トライアルから15回勝ち上がった森友二が初優勝。加藤嵐、初JPSAグランドチャンピオン獲得

トライアルから15回勝ち上がった森友二が初優勝。加藤嵐、初JPSAグランドチャンピオン獲得


茅ヶ崎の大声援に応え見事JPSA初優勝した森友二

 

10月16日(日)、千葉県長生郡一宮町釣ヶ崎海岸(志田下)で開催されたJPSAショートボード最終戦「ブルーエコシステムプロ supported by 夢コーポレーション」は大会最終日。

 

ドラマチックなファイナルデイは、メンズのラウンド8からスタート。ヒート2にはグランドチャンピオンが目前の加藤嵐が登場。ここで勝ち上がれば自力でグラチャンを獲得できる。

 

しかし、加藤嵐はプレッシャーからか自分のサーフィンが出来ず、ラストウェイブでエクセレントを出すも3位敗退。これで自力でのグラチャン獲得は消えた。

 

加藤嵐が破れ、自力グラチャン獲得は消えた 


 

加藤嵐

 

いったい何が起こったのか。海から上がって来た加藤嵐
田中英義のヒートを見つめる加藤嵐

 

逆にグラチャンへの扉が開かれたのは、田中英義と西修司。この二人は優勝することで大逆転でグランドチャンピオンを手に入れることが出来る。

 

SFレオとヒデの戦いを見守る加藤嵐

 

しかし、ヒート3で西修司が破れ、グラチャン行方は田中英義の勝敗に委ねられることとなった。

 

多くのギャラリーを集め、熱気を増したコンテスト会場

 

そして、迎えたセミファイナルの第1ヒートにおいて、絶好調のバックハンドで、2本のエクセレントをスコアして、ヒートスコア17.00をマークした稲葉玲王が、田中英義を封じ込め、加藤嵐の初のグランドチャンピオンが決定した。

 

日本一となった加藤嵐のまえには、世界を目指す新たな道が広がっている。


 

グラチャンが決まり、満面の笑顔でやってきた加藤嵐

 

 

 

トライアルから15回勝ち上がった森友二が初優勝


JPSA初優勝を決めた森友二

 

一方で、プロトライアルから勝ち続ける森友二は、疲れるどころかヒートを重ねるごとにパワーを増し、ついにはクオーターファイナルのヒート4で、優勝候補筆頭だった大原洋人に対し、僅差で競り勝った。

 

こんなところに落とし穴があった大原洋人。

 

恐らく、ここが今大会のターニングポイントであっただろう。勢いに乗った森友二は、セミファイナルで喜納海人を下してファイナル進出。

 

 

喜納海人は得意のエアリバースを連発。

 

ファイナルでは同じ田中樹にコーチングされ、地元の大声援に応えて決勝まで勝ち上がった稲葉玲王と対戦。

 

 

この絶好調のバックハンドがファイナルでは不発となった稲葉玲王

 

 

「サーフィンを始めた時からのヒーローだったヒデヨシ君のためにも優勝したいです。」と気合いのサーフィンを見せた稲葉玲王だったが、完全にリズムを掴んだ森友二を止めることは出来なかった。

 


 

優勝した黒川日菜子

 

女子のファイナルは、オーストラリアで修行を積んだ黒川日菜子が、圧倒的なサーフィンでファイナル進出。今シーズン3度目のファイナル進出を果たした西元エミリを抑えて、初のJPSA優勝を手に入れた。

 

 

日本の新しい時代を感じさせる最終戦となった。森友二

 

 

今シーズン、ジュニアの川合美乃里がグラチャンを獲得したことをはじめ、完全に世代交代を感じさせる女子。男子も、今回の森友二をはじめ、ジュニアの選手が大活躍。日本もようやく新しいパワーによる時代の始まりを感じさせる最終戦となった。

 

 

 

取材、撮影:山本貞彦

 

 


大会最終日は風はサイドオフ。波のサイズはハラムネと少しサイズダウン。形はきれいだが、厚めでつながり気味。スウェルは少しヨレてるか。


仙台で行われる予定だった今大会。台風10号による災害で開催が出来なくなり、急遽、千葉の御厚意によりここ釣ヶ先海岸(志田下)で開催。次回は復興を願い仙台で開催を約束した。

 

森友ニ
今大会はプロトライアルからの参戦。公認プロ資格を得て、トライアル、本戦と15回を戦い栄冠を手に入れた。今年のバリの小林桂と同じく、プロ初参戦、初優勝という快挙。おめでとう!

