JPSAロング下克上バトル。塚本将也が初優勝。植村未来が完全復活。ガルーダ・インドネシア/旅工房 ムラサキプロ

JPSA初優勝の塚本将也

2017年4月10日(月)インドネシア・バリ島。写真、取材、キャプション:山本貞彦 

 

今シーズンのJPSAジャパンプロサーフィンツアー2017の開幕戦となるガルーダ・インドネシア/旅工房 ムラサキプロ supported by 東京横丁六本木」。ロングボード大会最終日。18歳の塚本将也がJPSA初優勝。産休でツアーを離れていた植村未来が完全復活の狼煙を上げて3年ぶりの勝利を手に入れた。

 

塚本将也
サイズアップしたクラマスに弧を描く塚本将也

 

昨日までの予報が覆り、今日は4-5フィート。ロングボードの最終日はクラマスらしい素晴らしいコンディションで行われた。ロングボードの大会終了後、ショートボードのトライアルがスタート。男子トライアルR-1の16ヒートが行われ、12点以上を出した3人が公認プロ資格を獲得した。

 

 

植村未来
女子ロング優勝の植村未来

 

女子のファイナルは、3年連続グランドチャンピオンの吉川広夏、産休からツアー復帰の3Xグラチャンの植村未来、ツアーベテランの鈴木由貴、そして、今年大学を卒業して、サーフィンに専念する環境を手に入れた田岡なつみ。

 

植村未来
植村未来

 

ヒート前半は4名が僅差の戦い。しかし、田岡なつみがフォアハンドの長いハングファイブで7.00をスコア。植村未来は安定感のあるバックハンド・サーフィンでチャージを見せて、7.35を5.50でバックアップしてヒートをリード。

 

田岡なつみ
田岡なつみ

 

残り時間10分を切って、植村は再びセットを掴んで8.25のエクセレントをスコア。完全にファイナルをコントロール。田岡なつみもバックアップスコアを塗り替えて、反撃するも植村が逃げ切り、ツアー復帰第1戦を制し、完全復活の狼煙を上げた。

 

吉川広夏
吉川広夏

 

今回のようなコンディションでは、植村未来のサーフィンは他の選手と安定感が違う。テールコントロールでレールをうまく使える植村が一枚上手だ。今シーズンは全戦出場しグラチャン狙いの宣言をした。

 

鈴木由貴
鈴木由貴

 

日本のビーチブレイクで植村を相手に他の選手がどんな戦いを見せるのか注目したい。女子のロングは今シーズン植村のツアー復帰で面白い展開となりそうだ。

 

 

 

秋本祥平がまさかの敗退
秋本祥平がまさかの敗退

 

男子は、セミファイナルで3度のグランドチャンピオンである森大騎と、昨年のイベント勝者で世界に挑戦するスタイルマスターの秋本祥平が破れる大番狂わせが発生。

 

塚本将也
落ち着いた試合運びで勝利を手にした塚本将也

 

そんな中で男子のファイナルは今回のプロトライアルから勝ち上がり、見事ファイナル進出を決めたショートボード公認プロでもある浜瀬海、セミファイナルでの素晴らしいバックハンド・ターンで9.50、8.00という2本のエクセレントをスコアした堀井哲。

 

尾頭信弘
バックハンドで見事なマニューバーを魅せた尾頭信弘

 

そして、世界に標準を合わせて海外での経験を自分のサーフィンにフィードバックする18歳の塚本将也。そして、常に上位に食い込むベテラン・コンペティターながら一度もグラチャンを手にしていない無冠の帝王、尾頭信弘という4名が顔を揃えた。

 

今後の活躍が期待される浜瀬海
今後の活躍が期待される浜瀬海

 

ファイナルはオープニングライドから塚本将也が、ファーストピークでハングファイブからハング10を決めて8.25のエクセレントをスコア。尾頭がバックハンドでアベレージからグッドスコアを2本まとめ、ヒートスコア11.75でヒートをリード。2位に堀井。3位に塚本、4位に浜瀬海で後半戦へ。

 

セミファイナルの演技は素晴らしかった堀井哲
セミファイナルの演技は素晴らしかった堀井哲

 

