ガブリエル・メディーナ インタビュー

ガブリエル・メディーナ Gabriel Medina インタビュー

彗星のごとくサーフシーンに現れ、一気にワールドツアーのポジションを手にい入れたブラジルの新鋭、ガブリエル・メディーナ 2011シーズン途中からWCTに、クォリファイされるやいなやフランスとサンフランシスコで優勝するなど、世界中から注目される存在となった。そんな衝撃のルーキーイヤーから2年目に突入したメディーナに、今のWCTサーフィンについて聞いてみた。

 

photos by snowy / interview by peter‘Joli’wilson

 

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ルーキーイヤーだった昨年と今シーズン、なにか違うアプローチでツアーに臨んでるの?

 

GM:うん、ちょっと違うやり方をしてたね。スタート当初はすごくいい感じで自身が持てたし、オフの準備に満足してた。でも、ゴールドコーストで足首痛めちゃって、ちょっといろいろ変えなくちゃならなくなってる。次のベルズから試合には出たんだけど、100%足首が治ったわけじゃないんだ。自分なりには大丈夫かな、って思ってたけど、自分が思うようなスコアが出なくて、これは完璧に直さなくちゃ、って思ったんだ。

 

ブラジルでは3位になってうれしかったけど、昨年フィジーでファイナルまで行ったのに、今年は25位。バリもうまくやれると思ったけど結局13位だった。だから今はちょっと目標の設定を変えなくちゃならなくなってるね。とにかくファイナルをメイクして、うまくすれば優勝ってところに持っていくことがシーズン後半の目標だな。今年はもうワールドタイトル争いには絡めないと思うしね。

 

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それで、いま足首の具合はどうなの? 完治したの? それともまだちょっと違和感ある?

 

GM:よくはなってきてるけど、まだちょっと違和感はあるね。例えばブラジルの試合の1週間前にはひどく痛んだりしたし。で、本番で最初の2ヒートはすごく痛かったけど、そのあとサーフィンし続けてると、だんだん気にならなくなってきたりしてね。まだ完治はしてないけど、ヒート中にそんなに問題になるような痛みじゃないよ。

ブラジルのドクターは治療にとても時間のかかるケガだって言ってる。僕がもう試合に出てるのが信じられないって。だから結果オーライで(笑)。まぁ、エアーもターンもできるから、よくなってはきてるよ。

 

 

 

難度の高い新しい動きにもトライするけど、ヒートの時は少し落ち着いて、ジャッジのスコアの傾向とか、相手とのポイント差とか考えながらやってる。

 

 

君は新しいタイプのコンペティターの4人(ジョン・フローレンス、ナット・ヤング、コロヘ・アンディーノ)の中に入ってると思うけど、ヒートでエアーやラジカルな新マニューバーを仕掛けるのってプレッシャーを感じる? そういうマニューバーってやっぱり怪我のリスクを伴うと思う?

 

GM:わからない。だって僕の怪我はエアーでやったんじゃないから。バックハンドのちょっとしたトップターンでやっちゃったんだ。ジョンジョンはビッグエアーリバースをやって、波の前のフラットなところに着地して足首やっちゃったけど。ミゲール(プポ)もそうだよ。思うに、ヒートの時にはそんなに攻めなくてもいいんじゃないかと思う。それがなんであれ、普通のサーフィンすれば(笑)。

 

実際じゃあ何が普通のサーフィンなのかというのも、今ではちょっと分からなくなってきてるけどね。ちょっと押さえぎみに、って自分に言い聞かせてるよ。フリーサーフの時はビッグに行くし、難度の高い新しい動きにもトライするけど、ヒートの時は少し落ち着いて、ジャッジのスコアの傾向とか、相手とのポイント差とか考えながらやってる。時にはエアーにハイポイントがつくし、時にはバレルのほうにハイポイントが付くから、その時々、考えないと。でも、自分でもっとチャージしようと思ったら、そりゃ怪我のリスクは高まると思うよ。

 

 

エアリバースやっただけなのに、なんでそんなに点出すんだって。結局は全体的にリスクの高い波で、リスクの高いライディングをするってほうに向かってると思うよ。

 

若手サーファーたちは今、ヒートでスコアメイクするのにサーフィンを変えてる感じ?

 

GM:そうだね。と同時に、特にそんなでもない、でもあるかな。僕たちはエアーをやる。ま、みんなの言うクレイジーマニューバーね。例えばジョンジョンやフリーペや僕みたいなの。それと同時にベテランたちはジャッジに何であれに点を出すんだ、なんであれよりこれのほうかいいんだ? って問いただしに行ってプレッシャーをかける。エアリバースやっただけなのに、なんでそんなに点出すんだ、って。たぶん僕たちよりベテラン勢のほうがたくさんジャッジのところに聞きに行ってると思う。

 

それでも今ツアーは変わってきてる。以前は技数やチューブで競われたりしてて、それらの大半は簡単でリスクの少ないものだった。そこへ僕たち若手が入って、ものすごくリスクの高いことをやり始めたんだ。なんだかんだ言って今、結局は全体的にリスクの高い波で、リスクの高いライディングをするってほうに向かってると思うよ。

 

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ジョエル・パーキンソンがちょっと前のインタビューで、バレルを抜けられないとワールドタイトルは取れないって言ってたけど、それには同意する?