16歳。
海外組である格上の大原洋人、喜納海人、稲葉玲王をことごとく撃破。コケない。バランス感覚は飛び抜けている。試合を重ねるごとに、上手くなっていった。今、自分ができることを全て出し切った結果である。


来年は海外を目指すことを公言。JPSAには日本にいる時のスポット参戦を表明した。


黒川日菜子
JPSA2戦目にして、初優勝。今回、女子では一番、技のバリエーションがあった。それは波を見極める目があるからこそ。そして、今まで波次第だった演技が、自分でコントロール。それがスピードを生み、流れるような演技ができるようになったのが勝因。おめでとう!

田中樹コーチの元、快進撃を続けた森友ニ。
そして、決勝は同じくコーチングを受けている稲葉玲王との同門対決となった。

砂川治久氏の声かけで同日夕方から「40miles STATION」にて、加藤嵐、森大騎の祝勝会を開催。司会は大騎の弟、千晃くん。今年のグランドチャンピオン獲得のお祝いに、プロサーファー含め多くの関係者が集った。

茅ヶ崎応援団
旗振りを大澤伸幸、大橋海人が名乗り出て、友ニを応援。会場は茅ヶ崎vs千葉東の応援合戦になった

田中英義
加藤嵐が敗退し、グラチャンを取るためには優勝のみ。自分を信じ、R-8、QFとフルスロットルで勝ち上がるも、SFで稲葉玲王に敗れた。

加藤嵐
R-8を敗退。自力での勝利の目がなくなるも田中英義がSFで敗退し、グラチャンが確定。本人としては、納得できないところもあるのも仕方ない。


でも、一年間を戦った結果として、この栄冠を手に入れたわけだからね。グランドチャンピオン!おめでとう!


「今日は緊張しました。負けたあとは(時間が経つのが)長かったー。玲王のおかげです。やはり、自分で勝てなかったことは正直悔しいです。これを糧にもっと成長して、世界に挑戦していきます。」と、コメントした。


 

 

QF H-4 森友ニ vs 大原洋人
試合も終盤、プライオリティーは友ニ。しかし、大原と交錯したかに見えた後、プライオリティーが洋人へ。友ニは海の中で「妨害」のアピールするも、そのまま試合は進行した。


インターフェアのコールがなかったこと。それは「妨害」という行為が見受けられなかったということ。それがジャッジの判断。


審判が存在する競技は、必ずその行為が確認できることが前提にある。だから、ジャッジから見えないところで行われたことに関しては、判断できないということ。


競技にはルールがあるが、これは暗黙のルールでもある。海外ではリーシュを引っ張るとかは日常茶飯事。ジャッジから見えないところで行われる行為があることも知っておくべきだ。



 

惜しくも優勝を逃したものの、今季3度目の2位西元エミリ。来年は優勝だ
今回プロトライアルから3位となった都築有夢路。来シーズンが楽しみ。
野呂玲花はセミファイナルでベストスコアを持つも敗退し3位でフィニッシュ。
SFでレオと最高のデッドヒートを演じた大橋海人
最後までグラチャン争い戦った田中英義と加藤嵐


 

JPSAショートボード第8戦「ブルーエコシステムプロ supported by 夢コーポレーション」

男子
優勝:森友ニ
2位:稲葉玲王
3位:田中英義、喜納海人

女子
優勝:黒川日菜子
2位:西元エミリ
3位:都筑有夢路、野呂玲花

敢闘賞
男子:大橋海人
女子:高橋みなと

2016年度
ROOKIE OF THE YEAR
男子:脇田泰地
女子:鈴木姫七

GRAND CHAMPION
男子:加藤嵐
女子:川合美乃里

 

写真、取材:山本貞彦

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JPSAグラチャン争いの行方。大野修聖が暫定トップ。加藤嵐が20p差で2位。

 

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