残り時間10分を切って、浜瀬海がハング5からカーヴィングのコンビネーションで5.80をスコアしてトップへ躍り出る。それに応えるかのように尾頭も6.90をスコアして再び逆転し、そのファイナルはシーソーバトルの展開となる。

 

 

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さらに優先権を持ってセットの波を待っていた4位の塚本将也が、残り5分を切って波を捉えた。そして、ノーズライドとカーヴィングのコンビネーションで7.35をスコアして大逆転。一気にトップに躍り出て、そのままタイムアップとなり、塚本将也がJPSA初優勝を決めた。

 

16才の井上鷹。ボードを折らなければ、もっと勝ち上がれていたはず。
初戦で7位となった16才の井上鷹。ボードを折らなければ、もっと勝ち上がれていたはず。

 

今回のJPSA開幕戦。今シーズンを占う上でも重要な1戦である。そこで見たものは、新しいパワーの台頭。新しい才能が開花し、ベテラン勢を脅かす存在になりつつある。今回優勝した塚本将也をはじめ、昨年のランク2位の堀井哲、今回プロとなった湘南平塚の浜瀬海、日南の16歳、井上鷹は今シーズンのツアーの台風の目となり得る存在。今シーズンは男女共ロングシーンが面白くなりそうだ。

 

JPSA ロングボード「ガルーダ・インドネシア/旅工房 ムラサキプロ supported by 東京横丁六本木」
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男子

優勝:塚本将也
2位:尾頭信弘
3位:浜瀬海
4位:堀井哲
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女子
優勝:植村未来
2位:田岡なつみ
3位:吉川広夏
4位:鈴木由貴

 

公認プロ資格を獲得した3名。
hiroya miwa-4101163三輪紘也
rinta ohoto-4101172大音凛太
shokobayashi-4101178小林正
sho & kei kobayashi-4101188
小林正は小林桂の兄です。

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浜瀬海
19歳。波が大きくなれば、マニューバーのテクニックが光る。プロトライアルから勝ち上がり、ここ決勝まで。しかし、最後は自分らしい演技ができずに3位という結果で終わった。でも、立派な成績です。次頑張りましょう! 実はボードに3箇所クラックが入ったまま試合に出ていたことが判明。これは折れてたかも。。。

masaya tsukamoto-4102237塚本将也
18歳。海外の試合にも積極的に出て力をつけた。今大会も臆することなく、攻めて攻めてJPSA初優勝という嬉しい結果。おめでとう!今年はこのまま勝って、グラチャン目指すと宣言。ちなみにボードは尾頭シェイプ。

miku uemura-4100004植村未来
サイズが上がれば、誰も未来ちゃんを止められない。バックハンドのハンデも関係なく、ノーズ、リップと技数も多数。ハワイで鍛えたスキルが光ったね。おめでとう! 未来ちゃんもJPSAフル参戦。今回優勝できたことで、今年の目標はグラチャンを獲ることと笑顔で語った。母は強し。

natumi taoka-4100439田岡なつみ
やはり、海外経験が強くした。世界に出て、自分のスキルではダメだと痛感したそうだ。今大会も自分のヒートではどんなコンディションでも、きっちりまとめた。最後まで諦めない。去年と大きな違いはそこだった。

塚本将也、田岡なつみともに尾頭シェイプのボードに乗る。
田岡は塚本将也ともに尾頭シェイプのボードに乗る。

プロとして活動するためにはお金が必要。なので、就職も決めた。仕事と練習の忙しい毎日。JPSAにはフルに出る予定だが、海外の試合にも積極的に参加したいと考えている。自分の道を自分で切り開く。
これからの活躍に期待!

植村未来は、吉川広夏、秋本祥平、佐藤広と同じチームTRUMPへ
植村未来は、吉川広夏、秋本祥平、佐藤広と同じチームTRUMPへ

 

サーフメディアは今シーズンも現地から最新情報をお伝えします。お楽しみに!

 

大会日程

ロング:2016年4月8日(土)~10日(月)

ショート:2016年4月10日(月)~14日(金)

※ロング・ショートともにプロトライアル開催

 

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JPSAオフィシャルサイト:http://www.jpsa.com/