Gordinho’s eyes 〜ハワイ・ノースショア2013/14 今シーズン初のベスト・セッション

Gordinho’s eyes 〜ハワイ・ノースショア13/14
今シーズン初のベスト・セッション 


 

マスターズ開催直前。メディア全盛期が戻ってきた様なサーフセッションが繰り広げられた。

 

ご存知の通り、インターネットの普及により、雑誌の数が減った今、写真で生計を立てられるカメラマンが激減した。このハワイのノースショアでも、浜からカメラマンが一人減り、二人減り、気がつくと波が良くても、乗り手がよくても、誰も撮っている人がいない日が多々あるほど。俺もその一人。撮っても売り場がないから、カメラは何日も仕舞われたままだった。が、12月5日のその日。撮影の目的がなくても癖のように行なうインターネットでのスポットチェックをしてみると、久しぶりに俺の好きなスポットで巻いてる波が出現している!慌ててカメラを持ち出し、数十分後。ネットの画面に映る場所に自分の身を置いた。

 

天気は快晴。風もほぼ無風。予想以上に豪華なメンバーがすでにパフォームしていた。メディーナ、パーコ、ジョシュ・カー、キーロン、デレック(ホー)(クリス)ワード、大野マー、ケコア、ファビオ、ジェイミー。遅れてケリーにミック。波数十分な為、全員にきちんと波が廻っている。

 

ほぼ休む暇なく夢中で撮影。気がつくと横には多くのカメラマンが並んでいる。ビールマンにピートなどの昔馴染みのカメラマンたちも居るではないか!『マスターズ直前の良い波』は、《金絡みの枠》を超えたくなるには十分な理由だった様。読者の君も是非、サーフィンメディア全盛期が戻ってきた様な賑やかなサーフセッションの目撃者になってくれ!!

 

ALL photo & text by Gordinho

 

 

【ケリー・スレーター
『おい、ギネスブックものだぜ!』ケリーが浜に現れたと同時に、横で三脚を立てていた同業者のピートがこう呟いた。それだけケリーがカメラの前でフリーサーフィンをするのは珍しいことだということ。もちろん彼の出現は俺たちメディアにとっては嬉しい事だったが、ただですら波とりに苦労していた沖のサーファーたちにとっては迷惑な話だったはず。

 

 

【ジェイミー・オブライエン
とうとうパイプマスターズの出場権をも逃してしまったよな。まだまだ技量では劣ってないのに。もう一度本気だしてマスターズ目指してみてもいいんじゃないかな、ふざけたサーフィンばかりしてないで。

 

 

【デレック・ホー
大抵のプロでも歳を重ねるごとにチャージするポイントを楽なところへと変えていくのに、いまだにこんなクリティカルなポイントでチャージしているなんてクレイジーとしかいいようがない。周囲のリスペクトを受けてるからだろう。パドルをした波全部を乗っていた。

 

 

【ガブリエル・メディーナ
波のコンディションが今ひとつだったからか、マスターズが近づいていたからか、チャージするサーファーが少なかったこのセッションだが、メディーナはお構いなしだった。飛んだり跳ねたりの確実にナンバーワンのサーフィンを見せていた。

 

 

【大野マー
初めて会ったのは確か15年前。あれから年々態度もサーフィンも国際感覚を身につけている。というか、このところ彼が日本出身のサーファーだということを思いだすのに時間がかかる様になっている。今回も堂々とサーフィンしてたな。

 

 

【高貫 佑麻
ローカルのサーファーに前乗りを何度もされながらも、おかまいなしで次のに向かってた。ここでのセッションは技術以上に身構えが大切。良い気質を持ったサーファーだ。

 

 

【ミック・ファニング
お昼近く、オンショアになり有名どころが海から上がり『飯の時間だ!』と帰ろうとしていたところに現れ、半分嫌々ファインダーを覗いたが、その切れのいいサーフィンについつい夢中で撮影。気がつくと空腹忘れて一時間は軽くたっていた。

 

 

【クリスチャン・フレッチャー
コンスタントに波をとるし、切れはあるし。。。ふむ。。。どこかで見たことがあるぞと頭の中を検索する事10分。。。記憶から消えかけていた名前が蘇ってきた。『フレッチャーだ!!!!』

 

Paul Cohen/A.K.A.Gordinho

1949年産まれ。サンディエゴ出身。70年代にハワイの大自然の魅力に取り憑かれハワイへ移住。ノースのビジュアルに魅せられ写真を始めて以来30年間 ノースチャージャーを押さえ続けるベテランカメラマン。