仲村拓久未がクラマスで悲願の初タイトルを獲得。大村奈央は3年振りにクラマスを制す

仲村拓久未がクラマスで悲願の初タイトルを獲得。大村奈央は3年振りにJPSAクラマスを制す。 


 

バリ島、クラマス(2015年4月20日、月曜日)バリ島で開催中のJPSA ショートボード開幕戦「ガルーダ・インドネシア 旅工房 ムラサキプロ supported by Princess Collection」は大会ファイナルデイを迎えた。

 



天気は晴れ。大会は、今日の朝一も潮が干き過ぎのため30分ウェイティングの後にスタートとなった。波は頭から頭オーバー。風は微風。面はクリーン。上げ込みに変わり、サイズはみるみるアップし、最高のステージが提供された。

 

 



コンテストは男子のセミファイナルからスタート。波数が少なかったセミファイナルの第一ヒートでは、大野修聖が7.50を持ちながら、バックアップを見つけられず敗退。第2ヒートでは、2本のエクセレントをスコアしながらも、大澤伸幸が林健太にインターフェアを侵し、その林健太も、ここで敗退となった。

 


 

女子ファイナルは、大村奈央、高橋みなと、田代凪沙、西元萌の4名。 


 

大村奈央

 

そのファイナルは、高橋みなとが7.5のグッドポイントをスコアしてスタート。波数が少ない中でアドバンテージをとる。今回絶好調でファイナル進出を決めた大村奈央も、スタートから4.25、5.75と早々にベスト2をまとめ好調にファイナルを開始する。

 

田代凪沙

 

 

田代凪沙もセットの波を掴み、クリティカルなセクションで板を返し、エクセレントの8.0をマーク。西元萌は緊張からか昨日までのサーフィンが出せず精彩を欠く。

 

 

高橋みなと

 

そしてヒート中盤に8.5のエクセレントをマークした大村奈央が第1位に。第2位の高橋みなとも追い上げるが、続けて大村がエクセレントの8.25をスコア。そして田代凪沙も7.95をスコアして2位に浮上する。西元萌は最後に彼女らしいサーフィンを見せるもそこまで。


 

大村奈央が激戦のファイナルを制し、見事優勝した。大村奈央は2011年、2012年と2年連続でクラマスで優勝。2013年は惜しくも2位で、今年3年振りにその王冠を手に入れた。

 

 

仲村拓久未が、2本の9ポイントをマークして圧勝 


仲村拓久未

 

メンズのファイナルのスターとともに仲村拓久未が、気合いの入ったリエントリーとカーヴィング・コンビネーションで9.25という、パーフェクトに近いスコアをマーク。この波数の少ない中で、仲村拓久未は優勝を大きく引き寄せる。

 

喜納海人

 

 

続けてコンパクトなバレルをメイクした仲村拓久未は、6.0をスコア。ヒート開始から素晴しいスタートダッシュを見せる。喜納海人も7.25、そして、田中海周は、得意のヴァーティカルなリエントリーをクリティカルなセクションで決め、9.60をマーク。一気に2位に浮上。1位の仲村拓久未にプレッシャーをかける。

 

田中海周

 

 

セットのバレルを狙うもインコンプリートが続いていた田中英義は、後半に入りようやくバレルをメイク。そして7.75をスコアして、じりじりとトップのポジションへと追い上げていく。ヒート前半にスコアをまとめトップを走っていた仲村拓久未は、じっくりと波を待っていた。


 

田中英義

 

 

そして、素晴しい波をゲット。カーヴィング・ターンのコンビネーションで再び、9.0をスコア。ヒートスコア18.25とし、完全にファイナルを制圧。ヒート終盤に入り、喜納海人がバレルからのカーヴィングのコンビネーションで、9.20をスコアして、2位に浮上。しかし、追い上げもそこまで、仲村拓久未がクラマスでの 悲願の初タイトルを獲得した。

 

 

 

加藤嵐が親善試合でパーフェクト10 


加藤嵐

 

メンズ・ファイナル終了後に、バリ日本親善試合のファイナルがスタート。コンディションは更に上向き、最高のステージが用意された。

 

日本から唯一ファイナル進出を決めた加藤嵐は、完全アウェイのラディティア・ロンディ、デディ・サントソ、ダラマヤサ・ベレロンといったバリのトップサーファーたちとの戦いとなった。

 

スタートから7.00。更に続けてビッグセットにビッグマニューバーを描く加藤は、エクセレントの8.50をマーク。全員が素晴しいバレルをメイクする最高のファイナルとなった。

 

加藤嵐

 

