ASP-WJC「HDワールド・ジュニア」大原洋人がWJCで日本人初のクオーターファイナル進出。

ASP-WJC「HDワールド・ジュニア」大原洋人がWJCで日本人初のクオーターファイナル進出。 


インタビューに答える大原洋人

 

ジョアキナ・ビーチ、フロリアノポリス/BRA(2013年11月1日金曜日)ワールドベスト・アンダー21によるASP-WJC「HDワールド・ジュニア・チャンピオンシップ 」大会4日目は、3~5フィートのコンディションで、メンズのラウンド3とラウンド4が終了。クオーターファイナル進出のベスト8が決定。日本の大原洋人がワールドジュニアで日本人初のクオーターファイナル進出を果たした。

 

 

ラウンド3では、渡辺寛との日本人対決となった大原洋人。流れの入ったラインナップに、ポジションをキープするのが厳しいコンディションだ。ヒート前半は、クローズセクションでのワイプアウトが目立ちスコアを伸ばせない大原洋人だったが、ヒート後半に入り、肩の切れたグッドライトを見つけ、深いボトムターンからストレートアップ。さらにフルレールのカットバックで5.07 をスコア。さらに残り時間5分、ホローレフトのクリティカルセクションへマッシブターンをお見舞いする大原洋人。高速のカーヴィングターンを組み合わせて7.57をスコア。リードを広げてラウンド4へと勝ち上がった。

 

 

今回ハーレーの糟谷修自が大原洋人のコーチとして参加した

 

 

ラウンド4の最終ヒートに登場した大原洋人はトップ・ブラジリアンのジェシー・メンデス(BRA)と対戦した。先制攻撃を仕掛けたのは大原洋人。ピーキーなライトブレイクを掴んで、ボトムターンで溜め込んだパワーを一気にトップで解き放ち、パワフルなマニューバーを披露7.67をスコアしヒート開始早々にヒートスコアを11.67とする。素晴しいスタートを見せた大原は、後半には5.93をスコアし更にリードを広げていった。

 

ヒート前半はリズムを掴めなかったメンデスも徐々にスコアを重ね、フォアハンドのチャージで7.27をスコア。後半に入り激しく追い上げるメンデスだったが、完全にリズムを掴んだ大原洋人が逃げ切りラウンドアップ。ついに日本人として、ASP-WJC史上初のクオーターファイナル進出を決めた。

 

大原洋人は、クオーターファイナルのヒート4で、優勝候補の一人であったカルロス・ムニョス(CRI)を下したダークホースの、ベヒアトゥア・プリュニエ(PYF)と対戦。相手にとって不足無し。クオーターファイナルを勝って、更なる頂を目指せ! GO!HIROTO!

 

大原洋人。ボードコントロール含め板に乗れてる。相手を焦らす作戦も良し。日本人選手初のQFに進出!
ASPワールド・ジュニア・チャンピオンシップ史上最強の日本人として、クオーターファイナル進出を決めた大原洋人。「本当にハッピーです」と、大原が言った。「凄く良い波がたくさんあったんですが、メンデスとのヒートが、そう簡単なものではないのは分かっていました。クオーターファイナルへ勝ち上がれて本当に嬉しいです。でも、この調子でセミファイナル、ファイナルと勝ち上がって行きたいです。」

 

 

 

加藤嵐と渡辺寛はラウンド3敗退で17位。 


加藤嵐

 

加藤嵐はヒート14でハワイのジョシュア・モニーツと対戦。ヒートはスタートから2本のレフトを掴んでハイスコアをマークしたモニーツが11.84のヒートスコアでリード。逆に加藤嵐は前半、全くリズムが掴めない。残り時間10分を切り、ライトブレイクで4.73をスコアする加藤。エンジンがかかった加藤は、続けてクリティカルセクションへのハードなリエントリーで4.57をスコア。追い上げを開始する。ラストウェイブでも5.43をスコア。追い上げる加藤だったが僅かに足らず、  惜しくもここで敗退となった。

