森大騎が4年振りにJPSA優勝。吉川広夏はグランチャンに華を添える。JPSAロング最終戦

森大騎が4年振りにJPSA優勝。吉川広夏はグランチャンに華を添える。JPSAロング最終戦「クリオマンション 鴨川ロングボードプロ」 


最終戦を勝利し、今シーズンを締めくくった森大騎と吉川広夏

 

 

千葉県鴨川市の東条海岸マルキポイントで開催中の、JPSAロングボード最終戦「クリオマンション 鴨川ロングボードプロ supported by KAIDO」がファイナルデイを迎えた。本日の大会最終日は、前日より更にサイズアップ。南東ウネリの反応が良くなって、後半に南よりの風が強まって来たもののコシ~ハラ・ムネサイズをキープ。本年度のJPSA最終戦のファイナルデイに相応しい素晴しいサーフィンが繰り広げられた。コンテストは、男子のラウンド4からスタート。そして女子のラウンド4、男子QF、女子SF、男子SF、そして男女のファイナルが行われクライマックスを迎えた。

 

 

4年振りの勝利を味わった森大騎

 

男子のクオーターファイナルでは、ベテラン松山欣則、秋本祥平、昨年のイベントチャンピオンであるユージン・ティール、本年度のグランドチャンピオンである畑雄二が敗退するなか、セミファイナルには、今大会好調な尾頭信弘、鈴木剛、櫻岡甲太、森大騎の4名が勝ち上がった。

 

バックハンドが好調だった鈴木剛は惜しくもセミ敗退

 

男子セミファイナルのヒート1では、尾頭信弘と鈴木剛がマンオンマン対決。左のレフトブレイクに的を絞る尾頭が、フォアハンド・リエントリーからホワイトウォーターへのアプローチも決めて、6.0をスコア。更にバックアップを3.25としヒートをリード。今大会、キレたバックハンドを見せていた鈴木剛は惜しくもここで敗退となった。

 

パワフルなマニューバーに安定したノーズライドを見せた櫻岡甲太

 

男子セミファイナルヒート2では、櫻岡甲太、森大騎という千葉太東ロコ同士の対決。森はファーストライドからハング5とリエントリーのコンビネーションで6.75をマーク。バックアップも2.5でヒートをリード。森のプライオリティミスで、優先権をとるも、そのチャンスを生かせない櫻岡甲太。森は終盤に4.25をマークしバックアップを塗り替えて、リードを広げ、そのままファイナル進出を決めた。

 

得意のハング5でスコアを重ねたチャンピオンの吉川広夏

 

女子もファイナルの頃には、朝のクリーン・コンディショが一変。急にオンショアが強まり面を乱す。マッシーなコンディションのなか、クオリティウェイブを見つけ出し、ビッグリエントリーで攻めたのは、昨日初のグランドチャンピオンを決定した吉川広夏だった。一方、今回の大会ではアグレッシヴな攻めのサーフィンを見せた林裕美子が、2011年にJPSA公認プロとなってから2度目のファイナルとなった。

 

今年2度目のファイナルを戦った林裕美子

 

しかしマンオンマンは初体験の林裕美子は緊張からか、セミファイナルまでのアグレッシヴさが見られない。逆に落ち着きのあるチャンピオンの風格さえ感じさせる吉川広夏は、巧みなステップで、ノーズとテール使いこなし、フォアハンドのハング5で4.00をスコア。リードを広げて行った。

 

ヒート後半に入りようやく自分のサーフィンを取り戻した林。長いハング5からホワイトウォーターへのアプローチもメイクして、コンビネーション・マニューバーで3.55をスコア。バックアップ3.00でヒートスコア6.55、ニード3.71まで追い上げる。しかし林裕美子の追い上げもそこまで。安定感のあるサーフィンを見せる吉川広夏が、今シーズン2度目の優勝で最終戦を締めくくり、グランドチャンピオンに華を添えた。

 

 

 

「昨年はルーキーイヤーで、ランキングも考えずに、がむしゃらにやって来たんですが、今回はこのようにグランドチャンピオン争いに関われて、プレッシャーもあるなか、こうやってグランドチャンピオンの賞が頂けて凄くうれしいです。来年も1戦1戦大切に戦って行きたいです。今回波運もあったんですが、サーフボードの力が凄く大きかったと感じています。ニューボードだったんですが、本当に調子の良いボードを作ってくれた父、家族と大切な人に感謝したいです。」とコメント。

 

 

今年、産休をしている3Xグラチャン植村未来という女王不在で掴んだ今回のグラチャン。吉川自身、大先輩の植村から多くのことを吸収して成長して来たサーファーである。勝って兜の緒を締めろ、ここで新たなスタート台に立った吉川広夏。植村の持つ3度のグラチャンと言う記録を目指し、最強のサーファーとして、突き進んで欲しいと思う。安定したノーズライドは、ツアーで一番であることは間違いない。吉川広夏は、新しい日本のロングボードのシーンを切り開いて行くサーファーの一人として注目して行きたい。

 

 

優勝した森大騎

尾頭信弘との千葉太東対決を制し、4年振りの優勝を決めた森大騎 


攻めのロングボードを最後まで貫いた森大騎

 

男子のファイナルは、尾頭信弘と森大騎の千葉太東対決。試合は開始から森大騎がフォアハンドでビッグリエントリーをメイクする。ウェイブセレクトに慎重になる二人は、じっくりと波を待つ。ハイタイドで緩慢なセクションも多いなか、森がバックハンドで長いハングファイブから、インサイドでのリエントリーをメイクして5.00をスコア。

 

尾頭信弘もレフトの波を掴み、クリティカルなハングファイブを決めるもインサイドでワイプアウト。森が再びサイズのあるレフトの波をキャッチ。早いセクションでのハングファイブ、深いボトムターンからのビッグリエントリーを決めて、6.50をスコア。ヒートスコア11.50としてファイナルを完全にリード。

 

ショートボードのように板を操った尾頭信弘

 

 

そして、ヒート後半に入り、尾頭がミドルセクションから切れた波を掴み、4.65をスコアしてその差を縮め、追い上げを開始するが、そこでタイムアップ。2008年にプロ公認を得て、翌年の2009年にはロング最年少でのグランドチャンピオンを獲得。しかし2010年のマーボーロイヤル以来、4年間優勝という二文字から遠ざかっていた森大騎が勝利を手にした。

 

 

「4年振りに優勝できて嬉しいです。今回のファイナルは、自分のサーフボードを削ってくれているシェイパーとの対決となったんですが、良いコミニュケーションを持てて、良いサーフボードを削ってもらって本当に感謝しています。来年もJPSAサーキットを回って、1戦1戦勝って、チャンピオン目指してがんばりたいです。応援宜しくお願いします。」とコメントした。

 

 

これでショートロング共に今シーズンのJPSAが終了した。今シーズンは様々なことがあり、非常に想い出深いシーズンとなった。来年度も更なる素晴しいツアーが開催出来ることを願いたい。

 

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男子優勝:森大騎、2位:尾頭信弘、3位:鈴木剛、櫻岡甲太
女子優勝:吉川広夏、第2位:林裕美子、第3位:鈴木由貴、小栗瑞枝
2014グランドチャンピオンの畑雄二と吉川広夏
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今回はクオーターで破れた畑雄二
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ショーロクの6年連続グラチャンの記録を目指し、来季タイトル防衛に挑む畑雄二
これから新しい戦いが始まる吉川広夏。
クオーターで破れたベテラン松山欣則

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