 

 

GM:もちろん。世界のベストサーファーになって、ワールドタイトルを取りたいと思うなら、全部できなくちゃダメだ。エアーもターンもバレルも、完璧なサーファーじゃなくちゃダメなんだ。ナットやジョンジョンや僕はビッグエアーもやるけど、バレルだってメイクする。みんな僕らはエアーとトリックだけ、って思ってるかもしれないけど、そうじゃないんだよ。そこをジャッジも認めてほしいと思うけど。

 

 

そうだね。君がツアーに入ってきたときには、エアーやラディカルなリップなんかのほうがメインと思われたけど、バレルだってかなりやるもんね。

 

 

GM:バレル好きだよ(笑)。フィジーやタヒチ、ポルトガルやパイプでいいバレルに当たってるけど。僕の住んでるブラジルのマレシアスってところはいいバレルがあって、けっこうそこで練習してるんだ(笑)。みんなブラジルって小さいビーチブレイクって思ってるみたいだけど、バレルになるポイントもたくさんあるんだよ。かなりでかいのもね。だから、どんなサイズでも行けるよ。今ツアーで世界中のいろんな波を楽しんでるよ。

 

 

トップ34の中で、試合のないときには君が一番たくさんフリーサーフィンしてるように思うけどどう? 一日中やってるでしょ?

 

 

GM:うん、すごくサーフィンするよ(笑)。毎日、一日中、それ正解。波があればサーフする。違う板を試してみたり、いいのが見つかっても、また別なのに乗ってみたりね。調子のいいヤツって、すぐ折れちゃうからさ(笑)。だから、いいのは温存しておいて、違うのに乗るんだ。たくさん板を試すし、いろいろ違うマニューバーもやるよね。単にサーフィンが好きなだけだし、海に入ってるのが好きなんだよ。

 

 

トップ34の中で戦うプレッシャーはそんなに感じでないね。対戦相手から受けるプレッシャーより、自分の中で、うまくやろうと思うプレッシャーのほうが大きいかな。

 

 

WCTに入って、君のサーフィンが対戦相手のやり方に影響を与えたと思う? たくさんの人がコンディションによっちゃ君のことを過小評価してたと思うけど、フィジーやパイプでの好成績で、そんな人たちの評価を変えられた?

 

 

GM:みんなが何を思ってるかはわからないよ(笑)。でもフィジー、フランス、ポルトガルでいい成績を出せたから、トップ34の中で戦うプレッシャーはそんなに感じでないね。対戦相手から受けるプレッシャーより、自分の中で、うまくやろうと思うプレッシャーのほうが大きいかな。とにかくただヒートに勝ちたいだけ。そのために試合に出てるんだから。

 

 

前にも言ったように、君は新しい若手グループの中の一員だけど、今のとこジョンジョンがちょっと飛び出してる感じだよね。君とジョンジョンの間にライバル関係はあるの?

 

 

GM:あると思うよ。ジョンジョンだけじゃなくてほかの若手との間にもね。ミゲール、フリーペ、ナット、コロヘとの間にもライバル意識はあると思う。みんな僕とジョンジョンを比較したがるけど、それは僕たちがWCTでいい成績を残してるし、優勝もしてるからだと思うよ。若手のリーダーとして挙げられるけど、ほかにもたくさんいるんだよ。

 

日本に行ったことはある?

ない。でもいい波の話は聞いてるから、一度どんなところか行ってみたいね。ブラジルからはすごく遠いけど、チャンスがあったら行きたいよ。

 

 

ガブリエル・メディーナ/プロフィール
AKA:メディーナ
DOB:1993年12月22日
出身地:マレシアス、ブラジル
居住地:マレシアス、ブラジル
身長:5’11(180cm)
体重:165lb(75kg)
スタンス:グーフィー
スポンサー:リップ・カール・ウエットスーツ、クロージングとフットウェア、オークリー・アイウェア、プーカスサーフボード、ガラナドリンク、FCSフィン
シェーパー:ジョニー・カビアンカ
マジック・スティック:スワローテールがお気に入り
トレーニング・グラウンド:マレシアス
お気に入りの波:マカロニ
大好きなマニューバー:バレルとエア
インスピレーション:ミック・ファニング

 

http://www.aspworldtour.com/surfers/mens-profiles/gabriel-medina/