 

加藤嵐。攻めきれずに不完全燃焼。勝てただけに悔しい結果か。

 

 

ヒート16で渡辺寛は大原洋人と日本人同士で対決。ビッグセットを掴んだ渡辺寛。レフトの掘れたセクションで思い切りテールを蹴り出し、大きなスプレーを上げて4.50をスコア。続けてフォアハンドのカーヴィングのコンビネーションでバックアップを3.87として、ヒートをリードする。しかし前半スコアを見つけられなかった大原洋人が後半スコアを揃えて逆転。渡辺寛は惜しくもここで敗退となった。

 

 

渡辺寛。攻める姿勢は評価できるが、残念なのはワイプアウトが多過ぎたことか。
渡辺寛

 

 

 

 

稲葉玲王と仲村拓久未はラウンド4敗退で9位。 


稲葉玲王。当たってくだけろ!で試合に臨んだものの、それでも慎重になりすぎたか。次回は先手必勝で思いっきりやることだな。


稲葉玲王は、ラウンド4のヒート1で優勝候補の一人であるマット・バンティングと対戦。ヒートはスローな展開でも、しっかりとエアマニューバーを見せて5.00をスコアするバンティング。マッシーでフェイスの潰されたトリッキーなコンディションを味方に付けた。

一方で、稲葉玲王は得意のカーヴィングからのエアリバースを試みるもインコンプリート。バンティングは、ヒート終盤にバックハンドでビッグリエントリーを決めて7.17をスコア。更にバックハンドハックで8.00のエクセレントをスコア。更にフォアハンドのフルローテーションも決めるバンティング。完全に封じ込まれた稲葉玲王はコンビネーションで敗退となった。

 

 

仲村拓久未。勝てた試合だっただけに残念だった。ミスの内容もわかっているなら、次につなげましょ。

 

 

仲村拓久未は、ラウンド4のヒート4でラムジィ・ボウカムと対戦。ヒート前半に4.83、5.07をスコアして、ヒートをリードした仲村だったが、ヒート中盤にボウカムがバックハンドでチャージを見せて5.93をスコア。逆転される。フルローテーションをはじめ、ハイスコアが欲しい仲村は、ハイリスクの技にハードにチャージするがインコンプリートが続く。

残り時間6分。早いレフトを掴んだ仲村は、ハードなビッグリエントリーを2発。しかし逆転に必要なスコアは5.14に対し、彼のスコアは5.13と0.01届かず。今度は逆にプライオリティを失った仲村は、ラムジィに追いかけられるパドルバトルの展開。完全に追い込まれた仲村拓久未は、惜しくもここで敗退となった。

 

試合後のヒーローインタビューでラムジィ・ボウカム(MAR)は、「ここ数年、タクミのサーフィンを見ていて、彼のサーフィンが凄くステップアップしていると感じていました。今回のイベントでも素晴しいサーフィンをしていましたね。あの最後の波も彼が掴むのを見ていました。彼には5.14が必要で、本当にクロスヒートでしたね」と、ヒートを振り返った。

 

 

 

ガブリエル・メディーナ。まさかの敗退かと思われたタイムアップ寸前にフルローテーション
さらにもう一発。これでどうだのアピール
海から上がって安堵の表情。「ヤバかったー。」
初のカメラマンを体験した大原洋人。撮った素材はカルロス・ムニョス。「どうですか?上手く撮れてないですかー?」

 

 

コンテストは、メンバーも絞られていよいよ大詰め。今日はオープニングヒートからWCTサーファーのガブリエル・メディナ(BRA)が、ジェイク・シルヴェスター(AUS)に追い込まれ、絶体絶命のピンチに陥った。しかしヒート終了間際に巨大なバックサイド・フル・ローテーションを決めて9.57をスコアして大逆転。ASPワールド・ジュニア・タイトルへのチャンスを保った。そして、メディーナはラウンド4で、カリフォルニアのカノア五十嵐(USA)と対戦。カノアとのエアリアル合戦に打ち勝ち、クオーターへ勝ち上がった。

