スレーターがビラボン・プロ・タヒチで完璧な勝利。ジョン・ジョンがランキングトップへ。

スレーターがビラボン・プロ・タヒチで完璧な勝利。ジョン・ジョンがランキングトップへ。 


素晴しいファイナルを演じたケリーとジョンジョン PHOTO: © WSL/ Cestari

ケリー・スレーターがビラボン・プロ・タヒチで完璧な勝利。20ポイントライドを決めたスレーターの勝利は2013年以来。フローレンスがついに総合ランキングトップに立つ


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11度の世界チャンプを誇るケリー・スレーター(USA)はタヒチで5回目の勝利を上げた。これは彼のCTキャリアで55勝目になるImage: © WSL / Poullenot

 

 

 

2016年8月23日火曜日、タヒチ、チョプー

 

2016年サムスン・ギャラクシー・ワールド・サーフリーグ(WSL)チャンピオンシップ・ツアー(CT)第7戦は世界のベストサーファーたちによって競われ、ケリー・スレーター(USA)がファイナルでジョン・ジョン・フローレンス(HAW)を退けて優勝した。本日だけで35本のバレルが選手たちよってサーフされた。


 

ケリーはビラボン・プロ・タヒチのラウンド5で二つのパーフェクト10を記録した。Image: © WSL / Cestari

 

 

ツアー通算55回目の勝利を上げたスレーターは、総合ランキングでも11位から8位へとジャンプアップ。2000、2003、2005、2011と勝ってきた彼は今回の勝利で、チョプーで最も優れたサーファーという評価を揺るがないものとした。

 

「過去を振り返ってもこの勝利はベストの一つだといえるね」とスレーター。

 

「ジョンジョンとファイナルで戦うなんて僕にとっても夢だよ。正直に言って選手生活ももう長くないし、後継者としてジョンジョンやガブリエルがいる。奴らはモンスターだよ。ジョンジョンはCT選手全員のお気に入りなんだ。だから今のうちに彼やガブリエルとこの場所で戦いたいのさ。今日は特別な日になったよ。すごく幸せだ」

 

今日のスレーターの勝利は今シーズン最高の結果となった。続くのはフィージーのセミファイナルとJ-ベイのクォーターファイナル進出。また2013にパイプマスターズで勝って以来の勝利でもある。

 

「歯車がかみ合ったような感じかな」とスレーター。

 

「波の選択も正しく全てがシンクロした。試合中まったくリラックスしていたんだ。ファイナルでも負けても構わないという気持ちだった。ヒートに勝ち上がる度に特別ボーナスをいただいているような気分だったよ。過去2年間、なんとか上手くやろうと力んで、やり方を間違えていたように思う」

 

 

CTのスーパースター二人によるファイナルは、まずはフローレンスの8.00ポイントライドからスタートした。だがすぐにスレーターが9.77というほぼ完璧なライドをした。続けてミラクルのようなフリーフォールからディープなポジションでバレルに入り9.17。

 

フローレンスは合計で15.23という高得点を稼いでいたが、スレーターに及ぶには新たに2本の高得点が必要だった。その間にもスレーターは9.90を出して、更に差を広げ19.67というほぼ完璧な内容でファイナルを制した。

 

セミファイナルのケリー Image: © WSL / Cestari

 

歴史上9回目の快挙となるパーフェクトな20

 

さらにスレーターは今日のラウンド5でキアヌ・アシン(HAW)と対戦してパーフェクトな20ポイントを達成していた。

 

これは40年を誇るプロフェッショナルサーフィンの歴史上9回目の快挙となる。スレーターにとっては3度目。

 

「最初の10ポイントライドは最も難しかったね。2本目の10は波が大きくパーフェクトでクラシックなチューブだった」とラウンド5が終わった時点でスレーターはそうコメントした。

 

「最初の波は、本当に難しかったから、2本目の得点は10がもらえるかどうかなあという感じだったよ。今週は調子良いんだ。パーフェクトなヒートは人生でそう何回もあるものじゃあないから本当にうれしいね」

 

 

 

さらにスレーターはブルーノ・サントス(BRA)とのクォーターファイナルでも10ポイントを出しバックアップ9.27という高得点で勝ち進んだ。

 

最後にアンデイと戦ったのはここチョプーだった。この受賞盾を早く家に飾りたいね

 

今回の活躍でスレーターは、ビラボン・プロ・タヒチで最も活躍した選手に贈られる「アンディ・アイアンズ・モスト・コミッテッド・パフォーマンス・アワード」も受賞。このアワードの受賞者にはCJホブグッド、オーウェン・ライト、ジョンジョン・フローレンス、リカルド・ドス・サントス、ジェレミー・フローレスがいる。

 

「うれしいね。長年がんばってきて良かった」とスレーター。

 

「アンディはとんでもない奴だった。だから光栄だ。最後にアンデイと戦ったのはここチョプーだった。彼の最後の勝利だった。僕はセミファイナルで負けたんだ。あれは僕にとって特別なヒートだったから、この受賞は本当にうれしくて興奮するよ。この受賞盾を早く家に飾りたいね」


 

2位になったフローレンスはチョプーでこれまでで最高の成績となった。23才の彼は総合ランキングトップとなりイエロージャージで次のロワーズに挑む。

 

