WSL−WJCを終えてジャパン・ジュニア・プロジェクトから結果報告と今後の課題。

WSL ワールド・ジュニア・チャンピオンシップ2016日本代表選手

 

 本年度から年齢制限が18歳以下となったジュニアツアー。その2016年度のジュニアチャンピオンを決める大会が、今年はオーストラリアのカイアマに舞台を移し開催された。

 

 会場のボンボビーチはレフト、ライトともあるビーチブレイク。ベストスウェルは南東、風は西。季節は真夏ながら、ウエットスーツはシーガルが必要と水温は冷たい。サイズは期間を通して2.3フィート。日本人選手にとっては、やりやすいサイズでもあり、十分チャンスがあるコンディションだった。

 

 WSLの各リージョナル7地域(北米、南米、ヨーロッパ、アフリカ、オセアニア、ハワイ、日本)から男子36名、女子18名が集結。今年度から男子は48人から36人と現CTフォーマットへ変更となった。よって、男子は代表が4人と減る。女子は変更なし。人数が減ってチャンスが増えた分、内容も濃くなった。日本からは国内予選を勝ち上がった森友二、安室丈、脇田泰地、西優司。女子は川合美乃里、野中美波という精鋭メンバーが臨んだ。

 

 オリンピックが決まり、協会、業界だけでなく、選手自身もその重みを理解、大きな期待がかかった今大会。実際、選手も「やれる!」と臨んだものの、やはり世界の壁は高かった。WJC初挑戦組の安室、脇田、西、野中は僅差とはいえ敗れた。また、森も終了間際に逆転負けを喰らうという結末。

 

一人気を吐いたのが、川合美乃里。昨年の反省をバネにR-3を勝ち上がり、クォーターファイナルではマヒナ・前田(HAW)と対戦。ここではマヒナに経験の分があり、残念ながらここで敗退。日本人選手最高位の5位という成績で終了した。

 

 WJCの戦い方について。これはISAとは違う。国同士の戦いではなく、パーソナルな戦い。これをまず、選手は理解して欲しい。そして、シードの話。今回、安室と西がR-2で対戦した。これはWSLのランキングが低いため日本人対決となってしまった。

 

ジュニアでもこの大会で結果を残したいというのなら、普段のWSLのQSランキングを少しでも上げておくことが重要だ。なぜなら、ランキングが低いとR-3では、かならず上位陣と戦うことになるからだ。この大会で少しでも上位を目指すなら、そこまで考えて一年の計画を立てることが必要だ。

 

 昨年も書いた通り、日本でもメーカーのサポートが少しずつ拡充。個人的にもコーチングを取り入れた選手の増加に加え、オリンピック効果で多くのメディアでも「サーフィン」が取り上げられるようになった。そのおかげで、選手の意識が高くなったことは間違いない。ただ、今の自分に何が足りないかを現場で知ること。そして、常にその自覚を持っておくことが必要だ。

 

 コーチングもフィジカル、メンタル、スキルを上げるテクニック、そして、戦い方のタクティクスとそれぞれ区分けされるようになった。ただ、現在はまだそれが個々のレベルであること。スキルが足りないのに加え、特にメンタル、タクティクスの知識が圧倒的に足りない。各々、別個でコーチングを受けることは良しとしても、それを統括し総合的に判断することができていないのが現状でもある。

 

 

 やはり、普段の練習から見て、コーチ、選手共々、お互いの考えを理解できるだけの密接な関係を作らなければ、選手の強化はできない。だからこそ、選手育成はメーカー主導で行うことがベストだと考える。JJPはメーカーの育成システムができるまでの肩代わりとしてスタートして、今年で6年目に入った。ここで、改めてもう一度、全てを見直し、新しい提案を行っていきたいと思う。

 

 そして、最後に。今年も応援ありがとうございました!この活動にご理解、ご支援、本当にありがとうございます!これからも皆様の力が必要です。選手のバックアップ、フォローを引き続きよろしくお願いします!

 

「JAPAN JUNIOR PROJECT / ジャパンジュニアプロジェクト」

http://www.jrpro-jpn.com/

 

 

WSL International「World Junior Championship 2016」

期間: 2017.1/4-13
会場: オーストラリア(NSW)、 カイアマ、ボンボビーチ
・Mens

優勝: Ethan Ewing(AUS)
2位 : GriffinColapinto (USA)
3位 : CodyYoung (HAW)、FinnMcGill (HAW)
5位 : Mateus Herdy (BRA)、JordyMaree (ZAF)、Reef Heazlewood (AUS)、Che Allan (BRB)

・Womens

優勝: Macy Callaghan(AUS)
2位 : Mahina Maeda (HAW)
3位 : Brisa Hennessy (HAW)、Ariane Ochoa (EUK)
5位 : 川合美乃里 (JPN)、Kobie Enright (AUS)、Zoe McDougall (HAW)、Teresa Bonvalot (PRT)

※日本人成績

男子/ 13位 森友ニ、安室丈、脇田泰地、25位 西優司

女子/  5位 川合美乃里、13位 野中美波

※大会 HP

・Mens

http://www.worldsurfleague.com/events/2017/mjun/1541/world-junior-championship

・Womens

http://www.worldsurfleague.com/events/2017/wjun/1542/world-junior-championshipwomens

・大会 フォト


森 友ニ


森 友ニ


森 友ニ


安室 丈


安室 丈


安室 丈


脇田 泰地


脇田 泰地


脇田 泰地、西 優司


西 優司


西 優司


川合 美乃里


川合 美乃里


川合 美乃里


野中 美波


野中 美波


野中 美波


Team Japan


World Junior Championship 2016


World Junior Championship 2016


Men’s優勝は、Ethan Ewing(AUS) Women’s優勝は、Macy Callaghan(AUS)