 

 

世界を目指しチャレンジを続ける彼等にエールを送り続けたい。頑張れ!日本。

 

イベント主催者は、ローカル・タイムで午前7時30分にファーストコール。午前8時のスタートを目指す。日本時間(18:30の19:00)ファイナルデイとなる見込みだ。

 

ASP-WJC「HDワールド・ジュニア・チャンピオンシップ presented by Devassa.」は、ウイメンズが10月27日から11月3日までウエイティング・ピリオドを保持。メンズのウエイティング・ピリオドは10月29日から11月5日までとなる。

 

HDワールド・ジュニア・チャンピオンシップのコンテストの模様はhttp://www.hd-wjc.com/でライブ中継される。

 

 

撮影、キャプション:山本貞彦

 

 

HDワールド・ジュニア・チャンピオンシップのラウンド3結果
ヒート9:ガブリエル・メディーナ(BRA)17.40 def.ジェイク・シルヴェスター(AUS)17.34
ヒート10:カノア五十嵐(USA)10.16 def.イアン・クレーン(USA)9.77
ヒート11:スレード・プレストウィッチ(ZAF)14.67 def.キアヌ・アシン(HAW)10.70
ヒート12:カム・リチャーズ(USA)14.33 def.ディラン・ライトフット(ZAF)11.56
ヒート13:ベヒアトゥア・プリュニエ(PYF)11.33 def.カルロス・ムニョス(CRI)9.93
ヒート14:ジョシュア・モニーツ(BRA)11.84 def.加藤嵐(JPN)10.16
ヒート15:ジェシー・メンデス(BRA)15.56 def.ノミ・ミニョ(FRA)11.66
ヒート16:大原洋人(JPN)12.64 def. 渡辺寛(JPN)10.93

 

HDワールド・ジュニア・チャンピオンシップ:ラウンド4結果
ヒート1:マット・バンティング(AUS)15.93 def.稲葉玲王(JPN)5.86
ヒート2:マイケル・ロドリゲス(BRA)13.20 def.ジュニーロ・ウシア(PER)7.13
ヒート3:オニー・アンワー(IDN)11.90 def.バスコ・リベイロ(PRT)11.40
ヒート4:ラムジィ・ボウカム(MAR)10.26 def. 仲村拓久未(JPN)10.20
ヒート5:ガブリエル・メディーナ(BRA)16.00 def.カノア五十嵐(USA)12.20
ヒート6:スレード・プレストウィッチ(ZAF)14.77 def.カム・リチャーズ(USA)8.03
ヒート7:ベヒアトゥア・プリュニエ(PYF)11.67 def.ジョシュア・モニーツ(HAW)7.90
ヒート8:大原洋人(JPN)13.60 def.。ジェシー・メンデス(BRA)12.77

 

HDワールド・ジュニア・チャンピオンシップ・クオーターファイナル・マッチアップ:
QF 1:マット・バンティング(AUS)対 マイケル・ロドリゲス(BRA)
QF 2:オニー・アンワー(IDN)対 ラムジィ・ボウカム(MAR)
QF 3:ガブリエル・メディーナ(BRA)対 スレード・プレストウィッチ(ZAF)
QF 4:ベヒアトゥア・プリュニエ(PYF)対 大原洋人(JPN)

 

ウイメンズHDワールド・ジュニア・チャンピオンシップ・クオーターファイナル・マッチアップ:
QF 1:タティアナ・ウエストン-ウェッブ(HAW)対 フランキー・ハラー(USA)
QF 2:チェルシー・トゥアク(BRB)対 ビアンカ・ブュイティンダッグ(ZAF)
QF 3:マヒナ・マエダ(HAW)対 エラ・ウィリアムス(NZL)
QF 4:ステファニー・シングル(AUS)対 ジョアン・デフェイ(FRA)