プロトライアルから勝ち上がった小林桂が優勝。大村奈央がバリ2連覇。 JPSA開幕戦

プロトライアルから勝ち上がった小林桂が優勝。大村、加藤がバリ2連覇。 JPSA開幕戦終了 


小林桂と大村奈央

 

バリ島、クラマス(2016年4月19日、火曜日)JPSA ショートボード第1戦「ガルーダ・インドネシア 旅工房 ムラサキプロ」は大会最終日。本日はファイナルデイに相応しく、今大会の中で最もクラマスらしいスウェルが届き、女子のセミファイナルからスタート。

 

しかし、男子のセミが始まるとともに、潮止まりでセット間隔が長くなる。インサイドには流れもあり、マッシーなコンディション。波の見極めとインサイドをどう処理するか、ここが勝敗の分かれ目。今日もマニューバー勝負となった。

 

カリフォルニア仕込みのサーフィンを見せた小林桂

 

女子のセミファイナルH1では、2本のエクセレントを出した橋本恋、ノートリムの素晴しいバックハンド・ターンを武器に西本萌エミリがファイナル進出。ファイナルとも言うべきメンツのH2は、予想通りのデッドヒートの展開となり、7ポイントをスコアした大村奈央と宮坂桃子がファイナル進出した。

 

ファイナル進出を決めた宮坂桃子

メンズのセミファイナルH1では、セットの波数が減る中、じっくりと波を待って、ヒート最大のセットを掴んだ大澤伸幸が6.50をスコア。重厚感のあるバックハンドの渡辺寛もファイナル進出。オープニング・ウェイブで多彩なマニューバーを魅せた仲村拓久未はワンライドのみでここで敗退。

好調だった田中英義だったが、SF敗退となった

H2ではバリ在住の和井田理央が、素晴しいスタートダッシュを見せてグッドスコアを2本揃え、ヒートを支配。2位をキープしていた試合巧者のベテラン、田中英義だったが、残り5分で今回のトライアルでプロ公認を得た小林桂が大逆転。小林がファイナル進出を決めた。

 


橋本恋、大村奈央、西元萌エミリ、宮坂桃子のファイナル。 


大村奈央

ファイナルは、大村奈央が1本目から、大村らしいカーヴィングターンとスナップのコンビネーションで、6.25のグッドスコアをマーク。更に4.00でバックアップして、ヒートスコア10.25でファイナル前半をリード。橋本恋もチャージを繰り返して2位で後半戦へ。バックハンドの西元萌と宮坂桃子はワンライドで波を待つ。

大村奈央

西元萌はセカンドウェイブで、バックハンドのスムースで大きなマニューバーで、ヒートスコア8.30として2位に浮上。大村奈央は後半に入り、バックアップを5.00と塗り替えてヒートスコア11.25でリードを広げて行く。2位の西元は最後まで大村を追撃するも僅かに届かず、大村奈央が昨年に続き、クラマスでの開幕戦2年連続優勝を決めた。

西元萌エミリ

 

大澤伸幸、渡辺寛、和井田理央、小林桂、バリ、カリフォルニア、日本対決


小林桂

ファイナル最初の特大セットを掴んだのは大澤伸幸。ビッグカーヴのコンビネーションで6.5をスコア。今回トライアルから勝ち上がった小林桂は、ターンでのフロー、スピードとコミットメントのあるドライブの効いたサーフィンで7.0をスコア。

誰も彼の勢いを止める事は出来なかった。小林桂

 

このクラマスを知り尽くした和井田理央は、スタートからチャージを繰り返し、ヒートをリードした。しかし、小林桂が、ファーストターンからコンビネーションのあるマニューバーを見せ、クローズセクションでのビッグなエアリバースをメイク。6.15をスコアしヒートスコアを13.15としてトップを奪い取る。

今回2位の大澤伸幸

大澤伸幸もセカンドウェイブで5.35をスコアして2位に浮上。ニード6.66で挑んだラストウェイブでは、ファーストターンからレールを使ったカービングを含む3マニューバーで6.20をスコアするも僅かに逆転ならず。勢いのある小林桂を止める事は出来なかった。

今回3位の和井田理央

 

トライアルから11回勝ち上がった小林桂が圧倒的なサーフィンでファイナルも制し、JPSA初出場で初優勝を手に入れた。

 

