2018年度サーフィン強化指定選手 国内強化合宿の2日目が千葉県鴨川市東条海岸マルキポイントで開催。

大原洋人

 

撮影、取材:山本貞彦 「2018年サーフィン強化指定選手強化合宿」最終日。まずは昨日からの実戦トレーニングの続き。男子のR-3H-5からスタート。男女共決勝まで行われた。

 

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今日はサイズダウンでムネカタ。風はサイドオフ。上げに向けて、つながり気味になり難しいコンディションに。ファイナルまで勝ち上がった選手は、男子が西修司、大原洋人、大橋海人、三輪紘也。女子は川合美乃里、松田詩野、野中美波、中塩佳那。

 

優勝した大原洋人
男子で優勝した大原洋人。ピンチになっても、自分のサーフィンができれば負けない。そんな自信が見てわかる。また、強くなっている。
田中英義と辻裕次郎
田中英義と辻裕次郎
女子の優勝は松田詩野
女子の優勝は松田詩野。この決勝メンバーで優勝できたのは、素晴らしい。最後まで諦めないこの姿勢は、男子も見習うべきだな。
川合美乃里
川合美乃里
黒川日菜子
黒川日菜子
辻裕次郎
辻裕次郎 俊敏で予測不能のサーフィン。見ていてこちらがワクワクする。

 

結果は男子が大原洋人、女子は松田詩野が優勝。今回、結果だけの判断でなく、各選手の実力及び試合運びなどをチェックした。

 

大澤伸幸、田中英義、大原洋人、新井洋人
大澤伸幸、田中英義、大原洋人、新井洋人

 

実戦トレーニングの後、午後からは講習。今回、この講義。「サーフィンをスポーツに。」「サーファーをアスリートに。」これをテーマにそれぞれ細かく各部署でレクチャー。

 

川合美乃里
川合美乃里。若手の中で一番頭。今回は優勝は逃したものの、自分のサーフィンを掴みつつある。
三輪紘也
三輪紘也。昨年はバリでJPSAプロに合格。また、ISAのジュニア選手権では日本躍進に力を添えた。今年、注目すべき一人だ。

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まずは国立スポーツ科学センターから「JISS nx」の使い方。これは大会で映像を撮り、それを自分の携帯端末、PCで確認できるシステムの紹介。いつでも自分のライディングをチェックできるとの提案。

 

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続いて、アンチドーピングセミナー。ドーピングとは?から始まり、現在の違反の状況。アスリートとしての自覚を促す講義。また、実際に普段から使っている風邪薬、のど飴など、身近なものでも禁止されているものが含まれることもある。

なので、具合が悪くなった時は、JADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)のHP(http://www.playtruejapan.org/ )にアクセスすれば、近くのアンチ・ドーピングの知識を持ったスポーツファーマシスト(薬剤師)を検索できるようになっている。

 

森友二
森友二
パワフルなバックハンドを見せた高橋みなと
高橋みなと 千葉で練習に励んでいるみなと。直実に力をつけている。でも、花粉症にやられて、目真っ赤でした。

 

また、薬を飲む前に、その薬が問題ないか、自分で調べるシステム「global DRO」という検索サイトもここに載っている。これは日本だけでなく、アメリカ、カナダ、イギリスで共同で運営されているとのこと。特にサーファーはこの部分の知識が無いから、JADAのHPにアクセスして、自身でも気をつけるようにしないといけないだろう。

http://www.playtruejapan.org/

 

日本コーチのウェイド・シャープ
日本コーチのウェイド・シャープ

 

日本代表コーチのウェイド・シャープ氏からは選手としての自覚。メンタル、ポジティブシンキングからフィジカル、エキップメントの調整など選手として基本を促した。

また、アスリートとして必要なこと。自分の頭で考えて言葉にする訓練。グループディスカッションで実践。これからのインタビュー含めいろいろなところで役に立つと提案。

 

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続いて、強化指定選手について。また、オリンピック代表選手選考、JOC強化指定選手選考についてを説明。そして、今年からオリンピックの2020年までの選考基準を発表。

ただ、そのオリンピックの各国の選手枠は、未だIOCの理事会で最終決定がなされず、最終決定は先送り。メディアのフライング的な「代表が確定」情報は確定でないことを選手に説明した。

 

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中塩佳那
中塩佳那 小柄だから波がジャンクになると不利になる。しかし、持ち前のスキルで男子顔負けの攻めで、ここまで勝ち上がった。経験を積めば、お姉さんたちにはすぐ追いつけるぞ。
野中美波
野中美波 この強化合宿の前には、ハワイで練習。持ち味のパワーサーフィンに磨きがかかった。

 

最後にISAの世界選手権で金メダル!そして東京オリンピックにつなげたいと講義を終了。オリンピックが現実味を増した中での今回の強化合宿。実戦トレーニングに加え、実のある講義となった。

ここで選手に助言。各協会でランキングを上げるのも必要だが、ISAの世界選手権での活躍が大事。それはオリンピックの日本がもらえる参加枠に関わってくるからだ。NSAとしてはここを重視している。JOCの評価、認定もここが在りきだ。
だから、オリンピックを目指すなら、ISAの世界大会に出場することが重要。年間スケジュールを考えた時、これを頭に入れて大会を選択した方が良いだろう。

 

田中英義
田中英義
大橋海人
大橋海人。スタイルあるサーフィン。一皮向けたな。このあとすぐQSでマルティニークに行くという。
西優司。世界を経験したからの自信か。先輩たちの中でも一際、目立った。常に新しい攻めの姿勢は評価できる。
西優司。世界を経験したからの自信か。先輩たちの中でも一際、目立った。常に新しい攻めの姿勢は評価できる。
岩見天獅  中学1年生。なんとセミまで勝ち上がった。まだ体が小さいながらポテンシャルは侮れない。これからが楽しみだ。
岩見天獅  中学1年生。なんとセミまで勝ち上がった。まだ体が小さいながらポテンシャルは侮れない。これからが楽しみだ。
西修司 西三兄弟の長男。持ち味はスムースなサーフィン。試合運びも良くなった。あとはパワーだな。
西修司 西三兄弟の長男。持ち味はスムースなサーフィン。試合運びも良くなった。あとはパワーだな。

nsa-0135今日はあの東日本大震災。さらなる復興を願い、海岸に出て黙祷。

ushi sakai kato-0209日本選手の強化はこの三団体の協力があってこそ。JPSA牛越氏、NSA坂井氏、WSL ASIA加藤氏。

ushi-00313月末で退任のJPSA牛越理事長に花束の贈呈。

 

撮影、取材:山本貞彦

協力:NSA(日本サーフィン連盟)JPSA (日本プロサーフィン連盟)WSL ASIA(ワールドサーフリーグ日本支局)