 

 

そして、加藤嵐のところへ素晴しい波が届いた。ディープなバレルをメイクする加藤、そしてカーヴィングから、オフザトップでのビッグスラッシュ。その波は何とジャッジ全員が満点をつける10ポイントのパーフェクトライドとなる。

 

それで加藤はヒートスコア18.50で下位の選手をコンビネーションに追い込む。そして、そのままタイムアップとなり、見事、勝利を掴んだ。

 

昨年の怪我からの完全復活の狼煙と上げた加藤嵐。このエクセレントなコンディションでの勝利と、パーフェクト10という快挙は、今シーズンの大きな自信に繋がり、更なるパワーを携えた加藤嵐へと導くだろう。

 


 

また、ショートボード終了後にはロングボードのプロトライアルがスタート。折笠友子(13.50)、林美佐江(13.65)が12点以上をスコアして公認プロ資格をゲット。明日からロングボードのメインラウンドがスタートとなる。

 

取材、撮影:山本貞彦

 

オフィシャルサイトではライブ中継が行われています。http://www.namiaru.tv/ust/jpsa/

サーフメディアは現地から最新情報をお伝えします。お楽しみに!https://www.facebook.com/SURFMEDIA.JP

 

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“最高に嬉しいです。いつもクラマスでは良い結果を出せてなかったので、優勝できて嬉しいです。”仲村拓久未

“日本ではないような素晴しい場所で、沢山サーフィン出来て、更に優勝できて本当に嬉しいです。海外の試合を回っているので、今年初めての試合ではなかったのですけど、JPSAは楽しみにしている試合なので、優勝したいなと思って来ました。”大村奈央

“本戦のほうでは良い結果は残せなかったんですが、良い波のファイナルで自分のサーフィンが出来て嬉しかったです。自分の出来るサーフィンを、その波毎にやっていけたらと思っています。”加藤嵐
大野修聖。
マーらしいパワフルなサーフィンを魅せてくれたが、後半は波とのサイクルが狂い、ことごとくワイプアウトに。
バックアップが見つけられずにここで敗退。

第一ヒートが波数が少なかったのに対して、第二ヒートはワイド気味のスウェル。
大澤伸幸と林健太。

ノブは奥から乗って来た林健太に気付かず、痛恨のインターフェア。
ケンタはこれで完全にリズムが狂った。

仲村拓久未。
今できる自分の演技をすべて出しきっての勝利。
拓久未らしいキレのあるサーフィン。
対戦相手のペースに乗らず、自分の土俵で戦ったのが勝因か。
有言実行!おめでとう!

喜納海人

とにかく波に乗る。
最後まできっちり丁寧に乗る。
チューブも入れれば、インサイドでもトライ。
メリハリ付けた演技。
この執念で拓久未のコンボをひっくり返し準優勝。

田中海周
当て込んでからの返しが早いのが持ち味。
前半攻めて、ベスト2を揃え奥で待つ作戦だったか。
しかし、決勝ではあと1本、ポテンシャルのある波を見つけられなかった。

田中英義
最後の最後までチューブにこだわり、果敢にプルイン。
クラマスでの勝利はこれだと言わんばかりの男気をみせた。

大村奈央。
ここクラマスでの勝つ事の方程式があるのか。
安定感ありの、上手さは際立っていた。
おめでとう!

田代凪沙
良い波に乗れば間違いなくキメルことができる。
しかし、波の選択に迷いがあるのか。
決めきれずに終わる演技も。
しかし、女子でこの板の返しができるのは素晴らしい。

高橋みなと
波に左右されない。
ボードコントロールが上手くなった。
あとは経験値を積むだけだ。

西元萌
このコンディションなら優勝もあるかと思われたが、波に乗せてもらえなかった。駆け引きはこれからの課題。

加藤嵐
チューブからリエントリーとクラマスの波を贅沢三昧に味わい尽くす。
なんとパーフェクト10。
おめでとう!
親善試合2位:ラディティア・ロンディ
親善試合3位:デディ・サントソ
親善試合4位:ダラマヤサ・ベレロン

 

 


大会結果。
男子
優勝 仲村拓久未
2位 喜納海人
3位 田中海周
4位 田中英義
女子
優勝 大村奈央
2位 田代凪沙
3位 高橋みなと
4位 西元萌
親善試合
優勝 加藤嵐
2位 RADITAYA RONDI
3位 DEDI SANTOSO
4位 DARAMAYASA BLERONG
ベストライディング賞
男子 松岡慧斗 10ポイント 10万円
女子 大村奈央 9.25ポイント  3万円