カリフォルニア在住に小林桂。日本人の両親と兄とともにサンクレメンテで暮らすサーファーだ。JPSAの公認プロ資格は無かったものの、既にアメリカのNSSAやWSLでも活躍しており、今年は3月にフロリダで行われたプロジュニアで初優勝。今シーズンは多くのイベントで彼の名前を見ることになりそうだ。

 

JPSA ショートボード第1戦「ガルーダ・インドネシア 旅工房 ムラサキプロ」
男子
優勝 小林桂
2位 大澤伸幸
3位 和井田理央
4位 渡辺寛

女子
優勝 大村奈央
2位 西元萌エミリ
3位 橋本恋
4位 宮坂桃子

バリ・日本親善試合
優勝 加藤嵐
2位 仲村拓久未
3位 Darmayasa blerong
4位 西修司

敢闘賞
男子 田中樹
女子 野呂玲花

仲村拓久未。
波数が無くなると踏んで、先行逃げ切りのの作戦。しかし、プライオリティルールにも阻まれ、2本目を揃えられずセミで敗退。

小林桂。
17歳。JPSA初参戦。アマチュアからの出場で11回戦って頂点に!おめでとう!この後はWSLのメンタワイ、再び戻ってWSLクラマスの大会に参戦予定。そして、アメリカに帰国ということで、JPSAに出るのはこの大会のみ。

大澤伸幸。
昨年、板のスポンサーを変更。
気持ちもフィジカルも充実と今大会に万全の準備で臨むも、あと1本が足りず準優勝。

大村奈央。
波が来ないと考え、セット以外の波でも演技。リップ、カービングとすべて波とマッチ。2本揃えて、今大会を見事2連覇。おめでとう!

橋本恋。
試合前は「口から心臓が飛び出そう」と緊張しまくりの恋だったが、ひとたびサーフすれば、伸びのある演技。フロウはあるので、攻める演技ができれば間違いなく優勝だろう。

西元萌エミリ。
今年はハワイのWSLの大会が優先ながら、JPSAをベースに廻る予定。日本でもWSLの女子の大会も多く開催されるので、今年は日本に来る機会が増えるとのこと。

鈴木姫七。
昨日、ウニを踏んで9本もトゲが刺さった。そのうち3本は深く、歩くのもままならず。今日はだいぶ良くなったものの、帰国してすぐ治療とのこと。
加藤嵐。
バリ・日本親善試合を2連覇。おめでとう!勝ち名乗りには、恥ずかしがる一面も。
やはり、リラックスしてできるのが勝因とも。次回は本戦で絶対勝つと宣言したアラシ。

スポンサー様と選手入賞者で記念撮影。

バリ・日本親善試合3位 Darmayasa blerong
ファイナル進出を果たした渡辺寛は4位でフィニッシュ
ファイナル前に集中する小林桂。
セミファイナルで破れた野呂玲花は敢闘賞。
今シーズン注目の選手のひとりである児玉椋
敢闘賞の田中樹


 

取材、撮影:山本貞彦

 

関連記事:

注目ルーキー達の下克上は続く。JPSA第1戦ガルーダ・インドネシア 旅工房 ムラサキプロ

新たに6名がプロ公認獲得。JPSA第1戦「ガルーダ・インドネシア 旅工房 ムラサキプロ」

JPSAロング第1戦「ガルーダ・インドネシア 旅工房 ムラサキプロ」秋本祥平、田岡なつみ優勝

JPSAロング第1戦「ガルーダ・インドネシア 旅工房 ムラサキプロ」男子8強、女子4強が決定

JPSA開幕戦「ガルーダ・インドネシア 旅工房 ムラサキプロ」ロングボード5名がプロ公認

JPSA2016 開幕戦「ガルーダ・インドネシア 旅工房 ムラサキプロ」4/13からスタート。

 

今回もサーフメディアでは、現地から速報で最新情報をお伝えします。

https://www.facebook.com/SURFMEDIA.JP

JPSAライブ中継はこちら。http://www.namiaru.tv/live/jpsa/

JPSAオフィシャルサイト:http://www.jpsa.com/

大会日程

ロング:2016年4月13日(水)~15日(金)

ショート:2016年4月15日(金)~19日(火)

※ロング・ショートともにプロトライアル開催