「日本サーチの旅」トム・カレンの新プロジェクトは日本のサーフィンに変化をもたらすか?

「日本サーチの旅」トム・カレンの新プロジェクトは日本のサーフィンに変化をもたらすか? 


 

文&写真 李リョウ

 

世代を超えて、いまもなお多くのサーファーから尊敬を集めている元世界チャンプのトム・カレン。彼の来日が話題になっている。

 

プロミュージシャンとしても有名な彼のことだから夏に合わせてツアーでも行っているかな、と思ったら、もう一つ別の大きな目的があった。それは新作映画製作のための素材集めとして日本のサーファーを中心にインタビューを行うことだ。

 

「僕は日本と昔からふしぎな縁があるんだ。だから今回の映画の製作に参加して活動を行っているうちに、じゃあ日本のサーフカルチャーを取材してみたらどうかと思ったのさ」とトム・カレンは答えてくれた。


トム・カレンが新作映画製作のため
日本人サーファーへインタビュー

 

その映画とは東京の蒲田にあるザ・サーフのオーナー紀藤雅彦が中心になって製作中の「Tom & I」(仮題)だ。トムがアマチュアのころからサポートしてきた紀藤氏はトムの膨大な映像を所有している。そのフッテージを一つにまとめ映画にしようとプロジェクトが立ち上がった。それに参加したトムの提案でいまの日本にフォーカスしてみようということになったのだという。


ファンのリクエストに応えて一曲披露したトム©RiRyo

 

 

それについてフォトグの神尾光輝は語る。「紀藤さんはまだアマチュアで無名だったころのトムを見てすぐにその才能に気づいたんです。まだ8mmフィルムの時代に紀藤さんはトムを撮影し、トムはそれを見てサーフィンを改善したそうです。当時はまだ誰もそんなことをしていなかった」

 

神尾は今回トムのインタビューの撮影を担当しトムに同行している。「そういう貴重な記録を世の中に出すことは大きな意義があります。ただトムは過去の映像だけで映画を作るのではなく今の日本サーフシーンもその中に組み込みたいという気持ちが強いんです。それで来日が決まりました」

 


「国際的な試合ではあまり活躍していない日本のサーファーの問題点も追求してみたい。」

 


今回は逗子のサーファーズでライブを行った。©RiRyo

 

 

そのことについてトム・カレンは「日本のサーフィン全体を取材してみたかったんだ。伝統的なサーフカルチャーがあるのに、国際的な試合ではあまり活躍していない日本のサーファーの問題点も追求してみたい。

 

 

日本のサーフィンの全体像を世界に紹介したい

 

 

でもコンペだけでなく日本のサーフィンの全体像ももっと世界に紹介したいという狙いもあるんだよ。 遠い国のイメージがあるけど、波も良いしバリやオーストラリアは日本からだと近いんだよね。日本の人々はいつも心から僕の来日を歓迎してくれる。そんなすばらしい国民性も紹介したいんだよ」

 

今回はまさにトム・カレンのサーチジャパンだ。©RiRyo

 

紀藤氏のプライベート映像を映画にというプロジェクトから、トムの提案で日本のサーフィンを世界に発信という新たな方向性に進みだしたこの映画。 カレンズの映像なども登場しトム・キャロルやケリー・スレーターのインタビューも取材の計画に入っているという。

 

リリースされれば世界のサーフィン界に大きな波紋を起こし、日本のサーフィンにとっても一つのターニングポイントになるかもしれない。


 

リップカールチーム新井洋人のムラサキ湘南オープン優勝の祝賀パーティーにも出席し、トムが自らシャンパンを抜いて彼の優勝を祝った。©RiRyo 祝賀パーティーの合間をぬって新井洋人や他のサーファーのインタビューを行うトム。すでに10人以上の若手サーファーからレジェンドまでさまざまな世代のインタビューを精力的に行った。その内容は子供のころの生活環境からサーフィンのトレーニング、オリンピックまでさまざまだった。©RiRyo フォトグ神尾光輝のレンズを前にしてインタビューの総評を行うトム。©RiRyo 親日家であるトム_・カレン。現役時代から東洋的な思想に興味を持っていて日本はそれを知るきっかけとなったという。「サーフィンでも力を入れるのではなく、リラックスすることが大切だと知ったのは日本古来の武道から」とトムは説明してくれた。©RiRyo スイカ割りに挑戦してみごと叩き割った。遊びとはいえ非凡な才能が垣間見えた。今回は心から楽しんで旅を続けている。©RiRyo 日本人ミュージシャン等とのスーパーセッションで会場は大いに盛り上がりをみせた。©RiRyo