢いに乗る昨年のイベント・チャンピオンである川合美乃里がスタートから7ポイントをスコアして素晴らしいスタートダッシュを見せる。セカンドウェイブでも川合は7.75をスコア。ヒート前半にトータル14.75をマークして、2位以下をコンビネーションに追い込む。

高橋みなと
高橋みなと

SFで川合と接戦を繰り広げた鈴木姫七は、残り10分を切り渾身の力でパワフル・ターンを連発。6ポイントをスコアし、バックアップを4ポイントとして2位に浮上する。高橋みなとは、高速なサーフィンを披露するもコンビネーションは外せず3位。渡辺愛は初ファイナルで緊張したか、セミファイナルまでのパフォーマンスは見られず精彩を欠き4位でフィニッシュとなった。

渡辺愛
渡辺愛

 

 

hiroto ohhara-1033大原洋人
セミファイナルH-2は唯一、波が止まったヒート。先行されて万事休す。最後まで待つも波は来ず、ここで敗退。

arashi kato-3057加藤嵐
扇型のスプレーを見てわかること。テールで回さず、レールで切り返すからこれができるのだ。前に飛ぶスプレーがその証拠。

yujiro tsuji-3839辻裕次郎
今大会で長いチューブはこれだけだった。それほど掘って、掘って抜けてきた。波への感性はピカイチです。

nobuyuki ohsawa-0459大澤伸幸
板のボリュームを見る限り、脚力がなければ無理。その脚力があるから、あの太いトラックが描けるのだ。

takumi yasui-3770安井拓海
バラエティに富んだ攻め方が信条。今回もスピードある演技で優勝をもぎ取った。おめでとう! ただ、攻めすぎるからか。時折、テールコントロールも見受けられる。これがなくなれば常勝は間違いない。

takumi yasui-0345takumi yasui-731321このあとはWSLの千葉、JPSAの伊豆に出たあと、カリフォルニアへ。今、スポンサーが無いので、賞金で回る予定。JPSAはグラチャン目指します!とのこと。ガンバ!です。

mana watanabe-1981渡辺愛
板の調整がうまくいったこともあったが、スキルは格段に上達。あとは経験値を増やすことか。

himena suzuki-2694鈴木姫七
決勝は果敢に攻めた。大きいアクションが評価された。あとは縦に攻められれれば、優勝は間違いない。

minori kawai-731238 minori kawai-2929川合美乃里
良い演技をするのは当たり前だが、ヒートの組み立て方が上手くなった。プライオリティーの有無、自分の置かれている状況を瞬時に判断して攻め方を選択。

izuki minori-731267田中樹コーチのおかげとコメントしていたけど、それを実行できるようななったが進歩の証。昨年に続き2連覇!おめでとう!

minato takahashi-1816高橋みなと
千葉をベースにしたことで練習量が増えたこと。そのおかげで苦手意識を克服するも、この大会では満足する結果は出せなかった。でも「新しい課題を見つけたことが収穫」と前向き発言。イイね。

natsuki suda-2984須田那月
大きくサーフィンが変わった。怪我からの復帰。波乗りができることへの感謝もあるけど、実際は板を変えたことが大きな要因。薄くしたことで、自分でボードコントロールができるようになったこと。セミでは波の選択で敗退となったが、間違いなくネクストレベルに上がった。これからが楽しみだ。

hiroto ohhara-731114大原洋人のリラックス方法はスマホでゲーム。

minami mana -731153渡辺愛と野中美波は仲良し。

mana watanabe kan-731206渡辺愛と兄の寛。ヒート前にはアドバイス。

hideyoshi tanaka-731373田中英義のまわりでみんな大騒ぎ。実は優勝したら、みんなにビールを奢ることになっていたから(笑)。

 

 

JPSAショートボード開幕戦「ガルーダ・インドネシア/旅工房 ムラサキプロ」

mens-731299男子
優勝:安井拓海
2位:加藤嵐
3位:辻裕次郎
4位:大澤伸幸

womens-731442女子
優勝:川合美乃里

2位:鈴木姫七
3位:高橋みなと
4位:渡辺愛

frendship-731511親善試合
優勝:田中英義
2位:佐藤魁
3位:Wayan Darma Putra
4位:大澤伸幸

大会終了。バリ、日本の20周年を祝し乾杯!
大会終了。バリ、日本の20周年を祝し乾杯!

 

大会日程

ロング:2018年4月14日(土)~16日(月)

ショート:2018年4月16日(月)~20日(金)

※ロング・ショートともにプロトライアル開催

 

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