加藤嵐がカリフォルニアのハンティントンビーチで開催されたQS1,500「ジャックス・サーフボード・プロ」準優勝

カリフォルニアのハンティントンビーチで開催中のWSLメンズQS1,500「ジャックス・サーフボード・プロ」は大会最終日。昨日からのクリーンなコンディションが続き、最終日に相応しい最高の舞台が用意された。

 

昨日のラウンド3を勝ち上がった3名のサムライたち。ラウンド4で、ヒート5に西優司、ヒート7に小林桂、ヒート8に加藤嵐が登場。そして、昨年度のJPSAグランドチャンピオンである加藤嵐が昨日に続き素晴らしいパーフォーマンスを披露した。

 

 

ラウンド4で加藤嵐はオープニングライドから、クリティカルなセクションでフォアハンドのビッグターンを決めて、7.33をスコアしてヒートをスタート。続けてレフトブレイクでシームレスなバックハンドを披露。4.07をスコアしてトップに躍り出る。

 

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ラウンド4をトップで勝ち上がり、インタビューを受ける加藤

 

しかし、後半に入りネイト・イェオマンがエクセレント、オズボーンとシュルツがハイスコアを叩き出して僅差のクロスヒートの4位に追い込まれる。だがヒート終盤にセットのライトをつかんだ加藤嵐は、ドライブターンからビッグリエントリーでエクセレントの8.03をスコア。4位から一気に1位に躍り出てトップ通過でラウンド5へ勝ち上がった。

 

加藤嵐 WSL / Nilson Baptista
加藤嵐 WSL / Nilson Baptista

 

大逆転で完全に勢いに乗った加藤嵐

 

この大逆転で勢いに乗った加藤嵐は、快進撃を続け、トップで勝ち上がり続けた。セミファイナルのマンオンマン対決では、ラウンド6でトップの座を唯一渡したキリアン・ガーランドと対戦。終了間際まで追い込まれた加藤だったが、バックハンドで8.10のエクセレントをスコア。大逆転でファイナル進出を決めた。

 

ブラジルのヒズノメ・ベテーロとファイナルでは、ハイタイドを迎えてスローな展開。加藤は緩慢なセクションが多くなったハンティントンにおいて、ファットなセクションをつなぎ、インサイドのクローズセクションでビッグなりエントリーをフォアハンドで決め5.83をスコア。

 

両者とも決め手のないまま後半戦へ。僅差ながら2位を強いられる加藤。レフトハンダーのヒズノメは、リッパブルなレフトブレイクを見つけ、インサイドまでつなぎ6.67をスコア。さらに6.60をスコアしてリードを広げていく。

 

加藤もレフトブレイクで、ストレートアップのバックハンド・リエントリーでインサイドまでつなぎ5.80をスコアする。エクセレントをスコアするポテンシャルを持つ加藤だったが、ニード7.44と追い込まれた彼のまえには、スコアリング・ウェイブは届かず。最後にさらにリードを広げられた加藤は2位でフィニッシュとなった。

 

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2位ででも優勝者のようにインタビューを受けた加藤嵐

 

「ファイナルをメイクできて最高に嬉しいです。 昨年は怪我のために日本でのイベントに集中するしかなかった。」と、加藤は言った。

 

「今年、僕は全てのQSイベントにフォーカスしていて、今回は、USオープン後にリシードされるトップ100へ留まるチャンスを得て最高に嬉しいですね。今日は本当に多くのヒートでサーフィンして疲れましたが、今シーズンに向けての素晴らしいトレーニングになったと思います。

 

ブレット・シンプソンのような、この場所をホームブレイクとする選手に勝てた事は本当に自信につながりました。信じられない気持ちです。5月に日本で行われるQS6,000は自分のホームブレイクである千葉で行われます。準備万端なので、そこに向けて自分の全てを集中していくつもりです。」

 

 

 

今回、惜しくも優勝を逃した加藤嵐。2017 JPSAグランドチャンピオンを獲得したことで、改めて自分のサーフィンと向き合い、彼の本当の目標である世界へ向けて歩き出した。

 

今シーズンは、オフシーズンを自身のサーフィン改革のため、コーチングを依頼したつのだ氏の指示のもとで、寒いに日本でのトレーニングに時間を費やした。そして、毎年通うオーストラリアのイベントにも参加せず、そのトレーニングの成果を見せる舞台として、今回のカリフォルニアの試合を選んだのだ。

 

今回で感じたことは、エクセレントを叩き出すサーフィンテクニックの向上に加え、最後まで崩れないメンタルの強さ。まだ始まったばかりの加藤嵐の挑戦だが、彼が進もうとしている方向が間違いではないことを再認識できる試合となった。ニュー加藤嵐の活躍を本当に期待したい。

 

 

今回ファイナルデイまで勝ち上がった西優司。ピア寄りのレフトを使いバックハンドで4.83をスコアしてヒートを開始。セカンドウェイブではライトブレイクで際どいセクションでのフォアハンドのパワーターンを連発。7.10をスコアして2位にジャンプアップしたが最後にジョーンズに逆転されて3位敗退となった。

 

同じく小林桂は、クロスビー・コラピントとキリアン・ガーランドの二人に高得点をスコアされ、リードされる厳しい展開を強いられた。そして小林は2本の5ポイントでヒートスコア10.33とするも惜しくも3位で敗退となった。

 

世界を目指す彼らの活躍を期待し、エールを送り続けたい。頑張れ!日本!

 

 

http://www.worldsurfleague.com/events/2017/mqs/1810/jacks-surfboards-pro