フローレンスはラウンド5でジョエル・パーキンソン(AUS)、クォーターファイナルでジュリアン・ウィルソン(AUS)、セミファイナルでガブリエル・メディーナ(BRA)を破ってファイナルに進出した。

 

「ランキングトップでスーパー超うれしいね」とフローレンス。「と言ってもイエロージャージを着るだけでまだまだ先は長いからね。気持ちを入れ直してコツコツやっていくよ」

 

チョプーのバレルをチャージするジョンジョン・フローレンス(HAW)Image: © WSL / Cestari

 


ガブリエル・メディーナ(BRA)はフローレンスと戦ったセミファイナルで敗退し3位となった。このヒートは、ファイナル進出とともにイエロージャージーが掛かっていたために激戦となった。

 


選手二人はヒートの最初からエクセレントな高得点を重ねて競い合った。フローレンスがわずかにリードしていた残り10分で、メディーナがモンスターバレルにチャージしてパーフェクト10を叩き出した。残り4分でフローレンスに必要なポイントは9.31。だがフローレンスは9.93そして9.73と続けざまに出して試合を決めた。

 

「マジで楽しいヒートだった」とメディーナ「ジョンを倒すのはいつも大変だからね。僕たちは良い波に乗ったよ。だが今日は彼の日だった。次のトレッスルスが楽しみだよ」

 

メディナはラウンド5でジャドソン・アンドレ(BRA)、ジョシュ・カー(AUS)をクォーターファイナルで破ってセミファイナルへと進出した。総合ランキングは3位のままで次のロワートレッスルズへと挑む。

 

 

クォーターファイナルでジョシュ・カー(AUS)を破ったガブリエル・メディーナ(BRA)Image: © WSL / Poullenot

 

 

エイドリアン・バカン(AUS)はセミファイナルでスレーターに敗れて3位となった。これは彼にとって今シーズン最高の結果となった。

 

2人は2103年に同試合のファイナルで対戦しバカンが勝利したが、今回はスレーターにリベンジされた。_ヒート早々に9.63と6.67を出したスレーターは終始試合をリードした。8.14が必要だったバカンは何度もディープなチューブを試みたが成功させることができなかった。そんななかスレーターが残り30秒でだめ押しの8.77を出して決着した。

 

総合ランキングではバカンは11位から4位とジャンプアップ。バカンはジョディ・スミス(ZAF)とコロヘ・アンディーノ(USA)をラウンド5とクォーターファイナルで破ってのセミファイナル進出となった。

 

ジュリアン・ウィルソン Image: © WSL / Cestari

 

 

ジュリアン・ウィルソン(AUS)はフローレンスにクォーターファイナルで敗れたがたった0.74差だった。ヒートの戦いは激しく序盤に高得点を稼いだフローレンスに対してウィルソンは波を慎重にセレクトして戦った。

 

そしてディープなチューブをメイクしてパーフェクト10を叩き出した。しかしフローレンスパーフェクトに近い得点を重ねて合計でウィルソンを上回った。

 

「2本良い波をメイクできなければ勝てないとは分かっていたんだ」とウィルソン。

 

「最初は待つ位置を間違えてワイプアウトしてリーフで怪我をしてしまった。でも気持ちを入れ替えて次のチャンスを待った。10ポイントはうれしかったね。数分だけリードしたけどジョンジョンにビハインドの波でやられたね」

 

2016年サムスン・ギャラクシー・WSL・チャンピオンシップツアーの次の試合はトレッスルズで行われるハーレー・プロとスウォッチ・ウイメンズプロで2016年の9月7日から18日の間に開催される。

 

ビラボン・プロ・タヒチのハイライトとインフォメーションはWorldSurfLeague.com

 

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ビラボン・プロ・タヒチ・ファイナル結果:
優勝::ケリー・スレーター(USA)19.67
第2位:ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)15.23

 

ビラボン・プロ・タヒチ・セミファイナル結果:
SF 1:ケリー・スレーター(USA)18.40 def.エイドリアン・バカン(AUS)16.10
SF 2:ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)19.66 def.ガブリエル・メディーナ(BRA)19.23

 

ビラボン・プロ・タヒチ・クオーターファイナル結果:
QF 1:エイドリアン・バカン(AUS)18.16 def.コロヘ・アンディーノ(USA)16.00
QF 2:ケリー・スレーター(USA)19.27 def.ブルーノ・サントス(BRA)17.43
QF 3:ガブリエル・メディーナ(BRA)17.90 def.ジョシュ・カー(AUS)13.40
QF 4:ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)17.34 def.ジュリアン・ウィルソン(AUS)16.60

 

ビラボン・プロ・タヒチ・ラウンド5マッチアップ:
ヒート1:エイドリアン・バカン(AUS)16.77 def.ジョディ・スミス(ZAF)12.60
ヒート2:ケリー・スレーター(USA)20.00 def.キアヌ・アシン(HAW)14.70
ヒート3:ガブリエル・メディーナ(BRA)15.43 def.ジャドソン・アンドレ(BRA)14.33
ヒート4:ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)18.30 def.ジョエル・パーキンソン(AUS)15.90

 

2016WSLジープ・リーダーボード・トップ5(ビラボン・プロ・タヒチ後):
1. ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)39,900pt
2. マット・ウィルキンソン(AUS)36,000pt
3. ガブリエル・メディーナ(BRA)35,700pt
4. エイドリアン・バカン(AUS)26,200pt
5. ジュリアン・ウィルソン(AUS)25,200pt